上昇気流 rss

「雲雀巣に育つを見つゝ通学す」(小山白楢)…

 「雲雀巣に育つを見つゝ通学す」(小山白楢)。数年前に住んでいた場所は東京都下で、道路近くの切り通しに樹木が生え、小さな神社があった。そのせいか、春先になると、どこからかウグイスの鳴き声が聞こえてきた。  自然の少ない都…

続き

NHKの朝の連続テレビ小説「まれ」は、…

 NHKの朝の連続テレビ小説「まれ」は、方言からはじまって能登のさまざまな文化風習が織り込まれている。その一つに、輪島のキリコ祭りがあった。大きな切子燈籠を担いで、ぐるぐる回転する場面は壮観だった。一度見物したいと思った…

続き

夏目漱石が亡くなったのは大正5年12月9日の…

 夏目漱石が亡くなったのは大正5年12月9日のことで、享年49歳。死因は胃潰瘍だった。胃の状態の悪い中、漱石は11月21日、辰野隆(ゆたか)の結婚式に参列した。辰野は東大のフランス文学専攻で、大学院生か講師だった。  時…

続き

福島県のJR郡山駅に着くと改札口にテレビ…

 福島県のJR郡山駅に着くと改札口にテレビがあり、三春の滝桜が実況中継されていた。今月19日のことだが、桜の老木を囲むように観光客の行列ができていて、車の渋滞は3~4時間とのこと。  郡山駅から40分もあれば着く所だが、…

続き

自民・公明両党は新たな安全保障法制の骨子に…

<p> 自民・公明両党は新たな安全保障法制の骨子について大筋合意した。その中にこれまでにない用語が登場し、なかなか難しい。自衛隊が活動するケースを、次のように三つに分けて定めたものだ。</p>&l…

続き

福岡高等裁判所で昨日、佐賀大学の女子学生…

 福岡高等裁判所で昨日、佐賀大学の女子学生(当時22歳)と両親がゼミ指導教員(准教授)から信仰を蔑む発言を繰り返し受け、世界基督教統一神霊協会や加入しているCARP(原理研究会)からの脱会を執拗に迫られたとして損害賠償を…

続き

121カ国4国際機関を集め愛知県で万博「愛・…

 121カ国4国際機関を集め愛知県で万博「愛・地球博」が開かれたのは2005年。開幕から10年を記念し、先月名古屋市で当時を振り返る催しなどが行われた。  その05年当初、1カ所に集客する大イベントの時代は終わったなどと…

続き

「いにしへのまゝの我家や燕の巣」(鈴木綾園)…

 「いにしへのまゝの我家や燕の巣」(鈴木綾園)。外を歩いている途中、雛(ひな)の鳴き声のようなものが聞こえた。街路に面しているドラッグストアの軒の端にツバメの巣があった。  間もなくエサをねだる雛の黄色いクチバシが見られ…

続き

本来なら春爛漫と言いたい時期だが、…

 本来なら春爛漫と言いたい時期だが、不順な天候が続いている。  たとえば磯釣りなど今頃は、産卵のためにクロダイが岸近い浅瀬にまでやってくる乗っ込みシーズン真っ盛りのはず。ところが、神奈川県湘南海岸では釣果はさっぱりで、あ…

続き

「オート三輪」とか「寝押し」などが死語と…

 「オート三輪」とか「寝押し」などが死語となりつつある一方、ここ数十年ほどの間に使われるようになった言葉もある。「説明責任」や「任命責任」といったものだ。「任命責任」の方がより新しいようで、特に野党やマスメディアが「首相…

続き

「お釜と称する山上湖は蔵王の宝玉とも言う…

 「お釜と称する山上湖は蔵王の宝玉とも言うべき存在で、それのために馬ノ背の逍遥(しょうよう)は一段と精彩を加える」。深田久弥は『日本百名山』の中で蔵王山(1841㍍)の噴火口湖水をこう称える。  蔵王山は宮城・山形県境の…

続き

危機管理の要諦の一つは、自己責任の原則の…

 危機管理の要諦の一つは、自己責任の原則の自覚だと言われる。国家の安全保障についてもその自覚の下、抜かりない準備と日ごろのチームワークづくりが欠かせない。  今月末の防衛協力の指針(ガイドライン)再改定に当たって、カータ…

続き

例えば、責任能力のない子供が第三者に損害を…

 例えば、責任能力のない子供が第三者に損害を与えた場合、賠償責任を負わないと規定したのが民法712、713条である。しかし、同714条1項が、監督義務者が責任を負うと定めている。  この場合、監督義務者とは親である。ただ…

続き

菜の花畑を載せた雑誌グラビアを見て、数年前…

 菜の花畑を載せた雑誌グラビアを見て、数年前の今ごろ、四国の霊場巡りを思い立ち、にわか遍路となって愛媛県の寺々を回った時のことを思い出した。  お遍路が行き交う道沿いには黄色がまぶしいほどの菜の花が咲き誇り、瀬戸内海から…

続き

「風光り雲また光り草千里」(門松阿里子)。…

 「風光り雲また光り草千里」(門松阿里子)。風が光るというのは、物理的現象ではない。そのように見えるという春の季語であり、自然の変化に敏感な日本人らしい表現である。  稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』には「四方の景色もう…

続き

陸奥宗光は、版籍奉還、不平等条約の改正…

 陸奥宗光は、版籍奉還、不平等条約の改正、日清戦争など明治の政治外交史に大きな足跡を遺した政治家・外交官である。岩波文庫にも入っている『蹇々録(けんけんろく)』は陸奥の外交的回想記で、近代日本外交研究の必読書と言われる。…

続き

関東地方では、桜は大方散ってしまった。…

 関東地方では、桜は大方散ってしまった。どうやら、この花は散ることに関心が向かうようだ。桜を詠んだ歌も、それをテーマにしたものが多い。  浅野内匠頭長矩(ながのり)の辞世。「風さそふ花よりもなほ我はまた春の名残をいかにと…

続き

「暁の鐘がかんかん鳴りわたると、西島は…

 「暁の鐘がかんかん鳴りわたると、西島は本堂に出て寺僧達の勤行に侍した。寺僧等は、本尊の大師像にたいして、毎暁看経礼拝を行ふ。西島は密教の儀軌といふものに、初めて接した」。  作家・中山義秀の小説「高野詣」の一節で、主人…

続き

「そこに山があるから」―1923年、ニューヨーク…

 「そこに山があるから」――1923年、ニューヨーク・タイムズのインタビューを受けた英国人登山家、ジョージ・マロリーが「なぜエベレストに登るのか」という質問にこう答えたという。  当時、エベレストの初登頂を狙い、さまざま…

続き

「信号を見て、車が来てないかよく見て渡り…

 「信号を見て、車が来てないかよく見て渡りました」。鹿川菜月さん(6)は、東京都中央区立京橋築地小学校の新1年生。昨日の入学式で高綱直良警視総監の注意を胸に留め、総監と一緒に学校近くの交差点の横断歩道を渡った。喜び胸いっ…

続き

子宮頸がんワクチン接種後、全身の痛みなどの…

 子宮頸がんワクチン接種後、全身の痛みなどの訴えが相次いだ問題は、依然解決のメドが立たない。このワクチンは2013年4月、公費による定期接種の対象となったが、厚生労働省は現在、勧奨を一時中止している。  被害者の父兄らが…

続き

「夜桜のかなたに暗き伽藍かな」(伊藤柏翠)…

 「夜桜のかなたに暗き伽藍かな」(伊藤柏翠)。東京地方は桜が満開を過ぎて今や散り始め、道路や庭に白い花の絨毯(じゅうたん)ができている所もある。日本列島は南北に細長いので、まだ花が咲いていない地方も。桜前線は徐々に北上中…

続き

大の昆虫好きで『ファーブル昆虫記』の翻訳者…

 大の昆虫好きで『ファーブル昆虫記』の翻訳者として知られる仏文学者の奥本大三郎さんから直接うかがった話。香港を舞台にした名作映画「慕情」(1955年)の中で主演のウィリアム・ホールデンとジェニファー・ジョーンズが、海の見…

続き