オピニオン
宗派対立克服でイラクの分裂回避を
イスラム教スンニ派の過激派武装組織がイラク北部の支配地域を拡大しつつあり、同国は分裂の危機に直面している。イラクは石油の主要産出国としてわが国にとっても無視できない存在であり、混乱の拡大は中東全域を不安定化させる。 …
同性愛に意見する欧米事情
日本大学名誉教授 小林 宏晨 他の人の自由と尊厳は ヒルクルーバー氏論文から 欧米ではホモセクシャルについて論議する機会は誰にでも開かれている。これは主に少数派の保護の問題である。が、以下のボン大学教授クリスチャン・ヒ…
理研は不正防止のため抜本改革を
STAP(スタップ)細胞の論文問題を受け、理化学研究所が設置した外部有識者でつくる改革委員会(委員長・岸輝雄東京大名誉教授)は、小保方晴子研究ユニットリーダーが所属する発生・再生科学総合研究センター(CDB)の早急な解…
日朝国交正常化の限界
日本と北朝鮮の凍りついた関係に解氷ムードが漂い始めた。 19世紀英国の名宰相パーマストン子爵が指摘した通り、国際関係には永遠の味方も永遠の敵もなく、自国の国益を追求するのみだという現実を実感 する。 最近の動きは日…
中国には「日米比越連合」で
拓植大学日本文化研究所客員教授 濱口 和久 野心的行動に対抗せよ 尖閣で潜水艦基地化を狙う 5月26日、ベトナムと中国が領有権を争っている南シナ海のパラセル諸島(中国名・西沙諸島)周辺に建設された、中国の石油採掘(ガス…
鬱は希望へのジャンプ台 仏教研究家 岡村貴句男氏に聞く
積極的にウツ状態に投げ込む禅 何かとストレスや不安材料の多い現代社会では、鬱(うつ)(以下、ウツ)になる人が少なくない。その症状は重度軽度さまざまで、これといった特効薬もなさそうだ。エンジニアであると同時に、道元や親鸞…
臨床データ改竄、研究の透明性向上が不可欠
製薬大手ノバルティスファーマの高血圧治療薬ディオバン(一般名バルサルタン)をめぐる臨床研究データ改竄(かいざん)事件は、同社元社員が薬事法違反(誇大広告)容疑で東京地検特捜部に逮捕される事態となった。 再発防止には事…
戦争抑止する集団的自衛権
教育研究者 杉原 誠四郎 平和追求した憲法9条 公明党も与党として容認を 安倍首相の集団的自衛権容認への憲法解釈の変更をめぐる動きは、なかなか進まない。言うまでもなく、政権与党となっている公明党が抵抗しているからだ。 …
改正国民投票法が成立、本気で改憲論議を始めよ
憲法改正の手続きを定める改正国民投票法が成立した。改正法は成人年齢の引き下げや公務員の組織的な投票勧誘の是非などの課題を残すが、改憲の道筋を整えた意義は大きい。本格的な改憲論議へ駒を進める時だ。 公務員の賛否勧誘は問題…
観光白書、一層のビザ緩和や魅力発信を
政府は先日発表した2014年版観光白書で、年間の訪日外国人数2000万人の達成に向けて、20年開催の東京五輪・パラリンピックが「強力な追い風」になるとして、波及効果を高める取り組みに直ちに着手する必要性を強調した。 1…
神話的思考のすすめ 心に住む天才が協力する
米女流作家のスピーチ 2006年、カリフォルニア州モントレーで、知的で創造的なアイデア発信イベントTED(テッド)が産声をあげた。創設したのは、アメリカの建築家リチャード・S・ワーマンである。 急速に変化する社会のニ…
対中外交の明確な方針示せ
米国防総省が中国の軍事力や軍事行動に関する年次報告書を発表した。報告書は、中国が軍事費を急速に拡大させることで近隣諸国への影響力を強め、ひいては米国に対峙(たいじ)するという認識が基調になっている。 強硬な海洋進出を…
流動性の罠と異次元金融緩和
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 日銀が成長戦略を強調 予想インフレ率上昇に不安か マクロ経済学を勉強したことのある人なら、J・M・ケインズの「流動性の罠(わな)」という言葉をご存知であろう。景気を回復す…
国会党首討論、民主党は具体案示し改憲問え
今通常国会で初めての党首討論が行われ、安倍晋三首相と民主党の海江田万里代表らが主に集団的自衛権をめぐって論戦した。海江田氏は集団的自衛権の行使容認は憲法改正によるべしと主張したが、憲法解釈変更の閣議決定に意欲を示す首相…
サッカーW杯をザックジャパンの集大成に
4年に1度のサッカーの祭典ワールドカップ(W杯)ブラジル大会が12日(日本時間13日)から開幕する。各大陸予選を勝ち抜いたチームに開催国ブラジルを加えた32チームが世界一を目指して約1カ月間、熱戦を繰り広げる。 日本…
ウクライナ危機と世論調査
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 友好的な露・ウ両国民 問題を拗らせた欧米の介入 「ウクライナ大統領選挙結果は、一人のオリガルヒ(ポロシェンコ)が別のオリガルヒ(ヤヌコビッチ)に取って代わったに過ぎない」(評論家ポール…
桂宮殿下薨去、心打った車いすでの御公務
桂宮宜仁親王殿下が薨去された。殿下は昭和天皇の末弟の三笠宮崇仁親王殿下の次男で、天皇陛下のいとこに当たられる。 皇位継承順位は第6位であられた。心から御冥福をお祈りしたい。 福祉に心を注がれる 2008年9月に敗血…
「コミュニケーション」に思う
名寄市立大学教授 加藤 隆 人物で教育の手本示せ 欧米流とは違う日本の風土 コミュニケーション能力の向上ということを最近よく耳にする。とりわけ、児童生徒や若者に対して強く主張されている。学校教育での能力の向上の充実は言…
児童ポルノ規制強化の歩み止めるな
児童ポルノの所持を禁じる改正法案が衆議院本会議で可決され、今国会中に成立するのが確実となった。 需要を断たなければ供給は減らないのは当然のことで、所持禁止の実現は遅きに失した感があるが、成立すれば児童ポルノの撲滅へ一…
G7サミットでの対中牽制の宣言採択を評価
ベルギーのブリュッセルで開催された先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)は首脳宣言で、ウクライナの安定化に向けたG7の結束を表明し、ロシアに対し「制裁強化の用意がある」と警告した。 また、名指しを避けながらも海洋進出…
報徳学園での日教組活動 父母向け道徳講演を妨害
二宮尊徳精神の学校で 昨年6月1日、スポーツ・学芸共に著名な西宮の報徳学園の依頼を受け、拙著「世界に誇る日本の道徳力・二宮尊徳90の名言」(コスモ21)を中心に講話を行った。 窓口になったのは東京在住の学園理事で、同…
日本維新の会分党、「責任野党」の立場を忘れるな
政界再編の起爆剤になると注目された日本維新の会が分党する。橋下徹、石原慎太郎両共同代表をそれぞれ中核として新党を結成することになった。この動きは野党再編にも影響を与えようが、単なる数合わせに走らず、国家の基本にかかわる…
中国の横暴な南シナ海事案
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 実行力伴う対応が必要 アジア安保会議で各国牽制 シンガポールで「アジア安全保障会議」(英国際戦略研究所、アジア安保会議)が5月末開催された。折から南シナ海では中国とベトナムのせめぎ合いが激…