社説
防衛白書 中朝の脅威への対処急げ
政府が閣議で2020年版防衛白書を了承した。白書で指摘された中国や北朝鮮などの脅威への対処を急ぐべきだ。 「現状変更の試み執拗に」 白書は、沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵入を繰り返していると強調。機関砲とみら…
中国の現状変更 南シナ海支配を許さぬ連携を
中国の「香港国家安全維持法」(国安法)施行、南シナ海の大部分の領有権を主張した海洋進出など「力による現状変更」に対抗措置を取る動きが国際社会で強まっている。沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船により領海侵犯を繰り返されている…
バイデン氏政策 党内での擦り合わせが課題
11月3日の米大統領選まで4カ月を切った。野党民主党の候補指名を確実にしているバイデン前副大統領が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う景気後退の中、政府調達で米国製品を優先する「バイ・アメリカン条項…
商業捕鯨再開1年 捕鯨文化の内外発信が必要だ
商業捕鯨が再開されて1日で1年となった。当初懸念された国際社会の激しい反発はないものの、日本の捕鯨文化が国際的に認知され理解を得たわけではない。持続可能な商業捕鯨を軌道に乗せるために、内外への働き掛けを強める必要がある…
WTOで日韓応酬 文政権は政治攻勢を止めよ
日本が韓国に対して半導体材料など3品目の輸出管理で運用を厳格化させたことをめぐり、両国が世界貿易機関(WTO)を舞台に相手国批判の応酬を繰り広げている。 厳格化は不当だと主張する韓国・文在寅政権は日本側の主張に耳を傾…
感染者過去最多 メリハリ利いた対策が重要だ
東京都での新型コロナウイルスの新たな感染者数が、昨日は243人となり2日連続で過去最多となった。無観客で行ってきたプロ野球やサッカーJリーグの試合も、人数を制限しながらではあるが観客の入場を始めた。社会経済活動を進めな…
米の対中制裁法案 トランプ氏は早急に署名を
米議会で、中国当局者らによる香港の自治侵害に対して制裁を科す「香港自治法案」が通過した。トランプ大統領が署名すれば成立する。 中国が成立を強行した香港国家安全維持法(国安法)への対抗措置である。トランプ氏は早急に署名…
自民対中決議 習氏国賓来日中止要請は当然
自民党が、香港に対して統制を強化する中国の「香港国家安全維持法」を非難する決議を採択し、延期されている習近平国家主席の国賓来日について中止することを要請した。 国際社会は中国に対し、新型コロナウイルス対策の初動の遅れ…
旧優生保護法報告 唯物的人間観の転換が必要だ
旧優生保護法下で障害者らが不妊手術を強制された問題で、医学界の関わりなどを検証する日本医学会連合の検討会が報告書をまとめた。 精神科医の強い関わり 被害者らへの「心からのお詫び」とともに、出生前診断や遺伝子治療などの…
小池都知事再選 危機管理策の強化・拡充を
東京都知事選は、無所属で現職の小池百合子氏が大差で再選された。最大の争点となった新型コロナウイルス対策で都民から幅広く支持された結果だが、再選の喜びに浸っている余裕はない。コロナ第2波に備え実効性のある対策の実施が必要…
改正憲法が発効 民主主義を目指した露の終焉
プーチン大統領の長期続投を可能とするロシアの憲法改正案が、国民投票で8割近い賛成票を集めて承認され、発効した。 マスコミ統制、選挙制度改変などさまざまな手法によって独裁的な体制を強化してきたプーチン氏は、自らの政治体…
九州南部大雨 一刻も早い救助に全力を
熊本、鹿児島両県は梅雨前線の影響で記録的な大雨となり、気象庁が一時、特別警報を発表した。 川の氾濫や土砂崩れで多くの死者、行方不明者が出ている。警察や消防、自衛隊は救助に全力を挙げるべきだ。 熊本などに特別警報 熊…
米国防宇宙戦略 中露の軍事利用の脅威減少を
安全保障における宇宙空間の重要性は著しく増大している。米国防総省は6月、今後10年間の宇宙政策の指針となる「国防宇宙戦略」を発表した。 宇宙空間では、中国やロシアの脅威が高まっている。米国は日本をはじめとする同盟国と…
6月日銀短観 苦境の長期化回避に全力を
予想通りの深刻な数字だ。6月の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)は、ほぼ全業種で景況感が落ち込み、新型コロナウイルス禍の企業に与えた打撃の大きさを浮き彫りにした。 経済活動は再開したが、感染第2波への懸念は強く、本…
レジ袋有料化 プラごみ削減への第一歩に
スーパーやコンビニなど全国の小売店でレジ袋の有料化がスタートした。環境に負荷を与えるプラスチックごみの削減は、地球的課題だ。具体的な効果は小さくとも、これを国民意識を高めるきっかけとし、さらに大きな削減への第一歩とした…
香港国家安全法 危うい中国の統制強化
中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の常務委員会が香港統制を強める「香港国家安全維持法」(国安法)を可決、成立させ、香港政府が施行した。 「一国二制度の堅持」や「高度自治方針」を謳(うた)っているが、国家分裂…
「富岳」世界一 幅広い課題解決に役立てよ
理化学研究所と富士通が共同開発中のスーパーコンピューター「富岳」が、スパコンの計算速度を競う世界ランキング「TOP500」で、1位を獲得した。日本のスパコンでは2011年11月の「京(けい)」以来、8年半ぶりの快挙だ。…
日本と国際機関存在感向上で世界に貢献を
日本人が国際機関のトップを含む重要ポストに就任する機会が減っている。 政府は国家安全保障局(NSS)に4月に新設した経済班を中心に、国際的に活躍できる人材育成を戦略的に進めるための体制を強化する。国際機関における日本…
日本遺産 国内観光振興の起爆剤に
地域の歴史的魅力や特色をストーリーとしてつなぎ、貴重な日本の文化、伝統として文化庁が認定する「日本遺産」に21件が新たに追加され、全部で104件となった。国内外への発信を強化し、観光振興や地方創生につなげたい。 認定が…
尖閣の字名変更 政府は実効支配を強化せよ
沖縄県石垣市議会が、同市に属する尖閣諸島の字名を10月1日に「登野城(とのしろ)」から「登野城尖閣」に変更する議案を賛成多数で可決した。 尖閣周辺では中国海警船の動きが活発化している。字名変更を機に、政府は尖閣の実効…
新START 中国の参加なければ時代遅れ
米国とロシアはウィーンで核軍縮に関する高官協議を行い、来年2月に期限切れとなる新戦略兵器削減条約(新START)延長などを議論したが、招待した中国は参加しなかった。軍拡を続ける中国が加わらず、米露だけ相互検証可能な条約…
朝鮮戦争70年 現在も続く北の武力挑発
1950年6月25日の朝鮮戦争勃発から70年になる。戦争は北朝鮮が韓国に武力侵攻して始まり、米国をはじめとする国連軍と中国軍が参戦して3年余りの死闘の末、休戦協定が結ばれて現在に至る。この70年間、北朝鮮は韓国に武力侵…
中印衝突 中国の覇権主義を牽制せよ
中印の係争地帯で双方の軍が衝突し、インドは自軍の死者が20人に達したと発表した 中印両国は年に数回は小競り合いを起こすが、インド側に死者が出たのは1975年以来、45年ぶりとなる。 45年ぶりに死者が出る 両軍の…