新閣僚に聞く 貧困の連鎖解消を
鶴保庸介 沖縄・北方担当相
鶴保庸介沖縄・北方担当相は1日、世界日報社を含む報道各社のインタビューに応じ、沖縄振興策や北方領土対策などについて語った。
2017年度沖縄振興予算の概算要求額が今年度当初予算を下回った。

つるほ・ようすけ 昭和42年、大阪府生まれ。東京大法学部卒。代議士秘書を経て平成10年、参議院議員選挙(和歌山県選挙区)で初当選。4回連続当選。参議院の厚生労働、決算、議院運営の各委員長、国土交通副大臣を歴任。現在、沖縄・北方担当相。 昭和42年、大阪府生まれ。東京大法学部卒。代議士秘書を経て平成10年、参議院議員選挙(和歌山県選挙区)で初当選。4回連続当選。参議院の厚生労働、決算、議院運営の各委員長、国土交通副大臣を歴任。現在、沖縄・北方担当相。
沖縄振興一括交付金に未消化の部分があり、精査した上でのことだ。額ありきではなく、増えることも減ることもある。必要であればどんと増やすこともあり得る。
翁長雄志沖縄県知事が米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対していることは、沖縄振興予算に影響しないか。
ない。振興は振興だ。
沖縄振興の立場から普天間返還にどう関わるか。
返還は喫緊の課題だ。基地が沖縄県経済の阻害要因になっている部分が大いにある。普天間の移転を前提に、いかにして(返還後の)跡地利用を実効あるものにしていくか、ありとあらゆる知恵を絞っていきたい。
沖縄振興策の課題と今後取り組みたい重点施策は。
特に重点的に取り組みたいのは、貧困の連鎖や再生産を断ち切ることだ。能力とやる気のある方々にしっかりチャンスを与え、振興策の実感を持っていただきたい。
今、議題になっている子供の貧困対策は、必ずしもそれだけで貧困の連鎖を断ち切る効力はないと思う。今までの施策をもう一度見直すことも必要ではないか。
沖縄に行った時に、私は沖縄の交通渋滞をなくすと申し上げたが、新しく作る道路を地域の経済発展のためのインフラとして有効活用していただき、どの収入層にもあまねく恩恵が及ぶようにしないといけない。
島尻安伊子・前沖縄北方担当相を大臣補佐官に起用した。期待する役割は何か。
沖縄の振興は、県民の思いに寄り添って施策を打ち立てていくことが必要だ。沖縄の市民の目線や思いを少しでも理解したいと思い、島尻さんに白羽の矢を立てた。島尻さんは子供の貧困対策に通じているので、その意味においても力を貸していただきたい。
尖閣諸島周辺への中国公船・漁船の侵入は、近隣島民の生活問題でもある。離島の活性化と関連し、その人々の生活をどう守るか。
辺境の地であるからこそ、政治はしっかり手だてを打っていくべきだ。私は有人離島の水産業を振興する補助金が作れないかと努力し、現代版の防人法案かとからかわれたことがある。ただ、沖縄振興大臣としては、尖閣があるからではなくて一地方の地方創生のために、その試金石だというつもりで沖縄県全体を盛り上げていきたい。
北方領土問題の解決にどう取り組むか。
プーチン・ロシア大統領の訪日はチャンスだ。こういう時こそ国民的運動をしっかりとするべきだ。国民世論が後押しになることは論をまたない。旧に倍する運動をせねばならない。
ビザなし交流の在り方はどう思うか。
ビザなし交流の制度ではなく、島民が一刻も早く日本の国土として大手を振って戻れるようにするのが政府の務めだ。こういう制度でしか島に渡ることができない実情に鑑み、最大限のサポートを政府としてもやっていくべきだ。





