コラム rss

京都・伏見区の「伏見稲荷大社」を初めて…

 京都・伏見区の「伏見稲荷大社」を初めて訪ねた。「千本鳥居」と呼ばれる数え切れないほどの鳥居をくぐり続けて狭い山道を行くのだが、人の流れに切れ目がなかった。  登坂時は人々が黙々と上っていたが、擦れ違う下山の人たちの英語…

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「工場のいつもこの音秋の雨」(中村汀女)…

 「工場のいつもこの音秋の雨」(中村汀女)。一雨ごとに冬が近づいているという実感がある。秋の雨が長雨になりやすいのは梅雨と似ているが、梅雨が暖かさを感じさせるのに対して秋雨は触れたものを冷やしていく。紅葉の上に雨が降ると…

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国内で出版されたすべての本を収蔵する東京…

 国内で出版されたすべての本を収蔵する東京・永田町の国立国会図書館は、本や雑誌などの資料を探す場合の最後の砦とも言える施設だ。蔵書数1200万冊、貸し出しまではできないが、閲覧し有料でコピーができる。最近はウェブにおける…

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日本食が多様な食ドンキ出店

地球だより  総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が今月末、シンガポール6号店となる「ドンドンドンキ・Jキューブ店」をジュロン地区に出店する。  「ドンドンドンキ」はほぼすべての商品が日本製という、日本産の生鮮食品…

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作家の野間宏(1991年没)がパーティーの…

 作家の野間宏(1991年没)がパーティーの乾杯あいさつで長時間演説したエピソードが記録されている。会場の皆がグラスを持って待つ中、ニクソンがどうの、ブレジネフがこうの、べトナム戦争がああのと30分語り続けた。  丸谷才…

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大学授業料の凍結

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」  「桜の花が咲く順序に従って大学が滅びる」という言葉が教育界に広まってから久しい。相対的に競争力が劣る地方大学から始まって首都圏の大学へという順に倒産するのではないかという憂慮だ。 …

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サービス精神の国民性

地球だより  飲食店などにおける米国の接客では、日本の「おもてなし精神」のような礼儀正しい丁寧な対応はあまり期待できない。その代わり、自然体でフレンドリーに接してくれるのが良いところで、親切にしてくれる店員も多い。  し…

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東京の三鷹市北野の辺りは住宅地であるが…

 東京の三鷹市北野の辺りは住宅地であるが、農家も多く、散歩していると田舎にいるような気分になってくる。今の季節に家の庭先や畑の隅でよく見掛けるのが菊の花だ。  それも厚物や管物や古典菊まであって、栽培を趣味にしている人た…

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島嶼観光の課題は量より質、那覇でITOP開催

沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)  島嶼(とうしょ)部を持つ国々の知事らが集まり、第23回島嶼観光政策フォーラム(ITOP)が6日、那覇市内のホテルで開かれた。テーマは「観光によるSDGs(持続的発展目標)への貢献」…

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安倍晋三首相の在職日数が通算2887日となり…

 安倍晋三首相の在職日数が通算2887日となり、同じ山口県出身の桂太郎を抜いて歴代最長となった。これに対し、野党をはじめ「長期政権の弊害」ばかり指摘する人々がいるが、本末転倒した議論である。  安倍政権は民主的な選挙で選…

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ホームシックは国民病?

地球だより  スイスに関するニュースや情報を発信しているウェブサイト「スイスインフォ」によると、ホームシックはスイス人の200年前の国民病だった。「牧人の歌に故郷への思いを馳せ、スイスの代表的児童文学作品『アルプスの少女…

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読書によって育つもの

 今月9日に行われた「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」で、女優の芦田愛菜さんの祝辞が話題になった。中学生とは思えない品のある言葉を選んだ祝辞だったからだ。  芦田さんは、天皇陛下が松尾芭蕉の『奥の細道』を読まれたこと…

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気流子に鑑識眼があるわけではないが、文豪…

 気流子に鑑識眼があるわけではないが、文豪の中には俳人としても評価されている人が少なくないことは分かる。俳人の長谷川櫂氏が読売に連載する「四季」で先月上旬、その一人である夏目漱石の句を採り上げた。  漱石の『思い出す事な…

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国際原子力機関(IAEA)は、原子力の…

 国際原子力機関(IAEA)は、原子力の軍事利用に目を光らせ「平和、保健及び繁栄に対する原子力の貢献を促進」(憲章)するのが目的。IAEAの役割を持ち出すまでもなく、原子力技術の開発は今や人類文明の発展に欠かせない。  …

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まだ冬という実感に乏しいが、朝夕に外を…

 まだ冬という実感に乏しいが、朝夕に外を歩くと空気がひんやりしていることを肌身に感じる。外出のために衣服を選ぶのにちょっと迷う。日中の日差しもあって、厚着でも薄着でもしっくりこない。その寒暖差は、まさに秋から冬にかけての…

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未明に帰宅して急に甘いものが欲しくなり…

 未明に帰宅して急に甘いものが欲しくなり、近くのコンビニエンスストアに足を運ぶと「22時閉店」の張り紙。それで甘いものへの願望が消えるわけではない。100㍍ほど離れたもう一軒のコンビニはいつも通り開いていてアイスクリーム…

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ロシアの違反で新たな火種、米はオープンスカイ条約離脱か

 トランプ米政権は1992年に締結した「オープンスカイ条約」にロシアが違反しているとして離脱する計画を進めている。ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約が失効したばかり。両国間の緊張が高まるのは必至だ。  米政府高官は…

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満天の星と蛍の乱舞

地球だより  東南アジアのラストフロンティアとされたのは、ベトナムとミャンマーだった。今ではベトナムにもとっくに先を越され、ロヒンギャ問題などで制裁を受け、1周遅れで走っている感のあるミャンマー。ただ、ミャンマーを訪れる…

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「古代の饗宴は暴力的だった、それは飢え…

 「古代の饗宴は暴力的だった、それは飢えと結びついていたからだ」という学者の記述を読んで虚を突かれた。昔の酒宴が暴力的だった話は知っていたが、根源に飢餓があったとは思い至らなかった。  柳田国男の「酒の飲みようの変遷」(…

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メガネをかけた女性

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」  メガネがいつ誰によって作られたかは明確でない。11世紀ヨーロッパの修道士たちが文章を読むために発明したともいい、中国で初めて使われたという主張もある。視力矯正用のメガネはだいたい1…

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俳人の中には保守的な句を作る人もいれば…

 俳人の中には保守的な句を作る人もいれば、進歩的な句を作る人もいる。両者から人気のあるのが「鶴」を主宰した石田波郷(1913~69)だ。  俳句で表現できるのは自然か、人間かだが、小説のように言葉を費やして語ることはでき…

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ノーベル賞に恨み節

地球だより  今年も日韓で明暗が分かれたノーベル賞受賞者の発表。リチウムイオン電池の開発で旭化成名誉フェローの吉野彰氏が化学賞を受賞して喜びに沸く日本を横目に、韓国では恒例(?)となった「なぜ取れないのか」の分析に余念が…

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でも彼らは国を出る、ボックスピープルの悲劇

 先月下旬、英国で大型トラックの冷蔵コンテナから39人のベトナム人密航者の遺体が見つかった。聞いただけで背筋が凍る。  その直後にも、移民や難民を積み込んだ冷蔵トラックがフランス、ベルギー、ギリシャで次々摘発された。  …

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