社説
広島中3自殺、あまりにも配慮が欠けている
広島県府中町立中学3年の男子生徒が自殺した問題で、町教育委員会と学校は、誤った進路指導が原因だったと認めて生徒の両親に謝罪した。 廊下で「万引きあるよね」 生徒は学校推薦の必要な私立高校の受験を希望したが、1年生の…
自民党大会、「民共合作」批判を深めよ
夏の参院選前の総決起集会とも言える自民党定期大会が開催された。安倍晋三首相は「自民・公明対民主・共産の勢力との戦いになる」と位置付け、勝利に向けて結束を呼び掛けた。 しかし、本気で戦闘モードに入るのであればもっと鋭い…
身勝手極まる金第1書記の核実験継続方針
北朝鮮の金正恩第1書記は、核実験を今後も行う意思を明確にし、核攻撃の能力を常に発展させなければならないと強調した。米韓合同軍事演習に対抗したものとみられるが、こうした姿勢は極めて身勝手だ。 国際社会による国連安保理対…
高浜原発差し止め、最高裁判例逸脱した暴走
滋賀県の住民29人が、福井県の関西電力高浜原子力発電所3、4号機の運転差し止めを求めた仮処分申請で、大津地裁(山本善彦裁判長)は「安全性の確保について関電は主張や証明を尽くしていない」として差し止めを命じる決定を出した…
東日本大震災5年、東北創生への力強い歩みを
東日本大震災から、5年目の3月11日を迎えた。1万5894人が犠牲となり、2561人が、いまだに行方不明のままである。犠牲となった人々に哀悼の祈りを捧(ささ)げるとともに、復興への決意を新たにしたい。 「絆」の大切さ…
憲法改正の賛否は選挙でなく国民投票で
通常国会では衆参の予算委員会審議で憲法改正について活発な質疑が交わされており、安倍晋三首相は参院予算委で首相在任中の改正実現を目指すと表明した。もとより憲法を改正するかどうかは国民投票で決めることであり、そのために国会…
米韓合同演習、北に付け入る隙与えるな
米韓両国は定例の合同軍事演習を韓国各地で開始した。北朝鮮による核実験と長距離弾道ミサイル発射、その後の国連安保理制裁決議に対する各種の威嚇などで、その軍事的脅威がいつになく増している中、演習は米軍約1万7000人、韓国…
温暖化対策、革新的技術の開発が不可欠だ
政府は温室効果ガス排出削減策に関する「地球温暖化対策計画」案を公表した。排出量を2030年までに13年比で26%削減する政府方針の達成に向けたもので、50年までに80%削減を目指す長期目標も示した。温暖化を抑制するには…
国と沖縄県和解、辺野古移設を遅らせるな
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐる代執行訴訟で、国と県が和解した。これを踏まえ政府は移設工事を中止し、県側と協議に入る。だが、双方とも主張を変えたわけではない。今夏の沖縄県議選や参院選を控えて…
米大統領選、トランプ氏の排外主義を憂慮
米大統領選の共和党候補者指名争いで、不動産王ドナルド・トランプ氏が他の候補に大差をつけて先頭を走っており、「トランプ旋風」と呼ばれている。 我々が不安に思うのは、トランプ氏の主張が偏狭なナショナリズムに基づいているこ…
「慰安婦」合意、日韓関係前進の機運高めよ
いわゆる従軍慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓両政府による合意について、韓国では左派系市民団体を中心に合意無効を訴える動きが執拗(しつよう)に続いている。 「慰安婦」合意を契機に、未来志向の日韓関係を築いていきたい日本と…
安保理対北制裁、今度こそ実効性を確保せよ
4回目の核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行した北朝鮮に対する国連安全保障理事会の新たな制裁決議が採択された。 過去の制裁が効果を上げてこなかったことが、北朝鮮の暴挙を許す結果となっている。今度こそ制裁の実効…
高市早苗総務相発言、マスメディアへの牽制も必要
高市早苗総務相が国会答弁で、無責任な放送を継続した放送局は電波法に基づき電波停止することもあり得ると答弁したことが、一部ジャーナリストや弁護士などから「権力で言論や表現の自由を封じるもの」などと糾弾されている。牽強付会…
羽田米路線拡大、都心への近さを生かしたい
日米両政府はこのほど、羽田空港を利用する日米路線の拡大で合意した。昼間の時間帯に日米路線向けの発着枠を計10便新設する。 今後も羽田では国際線の発着枠が拡大される見通しだ。都心への近さを生かして利用客を増やしたい。 …
FIFA新会長、急がれる金権体質の改善
国際サッカー連盟(FIFA)は、不透明な金銭の授受で資格停止となったブラッター前会長の後任に、欧州連盟(UEFA)事務総長のジャンニ・インファンティノ氏を選出した。 組織再生と信頼回復に向け、金権体質の改善が急がれる…
初の人口減、「家族の価値」を問い直そう
5年ごとに行われる国勢調査で初めて人口減が記録された。総務省が公表した2015年国勢調査の速報値によると、日本の総人口は約1億2711万人で、5年前の10年調査に比べて約95万人減った。調査が始まった1920(大正9)…
40年超原発「合格」、運転延長で活用を進めよ
原発再稼働の前提となる審査で、原子力規制委員会は運転開始から40年以上経過した関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)について「新基準を満たす」とする審査書案を了承した。原子炉等規制法が定めた原則40年の運転期間を超…
中国の南シナ海の軍事拠点化を阻止せよ
ケリー米国務長官はワシントンでの中国の王毅外相との会談で、中国による南シナ海の軍事拠点化を「南シナ海を通過する全ての人々の大きな懸念となっている」と批判した。一方、王外相は「南シナ海の島々は歴史的に中国領であり、中国は…
英国とEU、離脱派にポピュリズムの影
欧州連合(EU)に留(とど)まるか離脱するかを問う国民投票を、英国は6月23日に実施する。ブリュッセルで開かれたEU首脳会議でEU改革案が合意されたことを受け、キャメロン英首相が発表した。 域内第2の経済規模を持つ英…
民維合流新党、選挙ありきの野合でいいのか
民主党と維新の党が3月に合流する見通しとなった。民主党の解党は行わず、新しい綱領を定め、党名を変えて3月に新党名での結党大会を目指す方向だ。折り合いがつかなかった新党結成の協議は、共産党が参院1人区での候補者取り下げの…
シリア内戦、持続性ある停戦で流血停止を
シリア内戦の停戦をめぐって協議していた米露が合意した。多くの死傷者、難民を出した内戦の収束の契機とすべきだ。 米露合意も先行き不透明 米露両国はシリア内戦で「敵対行為の停止」の条件で合意し、アサド政権と反体制派に受け…
神聖な富士山の姿を後世に残したい
世界文化遺産である富士山の環境や景観をいかに守るかが課題となっている。 きょう2月23日を、地元の山梨県や静岡県などは「富士山の日」としている。日本のシンボルである富士山に思いを寄せる一日としたい。 政府が報告書を提…
石炭火力新設、電力の安定供給に必要だ
石炭火力発電所の新設について、地球温暖化防止の観点から否定的だった環境省が、一転して容認することを決めた。化石燃料に頼るのは時代に逆行するようだが、あらゆる手段を尽くし、電力の安定供給と二酸化炭素(CO2)排出削減目標…