コラム
まだ松の内だが、正月気分はいまひとつという…
まだ松の内だが、正月気分はいまひとつという知人がぼやいていた。昨年末からの仕事が終わらないので、落ち着いて家でのんびりもできないというのである。確かに正月といっても、初詣やテレビの新年番組など恒例の行事や祭事を通過しな…
昭和天皇の御製集である『天皇歌集みやまきりしま』…
昭和天皇の御製集である『天皇歌集みやまきりしま』を古書店で見つけ架蔵している。毎日新聞社による出版で、奥付を見ると発刊は昭和26年11月3日。まだ日本が占領下にあった時のものだ。 スーツ姿の昭和天皇のお写真が巻頭にあ…
中国、フランスの影響
地球だより ベトナムを旅すると、フランスと中国の影響下にあったことを肌で感じる。クリーム色の建物などフランスを感じさせるが、何より食文化として残ったのが、フランスパンだ。 ラオスやカンボジア同様、ベトナムにはフランス…
気流子が子供のころの町での会話。「正月は…
気流子が子供のころの町での会話。「正月はどうやって過ごすの?」と年長の男性が聞く。「寝正月ですよ」と問われた男性が即答する。「寝正月」という言葉は初耳だったが、意味は分かった。 「正月を寝て過ごすのか!? 悲惨な話だ…
新年の願い事
地球だより エルニーニョの影響もあり、ブラジルは猛暑だ。イパネマのビーチで知られるリオデジャネイロでは40度を超える日もあり、あまりの暑さから湾内の魚が大量死し、廃棄処理すると13トンに及んだ。 夏の年末年始のバカン…
殺伐たる解雇通告
韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」 人情や事情を顧みない解雇通告。ドナルド・トランプ米大統領はその代名詞になった。頻繁にツイッターに「人を解雇する」とツイートする。ジェームズ・マティス国防長官は違った。大統領がツイー…
「『一切空』空にはじまる大初日」(前田律子)…
「『一切空』空にはじまる大初日」(前田律子)。初日の出を拝もうと見晴らしのいい特別なスポットに出掛ける人は多い。都内では東京タワーや東京スカイツリー、レインボーブリッジ、葛西海浜公園などがある。 広々とした所や高い所…
元旦の小さな冒険
子供の頃、NHKの「紅白歌合戦」「ゆく年くる年」を見た後、近くの神社に、家族で初詣するのが、わが家の元旦行事だった。 小学低学年だったと思うが、筆者がぐずぐずしていたので、家族が先に神社に向かい、1人取り残されたこと…
<初暦知らぬ月日は美しく>吉屋信子。…
<初暦知らぬ月日は美しく>吉屋信子。明けましておめでとうございます。荘厳に響き渡る108の鐘の音に煩悩が消し取られ、真っ白な気持ちで迎える新年、新春。 今年は天皇陛下が退位される4月末で平成が幕を下ろし、5月1日に皇…
「コンドルが飛んでいないロッキー山脈なんて…
「コンドルが飛んでいないロッキー山脈なんて私には考えられない」――自然環境悪化で「種の絶滅」が進むことについて、以前話を聞いた元日本動物園水族館協会顧問の故正田陽一氏の感慨だ。 その半面、正田氏は「今でも、寿命を終え…
「老一人いつまで煤の始末かな」(高浜虚子)…
「老一人いつまで煤の始末かな」(高浜虚子)。新年を迎えるための大掃除も終わり、あすは大みそかだが、気分はまだ落ち着かない。 振り返ってみれば、今年は知人の訃報を聞くことが多かった。年を取るということは、さまざまな面で…
今年もあと3日。澄んだ冬空を背に黄金色に…
今年もあと3日。澄んだ冬空を背に黄金色に輝いていたイチョウの木もすっかり葉を落とし、冬支度を完了させた。冬来たりなば春遠からじ。落ち葉もゆくゆくは腐葉土となって、新しい芽吹きのための養分となる。 毎年繰り返されている…
明治25(1892)年ごろのある日、小説家・…
明治25(1892)年ごろのある日、小説家・劇作家の坪内逍遥(33歳前後)は、東京・文京区の小説家、森鴎外(30歳前後)邸を訪ねた。原稿の催促のためだった。その後に予定があったので、あくまでもついでの訪問だ。用件が終わ…
厳戒の教会でクリスマス
地球だより エジプトではキリスト教徒が人口の10分の1を占めるとされ、総人口が約1億人に達しようとしている現在、1000万人ものキリスト教徒がいることになる。 しかし、エジプトのキリスト教であるコプト教徒は、東方教会…
ユーチューブ政治
韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」 ドナルド・トランプ米大統領はマスコミを敵対勢力と見なしている。彼に不利な報道を「フェイクニュース」と決めつける。新しい政治コミュニケーションが試される米国において、それが効果を挙げ…
「現代になって、人は表現する対象を失って…
「現代になって、人は表現する対象を失ってしまった。自然への畏怖や神の姿、いや、美そのものが陳腐化してしまった」。これは美術史学者の河合正朝さんが、2年前に東京都写真美術館で開かれた「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展に寄…
18年の国際関係、ショックだった言葉
今年の国際関係の中で、衝撃を受けた六つの言葉(群)を並べたい。 ①6月の米朝首脳会談の際のトランプ米大統領の金正恩・朝鮮労働党委員長への賛辞は大衝撃だった。「率直」「立派」「有能」「賢明」「民を愛している」「誰にも反…
沖縄に寄り添われる陛下
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ) 「昭和47年に沖縄の復帰が成し遂げられました。沖縄は、先の大戦を含め実に長い苦難の歴史をたどってきました。皇太子時代を含め、私は皇后と共に11回訪問を重ね、その歴史や文化を理解する…
中小・零細企業の多い東京・大田区で長年…
中小・零細企業の多い東京・大田区で長年、メッキ工場を経営していた男性(85)に話を聞くと、約50年前はメッキや鋳鍛造などの加工関連の組合に加入していたのは2000社以上もあった。それが現在は100社ほど。稼働しているの…
黄色いベストと革命
地球だより ガソリン税引き上げに端を発した黄色い安全ベストを身に着けたフランスの抗議運動は、6週目を迎えた。先週はなんと抗議デモのエスカレートで、取り締まる側の治安部隊を構成する警察官までも待遇改善の抗議デモを行った。…
北延命の道は非核化だけだ
昨年、米朝間は戦争前夜を彷彿させるほど緊張が高まったが、今年6月の首脳会談を境に緊張緩和ムードに転じた。しかし、11月の米中間選挙の後も両国の非核化交渉は膠着(こうちゃく)状態に陥り、再び緊張が高まる状況を呈している。…
オバマ氏の間違い繰り返すな
アメリカ保守論壇 M・ティーセン トランプ氏、シリア撤収表明 IS復活、地域紛争勃発も 同時多発テロの黒幕ハリド・シェイク・ムハンマドは米中央情報局(CIA)に拘束されていた時、捜査官に予言めいたことを言っていた。「(…
夫婦がお互いに感謝する
このところ「平成最後の……」という言葉がよく聞かれる。先日、NHKの朝の番組で平成の30年間を振り返っていたが、その中で「夫婦で共に歩んだ30年」という、平成が始まった時に結婚した2組の夫婦(真珠婚カップル)の話を紹介…