社説
尖閣国有化3年、執拗な中国に粘り強い対応を
政府が沖縄県石垣市の尖閣諸島を国有化してから、今月で3年を迎えた。尖閣は日本固有の領土であるにもかかわらず、中国は一方的に領有権を主張し、中国公船が尖閣周辺で領海侵犯を執拗に繰り返している。 日本は抑止力の向上に努め…
VW排ガス不正、自動車への信頼失墜は不可避
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が、ディーゼル車の排ガスを不正に操作し、米国や欧州の規制をかいくぐっていたことが発覚した。不正の可能性がある車は世界全体で1100万台に上る。 規制逃れは極めて悪質な手口で行…
児童福祉司、専門性高め虐待の連鎖を断て
深刻度を増す児童虐待の防止策として、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の専門委員会が児童福祉司の専門性を向上させるとともに、虐待の緊急性を見極めて対応機関に振り分ける「トリアージセンター」を設置する強化案を発表した…
米中首脳会談、米は中国への幻想捨てよ
オバマ米大統領と中国の習近平国家主席が首脳会談を行い、米中協力の重要性を確認したものの、安全保障問題では議論がかみ合わず、抜本的合意の難しさを露呈した。 南シナ海問題で対立 習主席は今回、初めて国賓として米国を訪れた…
国連創設70年、改革しないのは不合理だ
今年は国連創設70年の節目の年だ。第70回国連総会が始まり、28日からの一般討論演説で世界160カ国以上の元首・首脳が所信表明する。 安倍晋三首相、オバマ米大統領、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、韓国の…
日露領土交渉、時には待つことも必要だ
モスクワで日露外相会談が行われたが、ロシアのラブロフ外相は「北方領土問題は議論していない」として、日本側と領土交渉を行うことを拒否する姿勢を明確にした。このような状況下で功を焦ってはならない。我々の忍耐が問われよう。 …
国滅ぼす共産党戦略に警戒を
日本共産党が、安全保障関連法に反対した民主党など各野党に向けて「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」実現を呼び掛け、来夏参院選での野党共闘を構想している。 民主党の岡田克也代表は「特に選挙協力について重要な提案をい…
露のシリア介入、これ以上混迷を深めるな
ロシアが、4年間続いてきたシリア内戦への直接軍事介入に踏み切る可能性が出てきた。 シリアのアサド政権を支援するためだが、軍事介入は内戦を激化させ、さらに多くの犠牲者を出すことになりかねない。国民の反体制デモを武力で弾…
18歳成人、青少年健全育成法が前提だ
選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたのを受け、民法の成人年齢や少年法の適用年齢の引き下げ論議が活発化している。引き下げには青少年健全育成の基盤整備が不可欠だ。「成年」は権利とともに義務も担う。そのことに留意した論議が…
敬老の日、高齢者の力を生かしたい
きょうは「敬老の日」。日本は世界トップレベルの長寿国だ。高齢者の知恵や能力、経験を将来のために生かしたい。 100歳以上が6万人に 厚生労働省によると、全国の100歳以上の高齢者は15日時点で6万1568人に上る。…
安保法成立 法制整備は終わっていない
安全保障関連法が大混乱の末にやっと成立した。だが、安保法制の整備はこれで終わるわけではない。改正された法制も依然として多くの欠陥を持っており、その上国際社会には新たな波乱要因が次々と生まれているからだ。 55年体制下の…
火山活発化、噴火への備えを万全にせよ
日本列島で火山活動が活発化している。今月も熊本県・阿蘇山の中岳(標高1506㍍)第1火口で噴火が発生し、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げられた。全国で噴火への備えを万全にすべきだ。 阿蘇山…
日越首脳会談、幅広い分野で連携強化せよ
安倍晋三首相は、公賓として来日したベトナム最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長と会談した。日越両国は共に、強引な海洋進出を行う中国の脅威に直面している。政治、経済、安全保障などの幅広い分野で連携を強化すべきだ。…
正恩氏登場5年、恐怖政治は体制不安の裏返し
北朝鮮の最高指導者・金正恩第1書記が2010年9月の労働党代表者会に出席し、公の場に姿を現したことが国際社会に初めて確認されてから5年になる。極度の恐怖政治で表面的には独裁体制を維持しているが、権力固めはまだ終わってい…
中国のチベット文化抹殺政策を許すな
中国のチベット自治区のラサ市でこのほど、自治区成立から50周年を記念する式典が開かれた。中国政府はこれを機に、自治の拡大を求める動きに対する抑圧や宗教への介入を強化する姿勢を公言している。 自治区とはいうものの、現状…
辺野古埋め立て、承認取り消しは最悪の選択だ
沖縄県にある米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題をめぐって、翁長雄志知事は仲井真弘多前知事による名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認の取り消し手続きを開始した。取り消されれば法廷闘争にまで進む恐れがあり、国と沖縄の対立は…
消費税還付案、誰のための負担軽減策か
2017年4月に予定されている消費税率10%への引き上げに関して財務省が負担軽減案をまとめた。 消費者に過大な負担を強いるものであり、とても負担軽減策とは呼べない。過去の消費税増税が及ぼした経済への悪影響に対する反省…
豪雨災害、森林整備など総合的対策を
関東や東北地方を襲った記録的な豪雨で、各地に深刻な被害が出ている。鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市では22人が行方不明となった。 宮城県大崎市では渋井川の堤防が決壊し約1000人が住む地区が冠水、多数の住民が取り残…
野党再編、有権者の失望を招くだけだ
維新の党の分裂に向けた流れの中、年内の野党再編が模索されている。 しかし、「第三極」を標榜していた日本維新の会とみんなの党の再編派が党を割って結党した維新の党が内紛で再び分裂するという、縮小再生産的な過程を見れば、民…
毅然さ試されるオバマ政権
9月下旬の習近平・中国国家主席の米国国賓訪問と米中首脳会談を前に、両国間には緊迫した空気が漂っている。 軍事力誇示した中国 すでに中国問題は2016年米大統領選挙の争点の一つになっている。共和党の有力候補マルコ・ルビ…
自民総裁再選、まずは安保法案成立へ結束を
自民党総裁選で安倍晋三首相が無投票再選を決めた。全7派閥が首相を支持し挙党態勢を築いた結果だ。 今後3年の任期が与えられ、いよいよ改革の本丸である憲法改正に乗り出さねばならないが、国会の最終盤に国家の安全の根幹にかか…
サンマ・マグロ、実効性ある資源管理主導せよ
「秋の味覚」として親しまれるサンマ、すしネタとして人気の高いマグロ。日本人になじみ深い両魚種の資源減少を食い止めるため、国際的な取り組みが相次いで進められている。 国際的な取り組み進む 東京都内で開かれた「北太平洋漁…
与党は抑止力向上へ安保法案の成立期せ
――父母や子供たちが味わった悲惨と不幸を思う時、戦争に勝者も敗者もない。だから戦争の悲劇を何としても避ける。それが私の義務だ――。 英国の首相はそう考え、「欧州の平和」を願ってナチス・ドイツに譲歩し、協定を結んだ。と…