Viewpoint
北極海温暖化とロシアの安全保障
ロシア研究家 乾 一宇 天然の障害・海氷が減少 原潜の聖域から「普通の海」に 北極海の温暖化にともない航路の利用や資源開発について、いろいろと議論が行われている。 ロシアは、北東航路がロシア沿岸を通ることから、帝政ロ…
コロナ禍の今、考えること
NPO法人修学院院長 久保田 信之 日本的な「個の確立」を 我欲に打ち克つ努力」が自粛 このところ連日夕刻になると、テレビ各社が、当日の新型コロナ感染者の動向について、棒グラフで知らせてくれます。重症者および死亡者の実…
実利的な露の対アフガン政策
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 タリバンとの対話を継続 中央アジアでの権益維持重視 バイデン米大統領の公約に従った米軍部隊の撤退が進行中のアフガニスタンで、イスラム主義武装勢力タリバンが電光石火のごとく政権を掌握し、…
米のアフガン撤退は中国を利するか
アメリカン・エンタープライズ研究所客員研究員 加瀬 みき パキスタンの治安悪化も 一帯一路の足引っ張る可能性 アメリカは大混乱の中でアフガニスタンから撤退している。空港周辺ではとうとうテロも発生した。ガニ政権はアメリカ…
注目集めるエピジェネティクス
メンタルヘルスカウンセラー 根本 和雄 体質は境遇の影響受ける 環境を借りて身体を調えよう 私たちの「体質」についての従来の考え方は、「気質」(その人の気性)と「体質」との相関性が論じられ、例えばドイツの精神医学者エル…
靖国神社に参拝して
茶番劇の中国の内政干渉 秋の新内閣に公式参拝を期待 五輪も無事終了し、8月は戦没者慰霊の月である。15日、恒例行事となっている慰霊関係団体の慰霊祭に出席した。今年はコロナ禍、台風崩れの大雨という悪条件が重なったが、慰霊…
ハザードマップの有効活用を
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 あくまで避難の目安に 想定超える被害起こる可能性 ここ数年繰り返し起きている洪水や土砂災害。先月3日に起きた静岡県熱海市での土砂災害(土石流災害)の行方不明者の捜索…
生命操作の危険性を考える
哲学者 小林 道憲 規制困難な生物兵器開発 超限戦争の時代に入った世界 現代文明の発展を推進してきた科学技術は、自然を改造することによってこれを構築してきたが、その力は生命にも及び、生命をも改造することができるようにな…
「必要な時に必要なことができる国家」へ
8月15日時点では、現下の新型コロナ・パンデミック(世界的大流行)第5波には、収束の気配が観(み)えない。政府の緊急事態宣言は、8月末までのものが、さらに延長されるという観測が伝わっている。 国民の気概・技量恃み 政…
中国の一帯一路を封じ込めよ
東洋大学名誉教授 西川 佳秀 開発協力で日米が連携を 途上国支援の制度づくり急げ 抑圧と全体主義の体制を敷く中露の大陸勢力と、自由と民主主義を基調とする日米豪など海洋勢力との対立・競争が激しさを増している。そのため「中…
クオモ米NY州知事の醜聞
アメリカの民主党に対して、昔から「無能な連中」「腐敗だらけの行政」「有権者を騙(だま)す」「強引な政治」などの批判がある。もちろん、その一部は、共和党系の支持者、メディアによる「党派的」なものだが、あいにく、今月に入っ…
強化ウイルス創出の危うさ
自然のしっぺ返し招く恐れ アニミズム的視点からの疑念 文明論考家、元駐バチカン大使 上野 景文 新型コロナウイルスの「出自」をめぐり論争が続く。主要争点は、武漢ウイルス研究所から遺伝子を操作された強化ウイルスが「流出」…
鮮明化する米中の覇権争い
拓殖大学国際日本文化研究所教授 ペマ・ギャルポ 一党独裁・専制主義の中国 自由と民主主義尊重する米国 中国と米国の対立は、より鮮明に、より激しくなってきているように思う。その中でチベット、ウイグルあるいは南モンゴルをは…
コロナワクチンをめぐる法的問題
大月短大名誉教授 小山 常実 「十分な説明と同意」不足 生命・身体の自己決定権を守ろう 4月末、新型コロナワクチンの接種券が届き、いよいよ接種するか否か決断しなくてはならなくなった。いろいろ悩んだが、「ワクチンで死ぬよ…
南太平洋島嶼国の水没対策支援を
平成国際大学教授 浅野 和生 津波対策の技術持つ日本 中国に代わるプレゼンス示せ 太平洋・島サミットは、1997年に第1回会議が「日・南太平洋フォーラム首脳会議」として実施されてから3年に1回開催され、去る7月2日が第…
金正恩独裁政権、終焉の兆し
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 軍と党の内部抗争が激化 総書記の「代理人」の職制新設 北朝鮮では、コロナ禍と経済不況に加え食糧不足で人民の金正恩政権に対する不満が高まっている中、独裁体制そのものにも異常事態が発生して…
ポーランドのユダヤ軽騎兵連隊
獨協大学教授 佐藤 唯行 国家消滅を防ぐため戦う 友愛・団結の象徴として英雄に 1793年、ポーランドは国家消滅の瀬戸際にあった。露・プロセインが結託して領土を奪わんと攻め寄せて来たからだ。所謂(いわゆる)第2次ポーラ…
“被害妄想”のロシア新安保戦略
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 米欧を「脅威」と位置付け 伝統的な価値観への回帰表明 プーチン・ロシア大統領は7月2日、軍事や外交、内政の指針となる新たな「国家安全保障戦略(以下・安保戦略)」を承認した。安保戦略は6…
中国共産党100年祝賀行事に違和感
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 党が国家を腕力で統治 習専制体制長期化の弊害懸念 中国は7月1日に天安門広場に7万余人のそれぞれのユニフォームを着た国民を集めて、「中国共産党創党100年記念大会」を開催した。天安門上の観…
1964年の東京五輪と沖縄
沖縄大学教授 宮城 能彦 日の丸を振り聖火歓迎 「我々も同じ日本人」と確認 1964年の東京オリンピック。 当時私は4歳だったので、直接の記憶がないのが残念である。しかし、当時の沖縄社会の雰囲気や、沖縄県民にとって6…
五輪期間中のサイバー攻撃の可能性
日本安全保障・危機管理学会上席フェロー 新田 容子 イベント自体を人質に 国家的攻撃者の絶好の出番 現在、コロナ禍の影響でテレワークを含め自宅で過ごす機会が増え、非常事態宣言下の東京オリンピックが始まり、期間中はさらに…
現実味増す台湾危機を考える
元統幕議長 杉山 蕃 米中の軍事バランス変化 「台湾関係法」いつまで通用? 先進7カ国(G7)首脳会議、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議、日米首脳会談をはじめとし、米軍高官の議会証言、両岸首脳の発言等、台湾問題の情…
「東京2020」と「時代の精神」
東洋学園大学教授 櫻田 淳 「大会の哲学」用意し得ず 甘やかされて育った戦後世代 「東京2020」(東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会)が幕を開けた。「東京2020」は、準備の過程で諸々(もろもろ)の不手…