社説
後半国会、TPP承認と関連法案成立を
後半国会の焦点となる環太平洋連携協定(TPP)の承認案と国内対策などを盛り込んだ関連法案が衆院で審議入りした。2月に環太平洋12カ国が署名したTPPは、発効すれば世界全体の国内総生産(GDP)の4割を占める一大経済圏を…
首都直下地震、帰宅困難者対策の強化を
政府は首都直下地震に備え、救助や物資輸送などの応急対策を示した計画をまとめた。 全国から自衛隊、消防、警察による広域応援部隊を東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に最大約14万人派遣するなどの内容だ。発生から72時間を…
テロリストへの核物質の流出阻止せよ
米ワシントンで世界50カ国以上の首脳らの参加の下、核安全保障サミットが開催され、核物質を用いたテロの阻止を「永続的な優先課題」とする共同コミュニケを採択した。 核テロが実行されれば甚大な被害をもたらす。何としても防止…
教科書謝礼問題、教員にあるまじき行為だ
教科書会社が検定中の教科書を校長らに見せて意見を聞き、謝礼を支払っていた問題は、採択の公正性に疑念を抱かせた。 採択への影響大きい 文部科学省の調査によると、検定中の教科書を閲覧した公立学校の教員延べ1009人が採…
景況感悪化、景気下支えへ経済対策急げ
日銀が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、製造業、非製造業とも景況感が悪化し、企業の慎重姿勢が鮮明となった。 中国経済が減速し、円高が進行して、旺盛だった外国人旅行者による消費にも陰りが見え始めた。今春…
日米韓首脳会談、対北朝鮮で結束欠かせない
米ワシントンでの核安全保障サミットに出席するため訪米した安倍晋三首相は、オバマ米大統領、朴槿恵韓国大統領との首脳会談を行い、核実験に続く長距離弾道ミサイルや中・短距離ミサイルの発射など武力挑発をエスカレートさせている北…
電力自由化、安定供給にも万全を期せ
きょうから家庭向けを含む電力小売りが全面自由化された。競争を促し、料金低下やサービス向上で消費者利益を高めるのが狙いだが、電力の安定供給にも万全を期すべきだ。 266社が新規参入 これまでは65年間にわたって大手電…
訪日客目標倍増、日本の魅力の発信強化を
政府は、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年の訪日外国人観光客数目標を2000万人から4000万人に倍増させた。昨年の訪日客数が1974万人に達したことを受けてのものだが、新たな目標の達成に向けて日本の魅力をさ…
与那国陸自部隊、南西諸島の防衛体制強化を
日本最西端の与那国島(沖縄県与那国町)で陸上自衛隊の「与那国沿岸監視隊」が創設され、任務を開始した。 1972年の沖縄の日本復帰後、同県内で新たな自衛隊施設を設置するのは初めてだ。中国の海洋進出をにらみ、南西諸島の防…
安保法施行、今後も法制整備が必要だ
集団的自衛権の限定行使などを容認した安全保障関連法が施行された。これで「防衛法制の整備は完了した」との見方もあるが、主要諸国の法制と比較すると依然として欠陥が多い。国家の安全確保のため、今後も一層の整備を忘れてはならな…
民進党結党、これで政権交代が可能か
民主、維新両党が合流して「民進党」が結成された。結党大会では「政権交代可能な政治の実現」がうたわれた。岡田克也代表は「民進党でもう1回、国民に信頼され、日本の政治の本流を担える政党をつくっていく」と語っている。 共産…
北海道新幹線、開業を地域活性化に生かせ
北海道新幹線(新青森-新函館北斗、約149キロ)が開業した。1964年の東海道新幹線開業から半世紀余りを経て北海道から本州、九州まで初めて新幹線でつながった。 当面厳しい収支見通し 北海道新幹線は東北新幹線と相互乗り…
キューバ、人権問題解決が不可欠だ
オバマ米大統領がキューバを訪問し、ラウル・カストロ国家評議会議長と会談した。来年1月までの任期のオバマ大統領としては、昨年に国交を回復したキューバとの関係改善を、外交上の成果として強く打ち出したい狙いがある。今回のキュ…
共産党の破防法調査対象は当然である
政府は日本共産党について、「警察庁としては現在においても『暴力革命の方針』に変更はないものと認識している」とする答弁書を閣議決定した。 答弁書は、戦後に合法政党になって以降も「日本国内において暴力主義的破壊活動を行っ…
ベルギー連続テロ、未然防止へ本格体制作り急げ
ベルギーの首都ブリュッセルで大規模な連続テロが勃発し、計34人が死亡した。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出しているが、何故この時期に欧州の主要国でISによるテロが続発したのか。政府は日本に波及するのを防ぐ…
ロシア軍撤退、シリア和平につながるか懸念
ロシアのプーチン大統領は、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を名目に空爆を実施してきたロシア軍の主要航空部隊に対し、撤退命令を下した。 シリア和平協議を後押しするものと評価する声も上がっている。だが、ロシアには自…
高校教科書、国は「偏向」是正に責任持て
かつて教科書にこんな記述が数多くあった。 ――沖縄戦での「集団自決」は事実に基づかないのに「軍命による強制」。ソ連の満州侵攻は「進出」。北朝鮮の韓国への武力侵攻は「戦争が勃発した」。スターリンの人権弾圧には触れず「農…
北ミサイル発射、国際社会は包囲網を強化せよ
北朝鮮は平壌の北にある粛川付近から中距離弾道ミサイル2発を発射した。このうちの1発は東に約800㌔飛んで日本海に落下した。 ミサイルは日本全土をほぼ射程に収める「ノドン」とみられている。発射はわが国への脅威を増大させ…
人工知能、限界見極め使いこなす社会を
「人工知能(AI)」とは、コンピューター上などに人間と同様の知能を実現させるための一連の基礎技術のことで、1956年の学術会議で命名された。以来技術開発が続き半世紀以上経つが、将棋や囲碁の実力では人間に追いついたようだ…
ミャンマー、新政権の民主化推進を期待
軍による政治支配が半世紀以上続いてきたミャンマーの次期大統領に、与党・国民民主連盟(NLD)幹部のティン・チョー氏が選出された。文民出身者が民主的な形でトップに就くのは、1962年のクーデター以来初めてで、実に54年ぶ…
中国の強権統治は世界の不信招く
わが国の国会に相当する中国の全人代(全国人民代表大会)が、12日間の日程を終えて閉幕した。 全人代で注目されたのは、習近平国家主席の呼称だ。さすがに毛沢東主席や鄧小平氏に使われた「核心」こそは使われなかったが、それで…
山口組抗争、市民守るため封じ込め急げ
全国最大の指定暴力団山口組(神戸市)と離脱派新組織「神戸山口組」(兵庫県淡路市)との間で発砲事件などが続発し、凶悪化している。 警察庁は両団体が「対立抗争」状態にあると認定し、同庁に組織犯罪対策部長をトップとする集中…
巨人野球賭博、徹底調査と育成強化を図れ
社会人、あるいは人間として模範となることを求めた創立者の正力松太郎の遺訓「常に紳士たれ」はどこに消えてしまったのか――。 公式戦で現金の授受も 昨年秋に発覚した巨人の野球賭博問題では、笠原将生投手ら3投手が日本野球機…