社説
日本は腰を据えた北方領土交渉を
ロシアで対日交渉を担当するモルグロフ外務次官が、日本政府とは北方領土をめぐる交渉は行っておらず、同問題は70年前にすでに解決している、との発言を行った。岸田文雄外相が「事実に反するもので、受け入れられない」と批判したこ…
抗日戦勝行事、対中警戒を強めるだけだ
中国による「抗日戦争勝利70周年」を記念する行事が北京の天安門広場で開かれ、およそ1万2000人の兵士が動員された軍事パレードが行われた。習近平国家主席は演説で「中国は将来、兵力を30万人削減する」と宣言した。 狙い…
安全最優先で原発利用を
国際原子力機関(IAEA)は、2011年3月の東京電力福島第1原発事故の検証結果をまとめた最終報告書で、大事故につながった主な要因として「原発は安全だという思い込みが日本にあった」ため、備えが不十分になったと指摘した。…
訪日客急増、地方創生につなげる工夫を
今年の訪日外国人客数は7月時点で1000万人を突破した。これまで最速だった昨年より3カ月早い達成だ。 訪日客の増加を、日本の大きな課題である地方創生にもつなげたい。 7月に1000万人突破 7月も前年同月比51・…
五輪エンブレム、使用中止の判断は当然だ
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は、アートディレクターの佐野研二郎氏がデザインした公式エンブレムの使用中止を正式に決めた。 盗作疑惑招いたデザイン 佐野氏のデザインは昨年11月の審査委員会で「大会ビジョ…
防災の日、「減災」のため自助の力培え
きょうは「防災の日」。わが国は地震や火山噴火が多い上、山と平地と海が近接しているため、水害に襲われる危険性が常にある。自然災害の多い列島に生きていることを国民一人一人が自覚して「自助の精神」を培いたい。 海岸防災林の…
高齢者移住、希望実現に向けた環境整備を
都市部の高齢者に地方に移住してもらい、周辺住民との交流で地域活性化を目指す構想「生涯活躍のまち」の在り方が検討されている。 構想は地方創生の一環 この構想は人口減少の抑制と東京一極集中の是正を図る地方創生の一環で、…
辺野古移設、米軍の抑止力維持に不可欠
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、政府と沖縄県の集中協議が行われている。 中国や北朝鮮の脅威が高まる中、政府は辺野古移設が米軍の抑止力維持に不可欠であることを県側に丁寧に説明すべきだ。 …
米海洋安保、アジア太平洋の安定に努めよ
米国防総省は、アジア太平洋の海洋安全保障の戦略に関する報告書を初めてまとめて公表した。報告書は今後、アジア太平洋地域に航空部隊や艦隊を追加配備することで「軍事力を強化し、紛争や威圧を抑止するとともに、必要なら断固として…
ロシア経済低迷、国際社会との協調が必要だ
今月半ば、ロシア通貨ルーブルの対ドル相場が半年ぶりの安値をつけた。先行きに暗雲が立ち込めるロシア経済の動向が注目される。 背景には、原油安などによる輸出減少に加え、ウクライナ危機をめぐって欧米の発動した経済制裁がある…
維新の党内紛、代表選前倒しして原点を問え
維新の党で内紛が生じている。地方選で党が推薦しないと決めた候補予定者を柿沢未途幹事長が応援したことをめぐって、党顧問の松井一郎大阪府知事が幹事長辞任を求め、柿沢氏が続投する場合は顧問を辞任する考えを示した。 党最高顧…
韓国は北の真意見極め対話を
北朝鮮が一方的に高めた軍事的緊張の解消に向けた韓国と北朝鮮による高官協議が、6項目の合意事項を発表し妥結した。これでひとまず南北間の軍事衝突など最悪の事態は回避される見通しとなり、断絶していた対話の糸口を見いだしたこと…
年金機構、組織の立て直しが急務だ
日本年金機構は約125万件の個人情報が流出した問題で、内部調査の報告書を発表した。 報告書では標的型メール攻撃に対応するルールの不備を「直接的な要因」としたが、背景には不祥事の相次いだ前身の社会保険庁時代の体質が改善…
凶悪犯許さぬ社会づくりを
子供を凶悪犯罪から守り、二度と悲劇を繰り返さないために何をなすべきか。夏休みの最中に大阪府寝屋川市の中学1年男女生徒が殺害された事件は、わが国の「安全な社会」の在り方を厳しく問うている。容疑者の男は過去にも少年監禁事件…
露首相択捉訪問、許されない不法占拠正当化
ロシアのメドベージェフ首相が、わが国固有の領土である北方領土の択捉島を訪問した。不法占拠を正当化するものであり、断じて容認できない。 若い世代に開発呼び掛け メドベージェフ氏は先月末から北方領土訪問の意向を示していた…
こうのとり5号、安定した実績を積み重ねたい
国際宇宙ステーション(ISS)への物資を輸送する日本の宇宙船「こうのとり」(HTV)5号の打ち上げが成功した。米露で輸送機打ち上げが相次いで失敗する中、今回も見事な打ち上げを披露した。 24日にはISSに接近し、先月…
タイ爆弾テロ、懸念される国内外への影響
タイの首都バンコク中心部で死者20人を出す爆弾テロが発生した。これまでにもタイで爆弾テロがなかったわけではない。だが、これまでは主に威嚇および政治的牽制(けんせい)を目的としたもので、不特定多数の大量爆殺を狙ったもので…
国民の不満強める天津爆発事故の情報規制
100人以上が死亡した中国天津市の大規模爆発事故では、中国政府の情報規制に厳しい目が向けられている。 汚職の可能性も浮上 爆発の際には、大きな爆発音と共に高さ数十㍍のきのこ雲が上がり、広い範囲で地震のような揺れが感じ…
GDPマイナス、消費増税の影響が大きい
日本経済は景気拡大の力強さを欠いたまま、またマイナス成長に転じてしまった。4~6月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0・4%減、年率では1・6%減と3期ぶりのマイナス成長である。 景気の足を引っ張った個人消費や輸…
米の通信傍受、「知恵の戦い」の能力保有を
米国による日本の政府要人や官庁などの通信傍受が明らかになったことは、日本人の多くを驚かせた。だが、米国は独仏両国などにも行っていたことが既に明らかになっており、予想できたことである。 武力よりも重視する欧米 第1次世…
中国の海洋進出、米は積極的関与を行動で示せ
中国の南シナ海における大規模な岩礁埋め立てや軍事拠点化への懸念は深まるばかりだ。 マレーシアの首都クアラルンプールで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議で、ケリー米国務長官は中国な…
戦後70年、積極的平和国家への出発点
先の大戦の終結から70年となる終戦記念日を迎えた。散華した多くの若者を含め300万の同胞が国内外で犠牲になった。今日の日本の繁栄は、こうした犠牲の上にあることを忘れてはならない。 きょうは、その尊い御霊に祈りを捧げ、…
性犯罪厳罰化、防止策の強化にも取り組め
強姦罪などの性犯罪を厳罰化し、被害者の訴えがなくても起訴できる「非親告罪」に改める――。そんな報告書を法務省の検討会がまとめた。 性犯罪への処罰はかねて甘過ぎると指摘されてきた。罰則強化は厳罰化というよりも適正化だ。…