Viewpoint
先進国の金融市場に春の嵐
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 長期金利と株価が同時上昇 景気回復予測の反映かバブルか 米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行など先進国の中央銀行が、まだ2~3年は現在の超金融…
男女共創共活社会の実現を
麗澤大学大学院特任教授 高橋 史朗 違い活かし合い補い合う ジェンダーの対照的相補性 平成17年の自民党政権下の男女共同参画第2次基本計画では、当時大学で盛んだった「女性学」は「フェミニズムを正当化するイデオロギーであ…
中国との3声明を換骨奪胎した米国
平成国際大学教授 浅野 和生 「一つの中国」有名無実化 「日台交流基本法」の制定期待 今からおよそ半世紀前、1972年2月28日の米中「上海コミュニケ」で、中国は「中華人民共和国政府は中国の唯一の合法政府であり、台湾は…
北方領土は国家主権の問題
ロシア研究家 乾 一宇 安易な妥協は亡国への道 受け入れられぬ「2島返還論」 今年の北方領土の日(2月7日)は、大きなニュースにもならずに終わった。 北方領土問題は、不思議にも日本の選挙の争点にはなっていない。だが、…
東日本大震災・トモダチ作戦から10年
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 「想定外」は無責任の極み あらゆるシナリオ考え備えを 東日本大震災は昨日の出来事のようだ。10年前の当時、筆者は、米軍の救援活動である「トモダチ作戦」に携…
ゲラシモフ露AVN新総裁とは何者か
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 三つの軍主要ポストを兼任 「ハイブリッド戦争」の提唱者 ロシア軍関係者の間で旧臘(きゅうろう)25日から新年を迎えて、ある軍幹部の人事が久しぶりに大きな話題となったと伝えられる。セルゲ…
韓国海軍の空母建造計画に思う
元統幕議長 杉山 蕃 「いずも改修」が引き金に 中国の軍拡に対処する意義も 今回は、韓国海軍の空母建造に関連して若干の所見を披露したい。昨年8月韓国国防省は韓国海軍の空母建造を公表した。以後半年、韓国国内での有力諸紙の…
浦添市長選を総括する
OKINAWA政治大学校名誉教授 西田 健次郎 堂々と政策主張し大勝利 沖縄の夢を託された松本市長 天晴(あっぱ)れな大勝利だった。 沖縄県浦添市長選の直前に筆者は本欄で、共産党隠しの候補者・伊礼悠記氏の陣営について…
『韓非子』で読む現代中国
哲学者 小林 道憲 独裁と法による覇権主義 信賞必罰が支配の根本原理に 韓非子は、自分が生きた戦国時代の現実から、利益本位に動く人間の現実を凝視していた。政治も、この利を好み罰を嫌がる人間の本性に根差して行わねばならな…
多様な根深い差別を抱える米国
アメリカンエンタープライズ研究所客員研究員 加瀬 みき テニスの四大大会の一つである全豪オープンの準決勝で大坂なおみが女子テニスの女王、セリーナ・ウィリアムズを負かした。次の女王が誕生した、とみるとともに、セリーナなく…
新渡戸稲造と『菜根譚』のことば
メンタルヘルス・カウンセラー 根本 和雄 今こそ融和・寛容の精神を 退歩は前進、利他は自利へ導く 国際人として、国際連盟事務次長の任に7年間携わり、その間に「知的協力委員会」(ユネスコの前身)を担当し、アインシュタイン…
茶番劇だったトランプ弾劾裁判
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 後回しにされた経済対策 逆に存在感を強めた前大統領 米連邦議会上院は2月13日、大統領選挙の結果認定中の1月6日に起きた連邦議会議事堂への襲撃事件を扇動し…
FOIPと価値観外交
東洋大学教授 西川 佳秀 腰の引けた日本政府 積極的に発信し具体策示せ 2月18日、日米豪印の4カ国外相会合が開かれ、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)構想の推進で一致、アメリカは4カ国の首脳会談初開催にも意欲…
バイデン米政権の対中政策
拓殖大学国際日本文化研究所教授 ペマ・ギャルポ 当面は強硬姿勢を継続か 日本は米国の頼れる同盟国に アメリカの大統領選は難産であったがジョー・バイデン氏が第46代大統領として1月20日正式に誕生した。日本国内では私を含…
消防団の歴史と共助の担い手
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 明治の近代化と共に始動 地域防災力の中核として育成を 消防団の歴史は古く江戸時代、徳川幕府第8代将軍の徳川吉宗が、江戸南町奉行の大岡越前に命じ、町組織としての火消組…
現実化する『1984年』の世界
大月短期大学名誉教授 小山 常実 米国が「第二の中国」になる トランプ派の再教育求める声も テレビや新聞の報道を信ずるならば、1月21日午前2時前(ワシントン時間1月20日正午前)、ジョー・バイデン米大統領が誕生した。…
脆弱化した北朝鮮・金正恩体制
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 経済政策の失敗を認める 空念仏の「人民大衆第一主義」 北朝鮮の冬の寒さは厳しいと、前回も書いたが、この時期の朝鮮半島や中国東北部はいわゆる「三寒四温」がはっきりしている。「3日間耐える…
中国海警法施行と日本の対応
東洋学園大学教授 櫻田 淳 「態勢固め」を行う好機 尖閣「回収」は中国に負の効果 去る2月1日、中国共産党政府は、海上警備を所掌する海警局に武器使用の権限を付与することを趣旨とする「海警法」を施行した。 中国共産党政…
ロシアの米IT企業ハッキング
日本安全保障・危機管理学会上席フェロー 新田 容子 政府機関の合同部隊関与か 日本はサイバー戦略の転換を 2021年1月の船出後、米国バイデン新大統領は「深刻なサイバー攻撃を行うわれわれの敵(ロシア)を混乱させ、抑止す…
異次元金融緩和の変遷と展望
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 量的拡大から金利誘導へ 実現時期予測できぬ物価2% 黒田東彦総裁が日本銀行に着任し、「異次元金融緩和」(総裁自身の命名)を実施して以来、8年を経過した。この8年間に、「異…
継承される「インド太平洋」構想
平成国際大学教授 浅野 和生 覚悟求められる菅内閣 地域安保の柱たるべき日本 バイデン米大統領は、1月28日の菅首相との初の電話会談で、「自由で開かれたインド太平洋」構想の維持を表明した。昨年11月にバイデン氏は「安全…
真っ二つに割れる米共和党
アメリカン・エンタープライズ研究所客員研究員 加瀬 みき トランプ氏の言動評価に差 熱狂的支持者に権威への不信感 アメリカの分断は先の大統領選挙でも明らかであったが、その分断は共和党と民主党の間だけではない。アメリカ全…
エドワード7世と「ユダヤの宮廷」
獨協大学教授 佐藤 唯行 新興大富豪が王の側近に 英社交界最上層への仲間入り 英王室とユダヤ大富豪との蜜月関係はエドワード7世時代(1901~10)にピークを迎えた。王は彼らを側近として重用(ちょうよう)したため、世人…