社説
ソ連対日参戦75年 再び国際政治を見誤るな
第2次大戦末期にソ連は、当時有効だった日ソ中立条約を破棄して宣戦を布告し、日本に侵攻した。戦力の多くを南方に振り向けていた日本軍は敗退を続け、多くの戦死者を出した。ソ連軍は民間人にも襲いかかり、筆舌に尽くし難い蛮行を繰…
お盆帰省 高齢者の感染防止策万全に
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、お盆の帰省をどうするか多くの人が迷っている。 政府と地方自治体の見解が異なり、国民一人一人に判断が委ねられる形となっている。帰省する際は高齢者への感染防止対策に万全を期したい。 …
資産現金化 韓国は思い止まるべきだ
元徴用工訴訟の韓国大法院(最高裁)判決で、賠償を命じられた日本企業の韓国内資産に対する差し押さえの効力が発生し、資産の現金化が可能になった。現金化された場合、日本企業に実害が生じる事態となり、日韓関係に深刻な亀裂が生じ…
原爆の日 核廃絶よりも抑止力向上を
広島はきょう、長崎は9日に75回目の「原爆の日」を迎える。深く静かに鎮魂の祈りを捧(ささ)げ、平和への誓いを新たにしたい。 核戦力を増強する中朝 広島市ではきょう、平和記念式典が開かれ、被爆者や遺族、安倍晋三首相ら…
米民間宇宙船 有人宇宙新時代の幕開けだ
米宇宙企業「スペースX」の開発した有人宇宙船「クルードラゴン」が約2カ月間の任務を終え、無事帰還した。民間開発による初の本格的有人宇宙船の任務成功である。 有人宇宙の新時代の幕開けに喝采を送るとともに、これを切り開い…
スーパー射殺25年 警察は犯人逮捕へ執念を
東京都八王子市のスーパーで1995年7月、アルバイトの女子高校生ら3人が射殺された事件から25年が経過した。 殺人罪などの公訴時効が撤廃され、事件の捜査は今も続いている。警察は執念を持って何としても犯人を逮捕すべきだ…
「制宙権」争い 米は衛星防衛能力の向上を
米国とロシアはウィーンで宇宙空間の安全保障に関する会議を行った。米露両国が宇宙の安保をめぐり正式に協議するのは2013年以来、7年ぶり。両国は引き続き対話を継続する必要性を確認した。 中国やロシアは衛星攻撃兵器の開発…
国連安保理 日本は先頭に立って改革を
国連のグテレス事務総長は演説の中で、国際機関における大国が「不平等を無視している」と批判した。 国連安全保障理事会の5常任理事国を念頭に置いた異例の発言だ。機能不全が指摘される安保理の改革に向け、日本は先頭に立たなけ…
李登輝元総統逝去 台湾に魂の柱据えた大政治家
台湾の李登輝元総統が逝去した。97歳の大往生だったとはいえ、確固とした台湾の行く末を見届けて逝きたかったに違いない。 日米との関係強化に動く プロテスタント・長老派のクリスチャンであった李元総統は、ユダヤ民族を奴隷の…
一極集中の是正 コロナ禍を転じて福となせ
新型コロナウイルスの感染拡大で過密都市・東京の課題が浮き彫りとなり、テレワークの広がりもあって地方への移住の動きが起きている。政府は今こそ東京への一極集中の是正のため、首都機能移転を含む総合的な施策に取り組むべきだ。 …
ALS嘱託殺人 生命の尊厳踏みにじった医師
難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の女性からの依頼で、薬物を投与して殺害したとして医師2人が嘱託殺人容疑で逮捕された。生命の尊厳を踏みにじった愚かな行為だと言わざるを得ない。 女性を薬物で死亡させる 2人の容疑者…
北の核保有強調 いかなる正当化も許されない
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、朝鮮戦争(1950~53年)に参戦した退役軍人を招いた行事で演説し、核兵器保有の経緯と意義を強調して改めて自国の核保有を正当化した。 米国との非核化交渉を視野に入れた揺さぶりの一環と…
尖閣諸島 危機打開へ毅然とした対応を
沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域で、中国海警船の航行が確認された日数が連続100日を超えた。 尖閣奪取に向けた動きを強める中国に対し、武力攻撃に至らないグレーゾーン事態など、あらゆる事態に備えた体制の整備が不可欠だ。 …
米国務長官演説 日本も中国幻想から目覚めよ
現役の米政府高官が中国の最高権力者を名指しし、ここまで激しい批判の言葉を浴びせたことが、かつてあっただろうか。 ポンペオ米国務長官がカリフォルニア州で行った対中政策演説で、中国の習近平国家主席を「破綻した全体主義イデ…
北方領土 露の不法占拠正当化を許すな
今月初めの全国投票で承認され、発効したロシアの改正憲法には「領土割譲の禁止」が明記されている。 改憲後、ロシアでは北方領土の不法占拠を正当化する言動が目立つ。日本固有の領土である北方領土を侵害し続けることは決して容認…
あおり運転 厳罰化で防止徹底を図れ
「あおり運転罪」を盛り込んだ改正道路交通法がこのほど施行された。 あおり運転をめぐっては、これまで悲惨な事件が繰り返されてきた。厳罰化で防止徹底を図るべきだ。 直ちに免許取り消し 改正法ではあおり運転について、車両…
五輪まで1年 感染対策を徹底し準備万全に
新型コロナウイルスの影響で来夏に延期された東京五輪開幕まで、あと1年となった。 新型コロナ収束の兆しはまだ見えないが、感染対策の徹底など開催に向けて万全の準備を整えるべきだ。 新型コロナで来年に延期 本来であればき…
海の日 海洋国自覚し現状直視を
四方を海に囲まれた日本は、海からの恩恵を受け発展してきた海洋国家である。きょうは「海の日」。その恩恵に感謝し、海洋国家の自覚を新たにするとともに、海をめぐるさまざまな問題を考える日としたい。 挑発強める中国公船 夏の…
GoToトラベル 感染防止策を徹底し柔軟に
新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ観光事業を支援する「Go To トラベル」キャンペーンがきょうから始まる。感染の再拡大で東京都が対象から除外されたが、感染防止策を徹底して徐々に成果を上げていきたい。 キャンセル…
UAE探査機 中東初の火星の夢打ち上げる
中東諸国で初となるアラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機「HOPE」(アルアマル)の打ち上げが、鹿児島県・種子島宇宙センターからH2Aロケットによって行われ、見事に成功した。来年に建国50周年を迎えるUAEの記念すべき…
石炭火力削減 原発の新増設が不可欠だ
政府は、発電効率が低く二酸化炭素(CO2)を多く排出する旧式の石炭火力発電所を2030年度までに休廃止する方針を示した。 石炭火力は原子力と共に安価に一定量を発電し続けられる「ベースロード電源」と位置付けられている。…
藤井新棋聖 驚異的な強さの若き天才
将棋の最年少棋士の藤井聡太七段が、渡辺明三冠(棋王、王将、棋聖)から初タイトルとなる棋聖位を奪った。屋敷伸之九段が持つタイトル獲得の最年少記録(18歳6カ月)を30年ぶりに塗り替え、17歳11カ月という新記録を打ち立て…
米朝関係 駆け引きやめ非核化優先せよ
4回目となる米朝首脳会談の開催をめぐり米朝両国による駆け引きが続いている。双方とも11月の米大統領選まで開催は難しいと主張しつつ、相手が条件を呑めば可能との意向を示した。だが、最優先すべきは北朝鮮が完全非核化に向け歩み…