「『一切空』空にはじまる大初日」(前田律子)…


 「『一切空』空にはじまる大初日」(前田律子)。初日の出を拝もうと見晴らしのいい特別なスポットに出掛ける人は多い。都内では東京タワーや東京スカイツリー、レインボーブリッジ、葛西海浜公園などがある。

 広々とした所や高い所、眺望の利く所などだが、日本航空では初日の出フライトを毎年全国で企画している。成田空港発着の便は、千葉県館山市付近で初日の出を眺めた後、富士山を巡るコースをたどる。

 機内ではおせち風弁当や升酒のサービスもあるという。地上4900㍍で見る初日はおめでたいもの。今回は座席が発売翌日に完売したというから、入手は困難らしい。

 前田さんの句がどこで詠まれたか分からないが、「一切空」というのだから大空の機内ではなかったのかと想像してしまう。ところで、山岳雑誌「山と渓谷」(1月号)では「お正月に登りたい山」を特集。

 初日の出を見て、初詣も兼ねて行くのにふさわしい山が紹介されている。関東地方では筑波山(茨城県)、日の出山~御岳山(東京都)、大山(神奈川県)を日の出の名所として挙げている。

 群馬県や栃木県などは山国で名山も多いが、ここには入っていない。挙げられた三つの山はそれぞれケーブルカーがあって、割合登りやすい。しかも、どれも古くからの霊山である。それぞれ永い信仰の歴史を秘めており、人々は登ることで心身を清め、向上させてきた。気流子も初日に向かって年の目標を祈願した。