121カ国4国際機関を集め愛知県で万博「愛・…


 121カ国4国際機関を集め愛知県で万博「愛・地球博」が開かれたのは2005年。開幕から10年を記念し、先月名古屋市で当時を振り返る催しなどが行われた。

 その05年当初、1カ所に集客する大イベントの時代は終わったなどと言われ、前評判は低かった。ところがふたを開けると人波が続き、期間中2200万人が来場、1日に均(なら)すと12万人になった。

 環境保護のテーマが引きつけたこともあるが、客の目当ては万博に合わせ、トヨタなど近郊の産業施設、隣県の岐阜、長野、静岡などの観光地の訪問があったと関係者は分析している。中部国際空港の開港も有利に働いた。

 今日もこの地域の集客力を生かさない手はないということだろう。英テーマパーク運営大手「マーリン・エンターテイメンツ」が「レゴランド・ジャパン」の名古屋市開業を予定し、このほど着工式を行った。日本初上陸となる屋外型テーマパークで、17年前半の開業を目指す。

 式典に臨んだ同社のニック・バーニー最高経営責任者(CEO)は、名古屋市が「発達した交通網と製造業で高い評価を受けている」「宿泊施設ができるようになれば、日本中やアジア各国からの来園者を期待できる」と。

 名古屋城周辺は別だが、同市にはなぜか観光名所が少ない。このCEO氏、いいところに目を付けたとつくづく思う。地方創生が言われるが、中核都市の牽引(けんいん)力にも期待したい。