コラム rss

小津安二郎監督の「東京物語」(昭和28年)…

 小津安二郎監督の「東京物語」(昭和28年)の中で、母の葬式を終え、後に残った嫁の紀子(原節子)と、その義妹の京子(香川京子)の会話。京子「ずいぶん勝手よ。云いたいことだけ云うてサッサと帰ってしまうんですもの。あたしお母…

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麻薬戦争を揺るがす腐敗警官

地球だより  ドゥテルテ大統領の麻薬戦争が激化するフィリピンだが、ここにきて警官の腐敗が足を引っ張り反対勢力を勢いづかせている。  このほどマニラ首都圏カロオカン市の警官が、麻薬捜査を装って民家に押し入り現金などを盗んで…

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本能寺の変(1582年)は、日本史上最大の謎だ…

 本能寺の変(1582年)は、日本史上最大の謎だ。織田信長を暗殺したのが明智光秀軍であるのは明白だが、光秀による単独の行動か、黒幕がいたのかは謎だった。このほど藤田達生(たつお)三重大学教授が発表したのは、変の10日後、…

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質素な同胞団員の結婚式

地球だより  ある旅行会社を通じて知り合ったムスリム同胞団員が、自分の結婚式に出てほしいというので参席してみた。同胞団の幹部も参加するので紹介するからとの誘いにも興味が湧いたからだ。  同胞団は、各国にイスラム法の施行を…

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子供と政治

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」  朝鮮時代の英祖(21代王)。許してくださいと訴える息子の思悼世子(世子は王の世継ぎ。思悼は王が後に与えた諡号(しごう))を米びつに押し入れた。彼は時には父親になるが如何なる瞬間にも…

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米国のニューイングランド地方にあるアン岬…

 米国のニューイングランド地方にあるアン岬周辺は風景の美しい土地である。入り江、湾、岬、半島、島などが複雑な地形を造り、陸地の森と接している。グロスターもそのような湾に形成された港町だ。  創立は1623年で、植民者たち…

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「人道上戦後最悪の危機」

飢餓地帯支援も忘れまい  北の独裁者の空(むな)しい高笑いを乗せたミサイルが、日本上空を乱れ飛ぶ。防衛体制を最大限強化しながら、だが地球の向こうで死にかけている生命も防衛したい。  「2000万人以上が飢餓に直面している…

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台風18号で悲喜こもごも

沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)  非常に勢力の強い台風18号が日本列島を襲い、全国各地で被害が出た。  日本で最初に直撃したのは沖縄県の宮古島だった。宮古島市農林水産部によると、同市と多良間村の農作物被害額は5億7…

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帝国データバンクは、人手不足に関して今年…

 帝国データバンクは、人手不足に関して今年7月に行った企業の動向調査結果を発表し、その中で「正社員が不足している」と回答した企業は45・4%となった。同社は「商品・サービスの新規開発に影響が出ている」と指摘している。  …

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寂しく佇む大統領記念館

地球だより  2002年サッカーワールドカップ日韓共催のため造られたソウルW杯競技場の西2キロの場所に、朴正煕元大統領の記念館がある。韓国で朴元大統領と言えば「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長を牽引したリーダー像と日本…

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眞子さま御婚約の効果

 秋篠宮家の眞子殿下と小室圭さん、共に25歳の若いカップル誕生に日本中が明るい空気に包まれた。同年齢の子供を持つ親の一人として、爽やかな20代の結婚に心動かされる会見だった。  厚生労働省の「21世紀出生児縦断調査」によ…

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1人――というのが1日の最少人数である。…

 1人――というのが1日の最少人数である。平成元(1989)年からこれまでに、昨年9月4日と平成22(2010)年5月26日に記録した交通事故死者数である。  1日の最少人数は平成14年に10人だったが、翌15年に7人を…

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民主党に擦り寄るトランプ氏

米コラムニスト キャサリン・パーカー 選挙公約は見せかけ 生き残るオバマ氏の「遺産」  これほど多くの大統領選の勝者と敗者がここまで饒舌(じょうぜつ)になったことはほとんどない。  ヒラリー・クリントン氏は、-念のために…

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ノーベル医学生理学賞を受賞した東京工業大…

 ノーベル医学生理学賞を受賞した東京工業大栄誉教授の大隅良典氏が「大隅基礎科学創成財団」を設立した。「基礎生物学の分野で、重要でありながら支援を得られなかった研究者に、研究費を提供したい。100万円や200万円でも研究が…

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ビル・ガーツ

米、中国の知財侵害調査を開始

 トランプ米大統領が、米国の知的財産への中国による大規模な侵害の調査を公式に開始することを決めたことは、長年、中国の組織的なサイバースパイ攻撃を受けてきた米企業にとって朗報だ。米通商代表部(USTR)は先月、トランプ大統…

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「山は暮れて野は黄昏の芒(すすき)かな」…

 「山は暮れて野は黄昏の芒(すすき)かな」(蕪村)。かつてはどこでも見られたススキだが、今では街中ではほとんど生えていない。秋の空、特に夜の月明かりの中で見る光景は幻想的で、かつ物寂しい風情を感じさせる。  ススキは、稲…

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北朝鮮がまた、日本上空を通過する弾道ミサイル…

 北朝鮮がまた、日本上空を通過する弾道ミサイルを発射した。襟裳岬の東約2200㌔の太平洋上に落下し、飛行距離はグアムを射程に収める約3700㌔。  グアムの米軍基地への攻撃能力を誇示して米国を交渉に引き込もうという狙いだ…

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タマリンドを生業に

地球だより  インドシナ半島には日本にはない豆の木がある。鞘(さや)が80センチ近くにもなるズールーラブビーン(モダマ)やタマリンドがその一つだ。ホーチミン市には街路樹として植えられたタマリンドの木の実を集めて生計を立て…

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文芸雑誌「すばる」(10月号)の作家リービ…

 文芸雑誌「すばる」(10月号)の作家リービ英雄氏へのインタビュー(聞き手は文芸評論家の富岡幸一郎氏)の中に「緊張感」という言葉があった。リービ氏は1950年、米カリフォルニア州で生まれた。  87年に日本語で小説を発表…

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読書の季節

韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」  朝夕にもの寂しい秋風が吹いている。暑くもなく寒くもない今時分を“読書の季節”と呼ぶ。「秋は読書にいい」という言葉は昔からあった。よく知られた「燈火可親」(灯火親しむべし)という故事…

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復活したサッカー王国

地球だより  世界を熱狂の渦に巻き込むサッカー・ワールドカップ(W杯)。その2018年ロシア大会の予選が佳境を迎えようとしている。そうした中、世界の激戦区として注目を集める地域の一つが南米枠だ。ブラジルを除く7カ国が7ポ…

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ナチスの強制収容所での体験を記した『夜と霧』…

 ナチスの強制収容所での体験を記した『夜と霧』で知られるヴィクトール・フランクルが亡くなって20年。戦後長く住んでいたウィーンの住居は博物館となって、今も訪れる人は絶えないという。  小紙ウィーン特派員の小川敏記者が追慕…

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台風が待ち遠しい沖縄

沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)  全国の天気予報を見ると、夏の最高気温は本州内陸部の方が高く、まれに北海道が日本一暑い日もある。それでも、やはり南国の沖縄は気温以上に暑く感じる。その要因としては、強い日差しと湿度の…

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