濱口 和久
日本軍はノモンハンでいかに戦ったか
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 甚大だったソ連軍の損害 スターリンが「大勝利」と喧伝 今年はノモンハン事件から80年目となる。そのため、ノモンハン事件に関連する書籍が数多く出版されている。10月7…
再認識される消防団の必要性
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 災害時の共助の中核に 課題は団員の減少と高齢化 火災の消火活動や、全国各地で地震や風水害(気象災害)などの災害が起きた場合、消防団が出動する。今後、首都直下地震や南…
「災害の日常化」と危機管理力
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 検討すべき「防災省」設置 自治体は避難所の再点検を 台風15号の被害の爪痕が癒える間もなく、台風19号が日本列島を襲った。被害の範囲も東海・関東甲信越・東北地方に及…
台風15号被害に見る停電リスク
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 想定外だった通信障害 地域防災計画の見直し急務 9月8日の夜中から9日の明け方に首都圏を通過した台風15号は、千葉県を中心に甚大な被害をもたらした。本稿執筆(16日…
日本人が忘れてならぬソ連の蛮行
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 終戦後の引き揚げ船攻撃 子供や女性ら約1780人が犠牲に 日本軍は昭和20(1945)年8月15日(終戦の日)に戦闘を停止し、同時に武装解除した。その1週間前の8月…
自衛隊人材確保の厳しい現状
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 少子化で隊員募集難しく 民間企業が支える予備役制度 平成23(2011)年3月11日に起きた東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、自衛隊は災害派遣としては最大規…
防災コストと「国難」への備え
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 必ず起きる首都直下地震 一極集中が財政破綻招く恐れ 首相官邸で6月11日、大規模災害に備えた国土強靭(きょうじん)化推進本部会合が開かれ、今年度の「国土強靭化年次計…
国を守るという意味
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 民間防衛の先進国スイス 見習うべき国民の国防意識 日本ではスイスを非武装中立国と思っている人が多い。しかし、スイスは武装中立と徴兵制(国民皆兵制)を国防戦略の基本に…
民間防衛は世界の常識
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 協力は任意の国民保護法 「義務的任務」盛り込み検討を 民間防衛は、積極防空(軍防空)に対し、消極防空(民間防空)ともいわれ、次のように定義されている。 「敵の武力…
自衛隊、頼れる「最後の砦」
平成という時代が終わろうとしているが、この30年間で、自衛隊を取り巻く環境は大きく変わった。 国内では雲仙普賢岳噴火後の災害派遣を皮切りに、常に災害現場に自衛隊がいる。また、イラク戦争後のペルシャ湾への海上自衛隊掃海…
「民間防衛」議論の時
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から3月11日で8年となる。東日本大震災後も次々と日本列島を災害が襲い続けている。災害のたびに自衛隊は出動し、人命救助や捜索活動などを担ってきた。 平成7年1月17日に起きた兵庫県…
「竹島の日」と日韓主張の対立
拓殖大学大学院特任教授 濱口 和久 「先占」の原則に則り編入 講和条約発効で日本領と確定 今年も2月22日に「竹島の日」式典が島根県松江市で開催された。日本政府からは安藤裕内閣府政務官が出席。政務官の出席は7年連続とな…
正念場迎える安倍外交
日本は厄介な国々に取り囲まれている。ロシア、中国、北朝鮮、韓国。東西冷戦時代、日本にとって安全保障上の最大の脅威はロシア(旧ソ連)だった。冷戦崩壊後は、中国、北朝鮮が日本に対して脅威を与えるような行動を続けてきた。北朝…
決意感じぬ4島返還大会
今年の「北方領土の日」(2月7日)は「最悪の日」となった。東京都内で開催された北方領土返還要求全国大会での安倍晋三首相の挨拶からは、日本固有の領土である北方4島がロシア(旧ソ連)によって「不法占拠」されてきたという歴史…
弱腰外交が韓国を増長
昨年12月に起きた韓国海軍駆逐艦による海上自衛隊P1哨戒機への火器管制レーダー照射問題は、日本政府が今月21日に「最終見解」を示し、韓国との協議を打ち切った。 これで問題は終息すると思ったが、韓国は新たに24日、海自…
自衛官の60歳定年検討を
防衛省は昨年12月21日、1佐から3曹までの自衛官の定年年齢をそれぞれ1歳ずつ引き上げることを決定。自衛隊法施行令などを改正し、2020年1月以降の実施を目指すとしている。 防衛省は定年年齢引き上げの理由を「装備品の…
新年こそ憲法改正議論を
戦争、テロ、大規模自然災害、特殊災害、感染症、その他あらゆる危機に対応できる実力組織は自衛隊しかいない。警察、消防、海上保安庁もある程度のレベルまでは対応できるかもしれないが、最後の砦(とりで)が自衛隊であることは多く…
日露国境線の変遷と北方領土
拓殖大学大学院特任教授 濱口 和久 17世紀に4島の統治確立 ロシア領には一度もならず 11月14日、安倍晋三首相はシンガポールでロシアのプーチン大統領と会談した。「1956年の日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加…
辺野古移設、加速を期待
防衛省は14日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を名護市辺野古に移設するため、埋め立て海域への土砂投入を開始した。日米両国政府による普天間飛行場の返還合意(沖縄県内移設で合意)から22年が経(た)つ。移設に向けての動…
北の核への警戒怠るな
今から半年前の6月12日、シンガポールで開催された米朝首脳会談で、北朝鮮の金正恩労働党委員長は「完全な非核化」をアメリカのトランプ大統領に約束した。この会談を受けて、北朝鮮は約束を着実に履行するかと思いきや、さまざまな…
新鮮味欠く『自衛隊「別班」』
講談社現代新書から石井暁共同通信社編集委員が『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』を出版した。 本書は話題の一冊として、各方面で紹介されている。 石井氏が5年にわたって50人近い現職・元自衛官に取材し、共同…
撃墜も覚悟の緊急発進
防衛省統合幕僚監部は10月12日、平成30年度「上半期4~9月」の航空自衛隊戦闘機による緊急発進(スクランブル)回数を発表した。 回数は561回(平均1日に3回)で、前年同期と同数となり、上半期ベースでは過去最多とな…
災害時の避難先の違い理解を
拓殖大学大学院特任教授 濱口 和久 逃げる場所と落ち着く先 事前に帰宅困難時の対策も 避難場所と避難所の違いを正しく言える人はどれくらいいるだろうか。 避難場所と避難所については、災害対策基本法が平成25(2013)…