濱口 和久
世界標準の防衛大臣へ
第3次安倍再改造内閣が8月3日に発足した。 今回の組閣で最も注目を集めたのは、稲田朋美氏の防衛大臣就任だろう。東京都知事に就任した小池百合子氏に続いて2人目の女性防衛大臣の誕生である。 稲田氏の防衛大臣就任を受けて…
防衛大での学生生活
7月23日、横浜駅近くのホテルで、防衛大学校で卒業研究(卒業実験)を担当してくれた指導教授の退職をお祝いする謝恩会に出席した。 私の卒業研究のテーマは「過渡接合容量によるSi‐MOSの界面評価」という実験だった。実験…
鳩山元首相の問題発言
鳩山由紀夫元首相は政界引退後、海外に行くたびに日本の国益に反するような発言を繰り返している。16日から2日間の日程で開催された北京・精華大学での「世界平和フォーラム」でも問題発言が飛び出した。 共同通信によると、鳩山…
防衛大出身者の絆
毎年7月1日は自衛隊幹部の定期異動の日だ。幹部自衛官は平均1年~3年程度で異動する。幹部自衛官は異動を重ねることで、さまざまな経験を積んでいく。途中、自衛隊の各種教育機関にも入校する。私がいた陸上自衛隊では、幹部初級課…
自衛隊の看護学校
自衛隊は、独自に看護師を養成していることをご存じだろうか。 看護師の養成は、自衛隊中央病院高等看護学院、防衛医科大学校高等看護学院、自衛隊地区病院准看護師課程の3機関で行われてきた。 そのなかでも特に歴史と伝統を持…
沖縄米軍基地の真実
沖縄でまた米軍関係者による事件(うるま市のOL・島袋里奈さんが殺害・遺棄された事件)が起きた。絶対に許すことのできない犯罪だ。5月25日に開催された日米首脳会談でも、この事件は取り上げられ、安倍晋三首相は「断固抗議」し…
自ら考える防災教育
私は防災教育に取り組む財団に関わっている。自分の身は自分で守ることを学ぶことが、将来、自分の国は自分で守るという当たり前のことを理解する縁(よすが)になればと願っている。同財団は今年4月に名称を防災教育推進協会に変更し…
熊本地震から学ぶ災害教訓
拓殖大学地方政治行政研究所附属防災教育研究センター副センター長 濱口 和久 家具類の固定化が必要 市町村施設の耐震化を急げ 最大震度7の地震が2度も起きる 4月14日午後9時26分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするマグニ…
オバマ氏の広島訪問
今月末、伊勢・志摩サミットが開催される。サミットにあわせてオバマ大統領の広島訪問が検討されている。実現すれば、米国大統領としては初の広島訪問となる。 米国内では広島への原爆投下を正当化する世論がいまだに根強い。 そ…
人命より理念優先?
4月14日に熊本で震度7の地震が発生。16日にはそれを上回るマグニチュード7・3、震度7の地震が熊本を襲った。その後も余震が続いている。 熊本では阿蘇山の噴火による被害や、梅雨の時期の長雨、台風による河川の氾濫や土砂…
首都直下地震の備え
先日、内閣官房参与(国土強靭化担当)の藤井聡京都大学大学院教授と内閣府でお会いする機会があり、国土強靭化という切り口で「日本の国土の特性、社会インフラ(公共事業)、防災教育、経済など」について意見交換をした。 特に私…
任官辞退の実情
3月21日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式が行われた。今年の卒業生は419人(留学生を含む)で、任官辞退者は47人。昨年よりも 約2倍の人数となった。 卒業式の模様を伝えたテレビのニュースなどでは、任官辞退者…
災害とリーダーの資質
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)から5年が過ぎた。被災地以外では、一部に「風化」というムードもあるが、被災地はいまだに復興の途上に あり、大きな爪痕を残している。 この機会に、私は昭和9(1934)年に寺田寅彦が…
書店がない防衛大
先日、3月に防衛大学校(以下・防衛大)を卒業する学生と会う機会があった。その時、開口一番に学生から言われたのが、「なんで防衛大には書店がないんですか?」という質問だった。 私の学生時代には、学生会館の1階に外部の書店…
北方領土返還へ行動を
北方領土返還要求全国大会が2月7日に開催された。昭和56(1981)年以来、毎年2月7日の「北方領土の日」に東京で開催されている。 だが、今年の大会は、北朝鮮がミサイル発射を強行した日と重なり、マスコミの報道は少なく…
東大に軍事研究の萌芽
自衛隊専門紙(朝雲1月7日付)に次のような記事が掲載されていた。 自衛隊地方協力本部長の梶原直樹陸将補が、東京大学工学部で学生約190人に対し「産業総論」の講義を行った。平成16年から東大大学院工学研究科機械工学専攻…
日本人が知るべき日本列島
拓殖大学地方政治行政研究所客員教授 濱口 和久 広範囲に及ぶ火山の島 激しい気候変化と地震頻度 日本人は日本列島のことをどれだけ知っているだろうか。少々、地理の授業になるかもしれないがお付き合いいただきたい。 「日本列…
危機管理の人材育成
今年4月、防災・危機管理のプロを養成する目的で、東京都世田谷区に日本大学が危機管理学部を開設する。危機管理学部という名前で学部が新設されるのは千葉県銚子市にある千葉科学大学に続いて2校目となる。この動きは他の大学にも拡…
中国を利する無責任報道
昨年は安全保障関連法に始まり、安全保障関連法に終わった1年だったが、今年はどのような1年になるのだろうか。 昨年12月末に放送された「1年を振り返る年末特番の報道番組」の多くが、相変わらず安全保障関連法が昨年9月に成…
民間医出身の医官誕生
自衛隊の福岡地方協力本部で予備自衛官補(技能=医師)として採用され、その後、技能公募予備自衛官として勤務していた伊藤実予備2等陸佐(48歳)が、「医科・歯科幹部採用試験」に合格。10月1日付で医官(2佐)として採用され…
拉致事件の解決を期待
北朝鮮に拉致された日本人が全員日本に帰国する日は来るのだろうか。 平成14(2002)年9月17日、初の日朝首脳会談で日本人拉致を北朝鮮が公式に認め、5人の拉致被害者が北朝鮮から帰国した。あれから13年が過ぎた。 …
女性パイロットに期待
ついに女性自衛官にも戦闘機と偵察機のパイロットになる道が開かれた。早ければ3年後に第1号の女性パイロットが誕生することになる。 すでに米国では、1990年代以降、戦闘機への女性の配置が始まり、多くの女性が戦闘機パイロ…