経済
アベノミクス誤算は消費に
経済ジャーナリスト 尾関 通允 売り手が競争する時代 効率的で小さな政府目指せ いわゆるアベノミクス=安倍政権が発足早々に自賛の意をも込めて打ち出した日本経済再建策は、筆者の見るところ、失敗とまではいえないものの、成果…
懸念深まる景気の先行き
日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、企業の景況感が大企業製造業で3期ぶりに悪化し、先行き見通しは非製造業でも悪化と慎重なものになった。 中国などの景気減速が、国内景気にも悪影響を与えている。4~…
中国失速と米国利上げの有無から世界通貨危機を観測特集した各誌
◆バブル崩壊した中国 9月中旬、世界の金融界は米国の動きを注視した。FRB(連邦準備制度理事会)がそれまで取っていたゼロ金利政策を解除し利上げに踏み切るのではないか、という臆測があった。世界に負の影響を及ぼしている中国…
「軽減税率」で財務省案を徹底批判し欧州型の検討求めた読売、産経
◆国民負担を各紙強調 つい最近までは、連休入りの19日未明に成立した安保関連法に関する社説が左派の新聞に異常に目立ったが、これを除くと、経済関係では、やはり、例の財務省案に対する社説が少なくなかった。 財務省案とは消…
高すぎる日銀のインフレ目標
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 追加緩和はすべきでない 過去の2%台はバブル期だけ 7月の全国消費者物価(以下CPI)は、前年比プラス0・2%、価格変動の大きい生鮮食品を除いたコアCPIは、同0・0%と…
サンマ・マグロ、実効性ある資源管理主導せよ
「秋の味覚」として親しまれるサンマ、すしネタとして人気の高いマグロ。日本人になじみ深い両魚種の資源減少を食い止めるため、国際的な取り組みが相次いで進められている。 国際的な取り組み進む 東京都内で開かれた「北太平洋漁…
買い手市場強まる日本経済
経済ジャーナリスト 尾関 通允 気がかりな中国の変調 アベノミクスは試練に遭遇 業種業態によって業況に格差があるという意味で日本の景況は“まだら模様”を描いたまま推移する可能性が高い―という予測を当欄で述べてから4カ月…
訪日客急増、地方創生につなげる工夫を
今年の訪日外国人客数は7月時点で1000万人を突破した。これまで最速だった昨年より3カ月早い達成だ。 訪日客の増加を、日本の大きな課題である地方創生にもつなげたい。 7月に1000万人突破 7月も前年同月比51・…
戦後70年エコノミストの経済特集は検証は妥当でも未来図を描けず
◆石油と為替の戦後史 今年は戦後70年。経済誌で戦後70年を検証し特集を組んでいるのは、今のところ週刊エコノミスト(8月11、18日合併号)のみである。もっとも、特集といっても30㌻ほどで分量としては物足りず、過去の検…
GDPマイナス、消費増税の影響が大きい
日本経済は景気拡大の力強さを欠いたまま、またマイナス成長に転じてしまった。4~6月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0・4%減、年率では1・6%減と3期ぶりのマイナス成長である。 景気の足を引っ張った個人消費や輸…
戦後金融政策の試練と挑戦
鈴木政経フォーラム・経済学博士 鈴木 淑夫 発展、挫折、新たな挑戦 ギリシャ化寸前に朝鮮動乱 戦後70年間、日本の金融政策は試練と挑戦の連続であった。 敗戦直後、金融政策はハイパー・インフレーションの抑制(金融収縮)…
世界経済に悪影響及ぼす中国上海株急落・ギリシャ危機を3誌特集
◆国際金融の不安要素 今年3月のギリシャ選挙を境にEU(欧州連合)が揺れ始めた。急進左派で緊縮財政に反対するチプラス氏が首相に任命されたことでギリシャ危機到来の幕開けとなった。事実、6月30日期限のIMF(国際通貨基金…
遺憾な東芝の不正経理操作
経済ジャーナリスト 尾関 通允 世間を欺く“企業犯罪” 傷付いた信用信頼取り戻せ いわゆる戦後期のまだ早い頃、自然発生的に株式の集団売買が証券会社の店頭で行われるようになり、しばらく後に会員制度の証券取引所が新発足して…
株価の乱高下で中国当局の露骨な市場介入をそろって批判する各紙
◆景気実態に日経警告 中国経済が怪しくなってきた――。最近の中国株式市場の株価の動きは、その兆候の一つとみていいだろう。 中国の代表的な指標である上海総合指数は、昨年後半から急ピッチで値を上げ、今年6月半ばには、前年…
異次元金融緩和の効果検証
鈴木政経フォーラム・経済学博士 鈴木 淑夫 総需要拡大は不十分 株高、円安、収益好転のみ 黒田東彦日銀総裁の異次元金融緩和の第一弾が打ち出されてから2年以上経ち、第二弾が打ち出されてから半年以上経った。そこで黒田総裁が…
目下のギリシャ財政危機を尻目に日本に警鐘鳴らしたエコノミスト
◆各国を襲う財政危機 ギリシャの財政危機が話題に上り、事実上デフォルト(債務不履行)状態となったその行方が注目される一方で、日本の財政問題も引き合いに出されることが多い。膨大な借金を抱える日本は“この先大丈夫か”という…
6月日銀短観、予断を許さぬ景気の行方
日銀が発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業で3四半期ぶりに景況感が改善。大企業非製造業は改善が継続するなど、消費税増税前の水準までほぼ回復したようである。 しかし、3カ月後の見通しでは、非…
原発含めた電力安定供給を
大手電力会社の送配電部門を別会社化する「発送電分離」を2020年4月に行うことを明記した改正電気事業法と、都市ガスの小売りを17年をめどに全面自由化する改正ガス事業法が国会で成立した。1951年に始まった大手電力が発電…
タイで日中が高速鉄道争奪戦
一歩先んじた日本 一帯一路で巻き返し図る中国 太田昭宏国土交通相は先月下旬、訪日したタイのプラジン運輸相と会談し、タイが計画する高速鉄道に日本の新幹線技術の導入を前提に、共同で事業調査する覚書を締結した。6年前から高速…
中国主導AIIBと日本の態度
鈴木政経フォーラム・経済学博士 鈴木 淑夫 外交利用なら参加せず 国際秩序に取り込む戦略を 中国主導で創られる予定の「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の創設メンバー候補国に、日本は米国と共に加わらなかったが、これに…
欠陥エアバッグ、後手の対応を猛省すべきだ
自動車部品大手タカタがエアバッグ計3380万個の欠陥を認め、リコール(回収・無償修理)を全米に拡大した。米国で過去最大となるのは確実だ。 欠陥エアバッグによって死亡事故も生じている。タカタは後手に回った対応を猛省しな…
14年度マイナス成長、消費増税は必要だったのか
デフレ脱却を目指す安倍政権にとって、実に悔やまれる残念な1年間であった――。内閣府が20日発表した2014年度の実質GDP(国内総生産)は前年度比1・0%減になり、前年度から勢いづいていたデフレ脱却の動きを頓挫させてし…
「スマート・シティ」へ動くフィンランドのオウル市
初のセミナーに欧州から多数参加 「北スカンジナビアの首都」自任 「スマート・シティ」はハイテクを駆使し、環境、エネルギー問題に対応した環境配慮型都市で、再生エネルギーを最大限に利用する社会のことだ。オウル市は先駆けて「…