「積み上げた努力と気迫で、かなり長く綱を…


 「積み上げた努力と気迫で、かなり長く綱を張っていけるのでは」(内山斉委員長)。「冷静な相撲観を持っていて、心技体のバランスがよく取れている。研究心を失わず、頑張ってほしい」(宮田亮平委員=東京芸大学長)。

大相撲春場所で初優勝(14勝1敗)した大関鶴竜(井筒部屋)の横綱昇進について、横綱審議委員会は全委員(11人)の満場一致で「推薦」のお墨付き。26日の相撲協会臨時理事会などを経て、71人目の横綱誕生。

白鵬、日馬富士の両横綱が白星を重ねた今場所が、にわかに“荒れる春場所”に変貌したのは12日目に鶴竜が日馬富士を破り、1敗で並んでから。13日目は磐石だった白鵬が、手負い大関琴奨菊のがぶり寄りに不覚をとる波乱。

そして14日目の賜杯と綱のかかる直接対決では、自力で白鵬を突き放した。波乱を制し千秋楽で、両横綱に星二つ差の優勝は相撲内容とともに立派。

大きいとは言えない体でワンチャンスをものにできたのは闘志を内に秘め、こつこつと努力を積み重ねてきた精進のたまものだ。来場所はモンゴル3横綱時代が到来する。そのことを祝福しつつ、和製横綱誕生を待望するファンの気持ちを高村正彦委員(自民党副総裁)が代弁する。

「3人とも日本人(横綱)ではないのが寂しいと言っても、反対する理由はない。鶴竜関は日本人以上に日本人らしい力士」と。稀勢の里ら日本人力士の奮起に望みをつなぎたい。