オピニオン
崩れ始めた共産党組織
共産党は、日本の政治団体の中で、最も民主主義的な団体であると誇っている。理由は、全国大会決議などを決定する際に、すべての党員が決議案の討論に、支部や党グループで参加し、党員全員で党の方針を決めていくというからだ。共産党…
韓国慰安婦財団、解散なら未来志向の後退だ
韓国の文在寅大統領はニューヨークで安倍晋三首相と首脳会談を行い、2015年末のいわゆる従軍慰安婦問題をめぐる日韓両政府間合意に基づき韓国が設立した「和解・癒やし財団」の解散を示唆した。合意は同問題の「最終的、不可逆的な…
朝鮮通信使と雨森芳洲
江戸時代の「誠信の交わり」 大妻女子大学比較文学部教授 上垣外憲一氏に聞く 昨年10月、「朝鮮通信使」の記録がユネスコの世界記憶遺産に登録された。朝鮮通信使は室町時代から江戸時代にかけて、朝鮮王朝(李氏朝鮮)から日本に…
日米首脳会談、相互利益の向上が重要だ
安倍晋三首相とトランプ米大統領が首脳会談を行い、2国間のモノの貿易を自由化する物品貿易協定(TAG)の締結に向けた交渉の開始で合意した。関税引き下げのほか税関手続きの円滑化などの交渉が日米間で本格化することになる。 …
「テック社会」への対応急げ
弁護士 秋山 昭八 公共職業訓練の充実を 柔軟な労働市場の整備不可欠 人工知能(AI)やロボットが普及する「テック社会」には、失業が増えることが予想され、新しい技術を使いこなして成果を挙げる人とそうでない人とで、賃金の…
首相国連演説、外交力試される戦後構造脱却
安倍晋三首相は国連一般討論演説を行い、自由貿易体制の強化への努力と「北東アジアから戦後構造を取り除くために労をいとわない」ことを強調し、特に北朝鮮の邦人拉致問題、核・ミサイル問題の解決へ最大の関心を示した。第2次世界大…
貴乃花親方退職、相撲協会は不断の改革を
大相撲の元横綱貴乃花親方が日本相撲協会に退職届を提出した。貴乃花親方は退職を決めた理由に、弟子の貴ノ岩が元横綱日馬富士に暴行された事件への協会の対応をめぐって内閣府へ提出した告発状の内容が事実無根であることを認めるよう…
混乱のトランプ政権、外交で実績
アメリカ保守論壇 M・ティーセン 米国への信頼を回復 孤立主義の道選ばず ワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード記者は新著「フィア(恐怖)」で、トランプ大統領が2017年4月、サリン攻撃によって口から泡を吹いて死亡し…
太平洋島嶼諸国と自由の価値
東洋学園大学教授 櫻田 淳 カネ恃み「侵食」図る中国 「借金漬け」開発援助は破綻へ 9月上旬、ナウルで開かれた太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議の風景は、誠に興味深いものであった。会議の席上、議長を務めたバロン・ワ…
危険水位に向かう韓国の安保
スターリン、毛沢東の独裁政権は権力争奪戦で大量虐殺を犯した共通点がある。金正恩3代世襲・長期独裁政権も叔父、兄、側近140人以上を殺した。今回の南北首脳会談はこのような独裁者と偽装平和ショーを演出しながら、韓国の武装解…
ドーピング問題、ロシアへの処分解除は疑問だ
世界反ドーピング機関(WADA)が、国ぐるみのドーピング問題で資格を停止しているロシア反ドーピング機関(RUSADA)の処分解除を決めた。 だが、ロシアはいまだに国の関与を認めていない。処分解除には疑問が残る。 国ぐ…
家族、私有財産、国家の破壊
大月短大名誉教授 小山 常実 公民教科書の三つの特徴 マルクス主義思想と親近性 筆者は中学校公民教科書における内容史を研究し始めて30年近くなる。平成17(2005)年版からは、教科書改訂のたびに各社の教科書を比較検討…
米政権、新START延長拒否か
トランプ米政権高官は、ロシアが武器管理条約を順守していないことに懸念を表明、政権が2010年に締結された新戦略兵器削減条約(新START)の延長拒否に傾いていることを明らかにした。その一方で国防総省は、ロシアが中距離核…
仮想通貨流出、業界のずさんな体質改めよ
仮想通貨交換業者のテックビューロ(大阪市)が、システムへの不正アクセスを受け、70億円相当の仮想通貨が外部に流出した。 1時間余りで外部に 流出したのは、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、モナコインの3種類。顧客…
海自潜水艦訓練の戦略的意味
インタビューFOCUS 元統合幕僚学校副校長・海将補 川村純彦氏 海上自衛隊の潜水艦「くろしお」と護衛艦「かが」など3隻が今月13日、中国が軍事拠点化を進める南シナ海で訓練を実施した。防衛省が秘匿性の高い潜水艦の行動を…
イドリブ総攻撃前夜のシリア
東京国際大学名誉教授 渥美 堅持 事前に化学兵器排除へ 反政府勢力壊滅目指す政府軍 鶏を捕獲するときには鶏小屋の隅に鶏を追い込み捕獲する。これと同じようにシリア政府は反政府勢力をシリア北西部のイドリブ県に追い込んだ。 …
損失大きいブラックアウト
9月6日早朝の震度7の大地震となった北海道胆振(いぶり)東部地震は、死者41人を出した。北海道全域で停電(ブラックアウト)となり、商店街はもちろん、新千歳空港の飛行機も飛ばず、JR各線もストップ、住民や旅行者を2日間、…
国際捕鯨委員会、保護と利用を両立させよ
国際捕鯨委員会(IWC)総会で、商業捕鯨再開を目指す日本の提案が否決された。 クジラ資源の持続的な利用を目指す日本の方針が受け入れられなかったことは残念だ。 商業捕鯨再開案を否決 日本はこれまで30年以上にわたっ…
覇権狙う中国型資本主義
産業革命の本質 元道都大学教授 佐藤義信氏に聞く 人類史的メガトレンド 18世紀後半から19世紀初頭にかけて起きた英国の産業革命。綿産業における機械化、蒸気機関の発明による動力革命、さらにそれを利用した鉄道建設にみられ…
安倍総裁3選、山積する課題に具体的成果を
任期満了に伴う自民党総裁選は、現職の安倍晋三総裁(首相)が石破茂元幹事長を抑えて連続3選を果たし、2021年9月まで3年間の追加任期を獲得した。国外では中国の拡張政策、北朝鮮の核・ミサイル開発、米中の貿易摩擦など緊迫す…
異次元金融緩和の副作用修正を
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 債券・株式市場が官製化 銀行収益悪化し仲介機能低下 金融緩和の強化か、出口政策への第一歩か、どちらを向いているのか分からない政策変更が7月31日に発表されてから1カ月余り…
南北首脳会談、北のペースに乗せられるな
北朝鮮を訪問している韓国の文在寅大統領は、金正恩朝鮮労働党委員長と首脳会談を行い、合意文書「平壌共同宣言」に署名した。 だが最大の焦点である北朝鮮の非核化をめぐっては、実質的な進展があったとは言い難い。北朝鮮が本当に…
北朝鮮報道史の二つの汚点
先月、脱北者5人が東京地裁に北朝鮮政府を人権侵害で初提訴した。1959~84年に、在日朝鮮・韓国人と日本人妻ら約9万3000人を虚偽宣伝で騙(だま)し、帰国させる「国家的誘拐」を行った。朝鮮総連が「地上の楽園」と宣伝し…