菜の花畑を載せた雑誌グラビアを見て、数年前…


 菜の花畑を載せた雑誌グラビアを見て、数年前の今ごろ、四国の霊場巡りを思い立ち、にわか遍路となって愛媛県の寺々を回った時のことを思い出した。

 お遍路が行き交う道沿いには黄色がまぶしいほどの菜の花が咲き誇り、瀬戸内海からのそよ風に揺れていた。汗ばむ陽気の中、ずいぶん慰められた。左手には石鎚山を抱き独特の青色を映した四国の山々がせまってきた。

 巡る先々の遍路道にお遍路の墓と思われる石碑がいくつかあった。刻まれた文字は風雨にさらされ読み取れなかった。また、名もない地蔵尊を見かけたが、地元の人が花を飾りお供えをしていた。

 弘法大師が開いたと伝えられる88カ所の霊場とそれを結ぶ経路に、広く地域文化(瀬戸内文化)が形成されていったことを知る機会ともなった。

 ところがこの地域も今、御多分にもれず過疎に大いに悩まされている。東京への一極集中を是正し、人口減少を抑制することを目指す地方創生の掛け声に乗って、大学誘致も検討されているという。

 しかし帯のごとく広がるこの地方文化の中で、いわば“点”のような新施設をいくつか設立する効果は如何。石破茂地方創生担当相は、ある懇談会で「(地域活性化の)知恵は現場にある。国の制度や仕組みを現場に合わせて変えないといけないが、言うはやすし、行うは難しい」と述べた。確かに地方の実情に即し、それを生かした創生でしかあり得ない。