アジア・オセアニア
セルビアで増す中国人の存在感、町を歩けば「ニーハオ」
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (5) セルビアの首都ベオグラードの官庁街の一角にある旧ユーゴスラビア軍司令部(国防省)ビルは、今なお崩れかかった無残な姿を晒(さら)している。セルビア政府は、破壊された同ビル…
台湾への圧力、露骨な手法で秩序揺るがすな
中米エルサルバドルが台湾と断交し、中国と国交を結んだ。 2016年の蔡英文政権発足以降、台湾との断交に踏み切った国は5カ国目となる。今年5月には中米のドミニカ共和国とアフリカのブルキナファソが相次いで台湾と外交関係を断…
ピレウス港の海軍基地化
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (3) 借金漬けから長期租借狙う 中国はスエズ運河からギリシャのピレウス港に至る航路を「アジアと欧州を結ぶ最短航路」(李克強首相)として重視している。 EU(欧州連合)は中国…
中国主導「16プラス1」、EU「分断支配の道具」警戒
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (2) 中国が狙っているのは港湾だけではない。 中国国営企業の国家電網は一昨年末、ギリシャの国営電力会社が保有する送電線管理企業の24%の株式を3億2000万ユーロ(約380…
中国陸戦隊、尖閣占拠の可能性に警戒を
米国防総省は中国の軍事・安全保障の動向を分析した年次報告書を公表した。 この中で、中国海軍が2020年までに上陸作戦などを担当する陸戦隊(海兵隊)を3万人以上の規模に拡大させるとの見通しを示した。 兵力増大の見通し示…
中国「一帯一路」最前線 ギリシャ・ピレウス港の売却
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (1) 「シルクロード経済帯」(一帯)と、「21世紀海上シルクロード」(一路)によってユーラシア大陸を包み込む巨大な経済圏をつくろうという中国の「一帯一路」構想。あちこちでつま…
ASEAN51周年シンポ、米中貿易戦争で火の粉
東南アジア諸国連合(ASEAN)創立51周年を記念して今月8日、日本アセアンセンターとASEAN各国大使で組織される東京ASEAN委員会の共催で記念シンポジウム「ASEANの挑戦と課題」が開催された。安全保障を契機とし…
対中債務膨らむパキスタン
スリランカの二の舞い懸念 中国からの融資を受けて国内インフラ整備を進めるパキスタンが、膨らむ対中債務をめぐって国際通貨基金(IMF)に緊急援助を求めるのではないかとみられ、最大のIMF出資国である米国とパキスタンとの間…
インド太平洋戦略、強圧的な中国に対抗せよ
ポンペオ米国務長官は8月1日から5日までの日程で東南アジア諸国を歴訪し、日米が進める「自由で開かれたインド太平洋戦略」を具体化するインフラや安全保障面での投資計画を発表した。 南シナ海の軍事拠点化や、シルクロード経済…
中国、米民生技術を軍事転用
フォード米国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)はニューメキシコ州ロスアラモス国立研究所で行った講演で、中国企業との事業協力によって米企業が提供した民生用技術が、中国軍や同国の核兵器開発計画の強化に利用される可能性があ…
中国による台湾侵略を阻め
拓殖大学国際日本文化研究所教授 ペマ・ギャルポ 日米は毅然たる態度示せ 台湾との交流深め絆構築を 最近日本のメディアは米中経済戦争、とりわけトランプ米大統領の保護主義的スタンスを批判的に報道している。まるでトランプ大統…
比大統領が施政方針演説、麻薬戦争の必要性強調
フィリピンのドゥテルテ大統領が、就任後3回目となる施政方針演説を行った。内政では治安当局の超法規的殺人を辞さない強硬な取り締まりに人権批判が出ている麻薬戦争について、継続の必要性を国民に訴えたほか、ミンダナオ島における…
大陸国家・中国の海洋進出に矛盾 澁谷司氏
中国の野心と米国 拓殖大学海外事情研究所教授 澁谷 司氏に聞く 中国を軸としたユーラシア経済圏構築を目指した「一帯一路」構想などダイナミックな戦略の下、中国は2049年の建国100周年をゴールとした「100年マラソン」…
習中国主席の「増長」への反動
東洋学園大学教授 櫻田 淳 行き詰まる覇権主義外交 党指導部による「軌道修正」も 「ロイター通信」(7月20日配信)記事によれば、ドナルド・J・トランプ(米国大統領)は、中国からの輸入品5000億ドルに関税を賦課するこ…
カンボジア、懸念される中国傾斜加速
カンボジアで下院(定数125)選挙が行われ、フン・セン首相率いる与党・人民党がほぼ全議席を獲得する見通しだ。在任期間が33年に及ぶフン・セン首相が、政権の座にとどまることが確実になった。 強権的なフン・セン政権 しか…
パキスタンで「一帯一路」を推進する中国の戦略的脅威を指摘せぬ各紙
◆対中債務が足かせに パキスタン下院選が25日、実施され、第3党の野党パキスタン正義運動(PTI)が勝利を宣言、第1党として政権を担当することになる。 民主的な政権移行は、パキスタン史上2度目、PTIが政権を担当する…
賄賂を拒否した高潔な警官
地球だより フィリピンの警官と言えば、残念ながら「腐敗」というイメージが常に纏(まと)わりつく。あまりに多い警官による汚職事件がそうさせているのだが、中には高潔さを保っている警官もいるようだ。 このほどマニラ首都圏で…
カンボジア、強権与党独走の総選挙
今月29日のカンボジア総選挙まで1週間余りとなった。長期政権を維持してきたフン・セン首相は、前回躍進した最大野党を解散に追い込み、場外へと追い出した。与党に対抗できる有力野党はなく、政府に批判的なメディアも強権を使って…
世界覇権への野望隠さぬ中国
拓殖大学国際日本文化研究所教授 ペマ・ギャルポ 海外に次々と軍事基地 米の台湾重視路線に過剰反応 覇権国家の中国は着々とその野望に向かって前進しているように見える。ただ残念ながら日本においては民主主義を弱体化そして軽視…
中国の外交方針、「グローバルな統治」に警戒を
中国共産党・政府の外交政策に関する最重要会議とされる「中央外事工作会議」が6月、4年ぶりに北京で開催された。 この中で習近平国家主席は、グローバルな統治体制を主導して中国中心の新たな国際秩序を構築すると宣言した。南シ…
軍用無人機市場で中国台頭
売却先選ばず拡散に懸念 中国は武装無人機の輸出を精力的に進め、急速に成長する世界の巨大無人機市場を支配しようとしている。米国はテロリストらの手に渡る可能性があることから、中東の同盟国などへの輸出は控えており、中国製無人…
ドゥテルテ比政権3年目 テロ対策で評価、経済は停滞
ドゥテルテ大統領が就任して3年目を迎えた。強力なリーダーシップでイスラム過激派対策を推し進め、国民の支持を高い水準で維持する一方で、人権問題や暴言は国内外で依然として反発を生んでいる。経済政策の柱だったインフラ開発の停…
中国はWHOを私物化するな
NPO法人修学院院長・アジア太平洋交流学会会長 久保田 信之 許し難い台湾締め出し 日本政府は抗議の声上げよ 台湾は2009年以降、国連復帰が認められていないとはいえ、その医療実績等を買われて世界保健機構(WHO)の総…