台風が待ち遠しい沖縄
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
全国の天気予報を見ると、夏の最高気温は本州内陸部の方が高く、まれに北海道が日本一暑い日もある。それでも、やはり南国の沖縄は気温以上に暑く感じる。その要因としては、強い日差しと湿度の高さが挙げられる。
8月中旬、大阪を旅行した時は最高気温が沖縄よりも高く、相当の覚悟をしたものだが、それほど暑くは感じず、逆に過ごしやすかった。
それにしても、今年の沖縄の暑さは異常だ。6月20日から続いている沖縄県の連続真夏日が12日現在で85日に到達。観測史上、最長記録を更新中だ。
沖縄気象台によると、8月の平均気温が平均を1・4度も上回り、1946年の統計開始以来、過去最高を記録したという。9月に入ってから35度超えを3年ぶりに記録するなど、厳しい暑さは続いている。太平洋高気圧の張り出しが西に強い影響で、晴れて気温の高い状況が続いているのが原因らしい。
今年の夏は極端に雨が少なかった。宜野湾市で農業をしている男性は、「毎日、水やりをしないといけないが、追いつかない。野菜をダメにしてしまった」と話す。
また、心配なのは、昨年に続いて台風が一度も上陸していないことだ。台風は被害ばかりがクローズアップされるが、海水をかき回し、水温を下げるなど、サンゴ礁をはじめとする自然生態系にとっては必要な現象だという。
8月まで環境大臣政務官を務めた比嘉奈津美衆院議員は石西礁湖をはじめとするサンゴ白化に危機感を抱き、「サンゴ大規模白化緊急対策会議」を県内で開催した。「ここ数年、沖縄は温暖化の影響で確実に暑くなっている」と比嘉議員は話した。今年は過去に経験したことがないほど、台風待望論が高まっている。
(T)