オピニオン
司法取引、治安の全体像見据え改革を
容疑者や被告が捜査機関に協力し、他人の犯罪事実を明らかにすれば、起訴を見送ったり、求刑を軽くしたりする。そんな「司法取引」の導入が議論されている。汚職や詐欺、薬物などの組織犯罪などで適用するというのだ。 取り調べ可視…
祖国を愛せなくした日本人
桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ 続く世論のミスリード 目に余る愛国主義は中韓に 今、日本中の人々がワールドカップに夢中になっている。特に日本代表の試合になると惜しみない応援をしていた。帰化日本人である私の家内も…
電力自由化、原発稼働で供給安定化が先決
大手電力会社が地域ごとに独占している電力の小売り事業を2016年をめどに全面自由化する内容の改正電気事業法が先の通常国会で成立した。 自由化によって利用者の利便性向上が期待されるが、現状では電力の安定供給への不安が先…
第1次大戦100年、教訓学び抑止力を向上させよ
1914年のきょう、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで民族主義者のセルビア人青年がオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子夫妻を暗殺した。この事件が契機となって第1次世界大戦が始まった。 「力の均衡」崩れて勃発 オース…
夜間中学にもっと光を! 100万の義務教育未修了者
厳しい自主校の公立化 皆さん、夜間中学というものをご存知だろうか。 現在、日本全国に35の公立夜間中学があります。東京に8校、大阪11校という具合で、最盛期には全国に87の夜間中学があったと言われています。 戦前か…
脱法ハーブ撲滅に向け啓発を強化せよ
東京・池袋で車が暴走し8人が死傷した。自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)容疑で逮捕された男は、脱法ハーブを吸った後に車を運転していた。 乱用原因の交通事故増加 脱法ハーブは覚醒剤や大麻と似た作用のある化学物質を…
お粗末な中国機の接近事態
元統幕議長 杉山 蕃 未熟飛行で衝突の恐れ 国際法規に立脚した軍規を 東シナ海におけるわが海上自衛隊、航空自衛隊機に対する中国戦闘機の接近飛行が頻発し、その映像が報道されている。空中10㍍、20㍍といった至近距離への接…
「事実婚」体外受精、医療従事者の倫理観問われる
不妊治療の一つである体外受精について、全国の産婦人科医師でつくる日本産科婦人科学会(日産婦)が結婚していない、いわゆる「事実婚」カップルにも認めるよう倫理指針を変更するという。 「婚姻」制限外した日産婦 何よりも優…
イラク全民族・宗派による民族統合政権を 中東問題専門家アミール・ベアティ氏に聞く
イラク出身の中東問題専門家アミール・ベアティ氏(72)は23日、国際テロ組織アルカイダ系スンニ派過激派武装組織「イラク・シリアのイスラム国」(ISIS)の軍事攻勢を受けるイラクの現状についてインタビューに応じた。欧州の…
富岡製糸場の近代化遺産登録の意義大きい
日本の近代化の原点となった「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)の世界文化遺産登録が決まった。国内の世界文化遺産は、昨年登録された富士山に続き14件目。自然遺産を含めると18件目だが、近代の産業遺産が登録されるのは初め…
中東を破壊するイラク情勢
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき 放置できないISIS 宗派戦争に拡大する可能性 イラクの状況が急激に悪化している。アルカイダの一部も避けるほど過激な武装組織「イラクとシリアのイスラム国家(…
通常国会閉幕、国難に挑むステップとなった
通常国会が閉幕した。法案成立率97・5%の数字が示す通り、自民・公明連立与党が極めて安定した国会運営を果たした。安倍内閣の掲げた「好循環実現国会」は、順調な本年度予算成立をはじめ主要企業の久々のベースアップなど賃上げや…
“教師の感化力”問われる時代
教育をテーマにシンポジウム 北海道世日クラブ 教育改革が声高に叫ばれているものの、いじめや不登校の問題など学校は依然として厳しい課題を抱えている。とりわけ北海道は児童生徒の学力水準が都道府県で下位にあるなど改善が求めら…
人口減少解決の正道を問う
NPO法人修学院院長・アジア太平洋交流学会会長 久保田 信之 一家団欒の家族の絆を 労働力問題で女性を扱うな 一朝一夕には解決しない複雑で厄介な問題は、常に我々の周りに存在しているものだ。その中でも、「少子化問題」ほど…
教委改革、教組との癒着も断ち切れ
教育委員会制度を見直す改正地方教育行政法が成立し、ほぼ60年ぶりに制度が改められる。自治体の長(首長)の権限を強化し、責任の所在を明確化するのが狙いだ。だが、懸案だった教委廃止は見送られ、課題も残した。これで教組との癒…
世界最高峰めぐる国の争い
歴史家 金子 民雄 聖なる秘峰も今や俗峰 エヴェレストに及ぶ商業主義 日本に住んでいると、どこを向いても山だらけ、山のない場所などない。だからかどうか知らないけれど、2年後(2016年)の8月11日を、「山の日」の祝日…
ウクライナ東部安定へ露は影響力行使を
ウクライナでは、大統領選挙後も情勢沈静化の兆しは見えない。まず、注目された話題は、ロシアとウクライナの天然ガス交渉の決裂である。 欧州連合(EU)が仲介したロシア産天然ガスの対ウクライナ輸出価格協議が物別れに終わり、…
医療・介護法が成立、「地域の力」強化のため支援を
在宅で医療と介護のサービスが受けられる環境を整備するための医療・介護総合推進法が成立した。 サービスの充実のためには、ボランティアなど地域住民の協力が欠かせない。政府には「地域の力」を強化するための支援が求められる。…
人口減少と経済・国防 悪循環を阻止する改革を
既に人手不足が深刻化 本紙の『オピニオン』(3月14日号)の拙稿『人口減少と安全保障』で、日本の人口急減傾向による経済・国防問題と外国人雇用拡大を提言したが、その後、各紙・テレビ報道で、日本の人口減と経済安保の懸念が毎…
ニホンウナギを絶滅危惧種指定、食文化守るため英知結集を
日本人の食になじみ深いニホンウナギについて、国際自然保護連合(IUCN)は、絶滅の恐れがある生物を対象とした「レッドリスト」の最新版に掲載し、絶滅危惧種に指定した。 絶滅危惧種に指定される IUCNの判断は、三つあ…
日露戦争と仏ユダヤ大富豪
獨協大学教授 佐藤 唯行 露仏同盟下で対日支援 渋沢栄一と出会ったカーン 日露戦争中の1905年、パリの駐仏公使、本野一郎のもとをひとりの小柄な紳士が来訪した。紳士は日本政府が発行する公債を自分の人脈で売りさばいてやろ…
成長戦略素案、安定成長へ試される実行力
政府は産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)に改定成長戦略の素案を提示した。「日本の『稼ぐ力』を取り戻す」を目標に、雇用、農業、医療の3分野でいわゆる「岩盤規制」を打破する改革を盛り込んだ。 総花的な印象が拭えないが、…
習近平政権暴走に警鐘、世日クラブ講演会で石平氏
拓殖大学の石平客員教授は17日、世界日報の読者でつくる「世日クラブ」(会長=近藤讓良・近藤プランニングス代表取締役)で講演し「習近平政権は胡錦濤政権より危険」と指摘し、軍をバックにした習政権の暴走に警鐘を鳴らした。 …