オピニオン
死刑廃止宣言、国民感情を踏みにじる日弁連
日弁連が全国の弁護士を集めて福井市で開いた「人権擁護大会」で、初めて死刑廃止を求める宣言を採択した。何とも不可解な宣言だ。被害者の「人権擁護」の視点が欠落している。国民の8割が死刑制度を支持していることを忘れてはならな…
トランプのユダヤ人脈
獨協大学教授 佐藤 唯行 策士の娘婿が最側近に カジノ王が巨額献金を約束 米大統領選が終盤を迎える中、当初中立的であったその立場を変え、親イスラエル色を鮮明にしつつあるのが共和党候補のトランプだ。「オバマがイランとの間…
北核実験10年、暴走許した轍踏まぬ覚悟を
2006年10月9日、北朝鮮が北東部の咸鏡北道豊渓里で最初の核実験を実施してからちょうど10年が経過した。北朝鮮はこの間、同じ実験場で5回の核実験を強行する一方、運搬手段となる各種弾道ミサイルの発射を繰り返し、小型化・…
性犯罪厳罰化、速やかな法改正が必要だ
法制審議会(法相の諮問機関)は、性犯罪の罰則を強化する刑法改正要綱骨子を金田勝年法相に答申した。 要綱では強姦罪の法定刑について下限を懲役3年から5年、強姦致死傷罪も下限を懲役5年から6年に引き上げ、刑法の中で最も重…
9月短観、一日も早い経済対策実行を
企業の景況感は総じて横ばい。円高の影響は業種により異なりまだら模様で、先行きは円高が重しとなり慎重姿勢を崩せない――日銀発表の9月短観から見える状況である。 金融は極端に緩んでいるのに設備投資が冴(さ)えないのは、円…
自衛隊を国防軍に 改憲論議を本格化せよ
安倍首相の所信表明 臨時国会冒頭の衆院本会議で、安倍首相の所信表明演説中に自民党議員らが起立して拍手したことに民進党などの野党は「議会の秩序を乱す異常な事態だ」として抗議した。 安倍首相は演説の後段で、我が国の領土、…
ウズベクで遭遇した事件
歴史家 金子 民雄 静か過ぎた独立記念日 大統領危篤で空港に足止め ひとはみなそれぞれ独自の個性を持っているので、同じような人生を歩んでいても、みないろいろな体験をするようだ。中には妙な事件に巻き込まれることもある。私…
中国企業に制裁、対北包囲網強化を進めよ
国連安全保障理事会が強く非難した9月の北朝鮮による5度目の核実験を受け、米財務省は中国企業と幹部4人に制裁を科した。司法省も同社と4人を刑事訴追した。 対北制裁の「抜け穴」を許さない米国の強い姿勢を見せたことが評価さ…
パリ協定発効へ、日本は早期批准に努めよ
2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組みである「パリ協定」が、11月にも発効することが確実となった。温室効果ガスの2大排出国である米中両国や、温暖化に伴う海面上昇の被害を受けやすい島嶼(とうしょ)国などの批准が…
「信じること」に満ちた現代
名寄市立大学教授 加藤 隆 作った人を信用し食事 科学的知見も信頼が根底に 現代は不信の時代だと言われる。ひところまでの日本ならば、隣近所の大人が地域の子どもたちを叱ったり声掛けしたりすることが日常光景だったが、昨今の…
大隅氏ノーベル賞、生命の本質解明した偉業
今年のノーベル医学生理学賞の受賞者に、細胞内のたんぱく質の合成や分解に関わる「オートファジー」と呼ばれる仕組みを解明した東京工業大栄誉教授の大隅良典氏(71)が選ばれた。 日本人のノーベル賞受賞は3年連続、米国籍を取…
南海トラフ巨大地震にどう備えるか
矢田部龍一・愛媛大学防災情報研究センター長に聞く 東日本大震災以上の被災に 南海トラフ巨大地震はこれからの30年で70%の確率で起こるとされ、被災が予想される地域では、大地震への対策が喫緊の課題になっている。四国の土質…
米大統領選揺るがす情報漏洩
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき 露が関与?トランプ氏が利用 選挙結果への不信感拡大 大企業や政府のコンピューターがハッキングされたというのはニュースにならないほど数が増えている。民間IT企…
学力テスト、切磋琢磨で一層の向上を
小学6年と中学3年を対象に4月に行われた全国学力テストの結果が公表された。都道府県別では、下位層の成績が全国平均に近づく傾向が続き、地域間格差が一段と縮小した。喜ばしいことであり、一層の学力向上を目指したい。 地域間…
内容ある国会論戦を期待
政治ジャーナリスト 細川 珠生 TPPの意義を明確に 憲法改正、二重国籍問題も 連日報道される“小池劇場”に、すっかり話題を持っていかれたかのような安倍政権であるが、26日に始まった第192臨時国会では、重要テーマもあ…
豊洲市場問題、求められる都政の抜本改革
東京都の豊洲市場(江東区)の建物下で土壌汚染対策の盛り土が行われなかった問題は、「いつ、誰が」盛り土をしない方針を決めたのか内部調査では特定できなかった。 小池百合子知事には事実の徹底解明とともに都政の抜本改革が求め…
東京五輪、コスト意識の低さ改善を
2020年東京五輪・パラリンピックの関連予算を検証している東京都の調査チームが、今のままでは大会開催費の総額が3兆円を超えるとの推計を明らかにした。 総額3兆円超と推計 開催費は招致段階で7340億円と見積もられて…
米大統領選、世界をリードする構想見えぬ
2016年米大統領選の最大のヤマ場となる民主党候補ヒラリー・クリントン氏と共和党候補ドナルド・トランプ氏の第1回テレビ討論会が、ニューヨーク州内の大学で開かれた。両候補の初めての直接対決である。 両候補が初の直接対決…
日露の北方領土交渉 正念場を迎える安倍外交
中国膨張主義と北の核 現在、日本とロシアの関係は新しい局面を迎えようとしている。本年9月2日にウラジオストクで安倍首相とプーチン大統領が会談したのを契機として、12月には同首相の故郷である山口県に同大統領が招待される予…
作られた「人頭税」伝説
沖縄大学教授 宮城 能彦 沖縄の過酷な歴史誇張 通説を覆した安良城と来間 昨年、来間泰男の『人頭税はなかった』(2015年・榕樹書林)という本が話題になった。 人頭税とは、近世沖縄八重山地方にあった税制であり、ひとり…
各党代表質問、対案とチェックの質を高めよ
臨時国会は各党代表質問に入り、衆院では民進、自民、公明、共産、維新の主要各党の質問が一巡し、夏の選挙後の参院では民進党の蓮舫代表が就任後初の質問に立った。新たな節目で、国会における与野党の論戦の質が高まることを期待した…
夢のような独立から25年、日本からの投資に期待
グラント・ポゴシャン・アルメニア共和国特命全権大使インタビュー 世界でも有数の古い歴史を持つアルメニアがソ連崩壊の前に独立してから25年の節目を21日に迎えた。駐日アルメニア共和国大使館のグラント・ポゴシャン特命全権大…
敵基地攻撃能力、早急に保有の検討開始を
中国や北朝鮮の軍事的脅威の高まりを受け、敵基地攻撃能力の保有を求める声が高まってきた。中国の南シナ海の島嶼(とうしょ)の占拠・軍事基地化、北朝鮮の核武装努力の進展に対して、国連は全く無力である。一方、「世界の警察官」だ…