オバマ氏の広島訪問
今月末、伊勢・志摩サミットが開催される。サミットにあわせてオバマ大統領の広島訪問が検討されている。実現すれば、米国大統領としては初の広島訪問となる。
米国内では広島への原爆投下を正当化する世論がいまだに根強い。
そのため、広島をオバマ大統領が訪問したとしても、「謝罪」の言葉を発する可能性は低いといわれている。
だが、オバマ大統領が原爆投下について、「謝罪」の言葉を発すれば、日本国内では、いまだにマスコミ・学会・教育界を支配している「東京裁判史観(自虐史観)」を見直す契機となるだろう。
大東亜戦争後の東京裁判(極東国際軍事裁判)は、勝者が敗者を裁く一方的な裁判であったため、日本の戦争責任だけが審理された。米国による非戦闘員(一般市民)に対する無差別空爆や広島、長崎への原爆投下については、いっさい審理されなかったことは、東京裁判の記録を見れば明らかだ。
本来ならば、マッカーサー元帥が朝鮮戦争中に米国に呼び戻され、昭和26(1951)年5月3日に上院軍事外交合同委員会で「日本が行った戦争は侵略戦争ではなく、自衛のための戦争だった」と証言した時点で、日本人自らが「東京裁判史観」を見直すべきだったことは言うまでもない。
現在、米軍と自衛隊は日米同盟のもとで緊密な連携をしている。
東アジア情勢は、中国の南シナ海での傍若無人の行動や、北朝鮮の核実験・ミサイル発射などに見られるように不安定な状態が続いており、日米同盟は東アジアの安定にも重要な役割を果たしている。
また、中国はつねに日米の分断を画策しているが、オバマ大統領が原爆投下について「謝罪」の言葉を発すれば、中国との「歴史戦(歴史認識)」の有効なカードにもなる。
最後に誤解を恐れずに申し上げれば、日本は世界で唯一の被爆国であるが、自分の国は自分で守る体制を構築するためには、日本も核武装が必要という選択肢もあり得るのだ。
(濱口和久)