上昇気流 rss

全国初の第三セクター方式による鉄道として…

 全国初の第三セクター方式による鉄道として三陸鉄道が開業したのは、30年前の1984年4月1日。開業間もなく、当時駆け出しの社会部記者だった気流子は、その様子を取材するため「北リアス線」に乗った。岩手県の宮古-久慈間であ…

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初めて見た風景であるはずなのに、以前にも…

 初めて見た風景であるはずなのに、以前にもその場所に来たことがあるように感じられることがある。既視感という。フランス語ではデジャビュ。この不思議な感覚は『徒然草』(71段)にも書き留められている。  福田恆存著『人間・こ…

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「堅香子(かたかご)をうましうましと…

 「堅香子(かたかご)をうましうましと食(た)うぶる人(ひと)一千余年のいにしへ思へ」(中根三枝子)。作者は万葉植物歌の研究者で、長い歳月、万葉集に登場する植物を追い続けてきた。冒頭の歌に出てくる堅香子はカタクリのこと。…

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まがい物にまつわる話はいつの時代にもあるが…

 まがい物にまつわる話はいつの時代にもあるが、メディアが発達し通信網が世界の隅々にまで張り巡らされている現代では、その悪影響が計り知れない 。  理研の小保方晴子研究ユニットリーダーらが英科学誌ネイチャーに発表した新万能…

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自身の転移がん診療をめぐり、理不尽な国の…

 自身の転移がん診療をめぐり、理不尽な国の医療制度を真正面から告発し、6年にわたる裁判を弁護士なしで闘った裁判記録がある。清郷伸人著『患者本位の医療制度を求めて』(蕗書房刊) 。  清郷さんは頭部と頸部の骨に転移したがん…

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調査捕鯨船「日新丸」を保有する共同船舶…

 調査捕鯨船「日新丸」を保有する共同船舶株式会社が先日、東京都渋谷区のトルコ文化センターで「クジラ料理試食会」の催しを開き、参加者に鯨の刺し身がふるまわれた。  イスラム圏と鯨肉の縁は深く、預言者ムハンマドの言行録に、神…

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「家の事みんな忘れて花浄土」(南出白妙女)…

 「家の事みんな忘れて花浄土」(南出白妙女)。すっかり春の陽気で首都圏では桜の開花が宣言され、これからが本格的な花見の季節。小社付近の桜の木も、満開に近いほど白い靄(もや)のように咲き誇っている。その花の蜜をついばみにメ…

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福島第1原発の汚染水問題は、東京電力や…

 福島第1原発の汚染水問題は、東京電力や福島県だけでなく日本が国として抱える頭の痛い問題だ。この汚染水対策の一つとして、汚染される前の地下水を海に放出する計画の実施がようやく見えてきた。福島県漁連が容認することを決めたの…

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「おっしゃる通りです」という言葉を耳にする…

 「おっしゃる通りです」という言葉を耳にする機会が、テレビを中心に最近多くなった。テレビ司会者(MCというらしい)の発言に対して、ゲストとして呼ばれた専門家が使うことが多い。別の表現に置き換えれば「仰せの通りでございます…

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江戸末期、開港とともに写真の技術が日本に…

 江戸末期、開港とともに写真の技術が日本に入ってくると、欧米人からそれを学んで営業を始める人物も登場する。下岡蓮杖(れんじょう)はその一人で、「写真開祖」として多くの弟子を輩出した 。  今年はその没後100年に当たり、…

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オランダ・ハーグでの核安全保障サミットで…

 オランダ・ハーグでの核安全保障サミットで安倍晋三首相は、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構(JAEA)が高速炉臨界実験装置(FCA)で使用しているプルトニウムと高濃縮ウランを米国に返還することを表明した。  原子力の…

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「積み上げた努力と気迫で、かなり長く綱を…

 「積み上げた努力と気迫で、かなり長く綱を張っていけるのでは」(内山斉委員長)。「冷静な相撲観を持っていて、心技体のバランスがよく取れている。研究心を失わず、頑張ってほしい」(宮田亮平委員=東京芸大学長)。 大相撲春場所…

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米ハーバード大やスタンフォード大などの…

 米ハーバード大やスタンフォード大などの研究者たちによって「原始重力波」が発見されたとして話題を呼んでいる。  大気の安定した南極の地に電波望遠鏡を設置し、精密な観測とデータ解析によって見つけたものだが、今後の分析いかん…

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花粉症の季節のせいか、マスクをしている人を…

 花粉症の季節のせいか、マスクをしている人を見かけることが多い。最近は、白ばかりではなく、ピンクや青のマスクをしている人もいる 。  目立つので、ドキッとさせられる場合がある。本人はおしゃれのつもりなのかもしれないが、何…

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「知らざァ言って聞かせやしょう。浜の真砂と…

 「知らざァ言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が歌に残せし盗人(ぬすっと)の種は尽きねえ七里ヶ浜……」。歌舞伎の「白浪五人男」浜松屋の場、弁天小僧の名セリフだ。河竹黙阿弥がこれを書いた頃、浜の真砂ほど無尽蔵さの例え…

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何を言いたいのかよく分からない文章が…

 何を言いたいのかよく分からない文章がダラダラ続くうちに突然、文意明瞭で見事に核心に切り込んでいく文章に変わって、強い違和感を覚えたことがある。学生のレポートを読んでいた時の経験だ 。  読み続けるうちに、どこかで読んだ…

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東京都写真美術館で「黒部と槍」展が開催中だ…

 東京都写真美術館で「黒部と槍」展が開催中だ。明治大正期に北アルプスの黒部渓谷に足を踏み入れた冠松次郎と、槍ヶ岳に魅せられて四十数年間、毎夏そこで生活したという穂苅三寿雄の山岳写真を紹介している。  オリジナル・プリント…

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東日本大震災「祈りの日」式典で下村博文…

 東日本大震災「祈りの日」式典で下村博文文部科学相が「祈念の日制定を検討したい」と話した。復興事業が急がれるが、並行して震災の教訓を共有し深化させ、広く世界に伝えていく決意を新たにする「祈りの日」が必要だ。  当日の式典…

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オレオレや架空請求、還付金、振り込め類似…

 オレオレや架空請求、還付金、振り込め類似など特殊詐欺の被害が止まらない。中でも親心につけ込むオレオレ詐欺は昨年、東京都内で特殊詐欺の合計2600件余のうち1900件余(前年比36%増)を占めた。  被害額も約88億円の…

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論文作成者の未熟な人間性が浮き彫りになった…

 論文作成者の未熟な人間性が浮き彫りになった「STAP細胞」に関する不祥事。このほど開かれた理化学研究所関係者らの記者会見で、川合真紀・理研理事が「早急に理研の倫理風土を改めるべくアクションを起こす」と話した。  半面、…

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「ものの芽のほぐるゝ風とにくからず」…

 「ものの芽のほぐるゝ風とにくからず」(坊城董子)。春になると、木や草の芽が萌え出る光景を見るようになる。俳句の歳時記には「ものの芽」「草の芽」「牡丹の芽」「桔梗の芽」などの季語が載っている。  冬の時期には土の中で眠っ…

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京都市の祇園祭、岐阜県高山市の高山祭、…

 京都市の祇園祭、岐阜県高山市の高山祭、福岡市の博多祇園山笠など、日本には各地に豪華な山車(だし)や屋台が町を巡る祭りがある。文化庁はこれらのうち32件の祭りを一括して国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の候補と…

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「カルチャーセンターの女性たち、あるとき、…

 「カルチャーセンターの女性たち、あるとき、私のこと嫌ってね、ずいぶんいなくなった」と、昨年10月に亡くなった文芸評論家の秋山駿氏が、没後刊行された著書(『私の文学遍歴』作品社刊)の中で語っている。  カルチャーセンター…

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