オピニオン
18年度予算案、重点政策もっとメリハリを
2018年度予算案が閣議決定された。一般会計総額97兆7128億円と、6年連続で過去最大を更新した。 予算案の目玉は、安倍晋三首相が「国難突破」へ向け掲げた安全保障対策の強化と「人づくり革命」「生産性革命」の実現政策…
座間9遺体事件に思う なぜ救えなかった若い命
孤独な人に仏を装う鬼 講談社の「週刊現代」(11・18号)に恐ろしい記事が載っていた。「私を愛した殺人鬼」のタイトルで、取材を受けたのは南関東在住の女性介護士(21)だった。人々を驚愕させた座間市9人バラバラ殺人事件の…
米国家安保戦略 「力による平和」の徹底図れ
トランプ米大統領は政権初となる「国家安全保障戦略」(NSS)を発表した。 前回の策定はオバマ政権時代の2015年だった。軍事力に依存し過ぎずに国際協調主義を強調したオバマ政権とは違い、トランプ政権のNSSは米国の「死…
日韓友好への道 「朝鮮通信使」の役割果たす
ASIA文化経済振興院理事長 姜 星財氏に聞く 歴史・領土問題をはじめ難しい課題を抱えた日本と韓国。その両国を舞台に、四半世紀前から文化人、芸術家、経済人、そして青少年を中心にした民間交流に尽力する韓国人がいる。社団法…
文政権が招いた外交惨事
これまで中国が韓国を無視しなかったのは、韓国の背後に米国という心強い後ろ盾があったからである。しかし、韓国に親中・親北政権が登場すると、中国は韓国を見下し始めている。 文在寅大統領が13日、韓国を代表し「国賓」として…
自民改憲論点、9条2項は削除が望ましい
自民党憲法改正推進本部は来年通常国会への憲法改正案の提出に向けて「論点取りまとめ」を了承した。年内をめどとした意見集約は先送りする。9条改正や緊急事態条項の創設については意見が分かれ、両論併記となった。 年明けの論議…
英のEU離脱交渉は藪の中
日本国際問題研究所特別研究員 遠藤 哲也 溝大きく「貿易」手付かず 双方の足を引っ張る内部問題 本編は本紙2016年12月19日付の続きであり、今回は英国の欧州連合(EU)加盟の是非を問う国民投票後の経緯、難航する離脱…
日韓外相会談、未来志向を損ねてはならない
河野太郎外相が初来日した韓国の康京和外相と会談し、北朝鮮の核・ミサイル問題への対応や懸案となっている一昨年末の日韓「慰安婦」合意などについて協議した。対北では日米韓3カ国の連携の重要性を再度確認できたが、合意の扱いでは…
リニア談合疑惑、徹底捜査で不正にメス入れよ
リニア中央新幹線の関連工事の入札をめぐり談合の疑いが強まったとして、東京地検特捜部と公正取引委員会は、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で鹿島、清水建設、大成建設、大林組の4社を家宅捜索した。 徹底捜査で不正にメスを入…
北朝鮮からの迷惑な送り物
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 漁船漂着はエンジン故障 工作員なら冬の日本海選ばす 日本の海と空へ北朝鮮からの迷惑な送り物が届いている。筆者が本紙(8月15日付)で「日本海にある好漁場・大和堆での北朝鮮漁船の違法操業…
防衛大綱見直し、敵基地攻撃能力を持つべきだ
防衛政策の基本方針を示す「防衛大綱」の見直し作業が年明けから本格化する。安倍晋三首相は「従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていきたい」と述べている。当然の認識だ。 厳しさ増す安…
守るべき中央銀行の独立性
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 短過ぎる政策委構成員任期 次期執行部の課題は出口政策 1942年(昭和17年)の戦時立法である旧日本銀行法の下で、戦後の金融政策は二つの大きな失敗を犯したと言われている。…
米の対中政策、強硬路線に バノン氏
トランプ氏の元側近 バノン氏、都内で講演 トランプ米政権で「影の大統領」と呼ばれ、今も米政界に大きな影響力を持つスティーブ・バノン前大統領首席戦略官・上級顧問が17日、都内で講演した。バノン氏は、トランプ大統領が18日…
「生命礼賛」の風潮への疑問
名寄市立大学教授 加藤 隆 物欲的価値のみを重視 大いなるものへの畏れなし 生きてこそなんぼという価値観、生命尊重主義、若さこそ人間の輝きというような「生命礼賛」の風潮が社会の隅々にみなぎっている。教育界はここ20年「…
日英2プラス2、協力拡大で「準同盟」構築を
日英両政府は、河野太郎外相と小野寺五典防衛相、英国のジョンソン外相、ウィリアムソン国防相出席の下、ロンドンで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開催した。 ミサイルの共同研究も 日英2プラス2は2016年1月以来3…
核戦力の増強進めるロシア
米国防総省当局者によると、ロシアは核戦力の増強を積極的に進め、2026年までに、新型の低出力、超低出力弾頭を含む8000発の核弾頭を配備する。出力の小さな弾頭は、兵器条約の制限をかわすためであり、紛争の早い段階で核を使…
米軍ヘリ窓落下、安保体制への信頼損なうな
沖縄県宜野湾市で米軍ヘリコプターの窓が落下し、約50人の児童が体育の授業をしていた小学校の校庭を直撃した。 幸い被害はなかったが、一歩間違えれば大変な事故になっていた。日米安保体制への信頼を大きく損なうものであり、言…
北朝鮮のサイバー戦 違法な通貨獲得の手段に
狙われたビットコイン 北朝鮮の弾道ミサイルに対抗するため、小野寺防衛大臣は、日米が共同で開発する新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」搭載の「イージスアショア」(陸上型イージス)の導入を決断、この19日にも閣議決定され…
見えずとも、また楽しからずや
闇を生きる タキサワ・USA元副社長 長宗 繁氏に聞く 齢(よわい)を重ねていくと、体の不自由を強いられることが多くなる。老いるというのは、五体満足から不満足への移行ということもできる。とりわけ失明というのは、それこそ…
巡航ミサイル、国家の安全確保に不可欠だ
防衛省が長射程の巡航ミサイル導入の意向を示しているが、一部で「憲法違反」「専守防衛に反する」などといった反対論が出ている。だが、攻撃力なき軍事力は侵略を抑止できないのみならず、同盟国である米国の支援がなければ侵略阻止も…
紫禁城の主としての習近平
平成国際大学教授 浅野 和生 「独裁」「人治」の国、中国 文化・思想も共産党の指導下 北京を訪問したトランプ米大統領を歓待した習近平国家主席は、11月8日、紫禁城を我が物として案内し、清朝皇帝の宮殿で夕食を振る舞った。…
伊方差し止め、不適切で受け入れ難い決定
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを広島市の住民らが求めた仮処分申請の即時抗告審で、広島高裁は「阿蘇の過去の噴火で火砕流が到達した可能性は十分小さいと評価できず、原発の立地は認められない」と判断し、来…
ロヒンギャ迫害非難
棄権してはリードできない 先週、国連人権理事会は、ミャンマーのロヒンギャ族迫害を非難する決議を採択した。 先月、国連総会の委員会も同様の決議を採択している。 日本はどちらも棄権した。委員会では、欧米など135カ国が…