池永 達夫
タイ、来春にも8年ぶり総選挙
タイが民政復帰に向けて動き出した。暫定政権はクーデター直後から、民政復帰を進めるとしてきたが、それが延び延びとなってきただけに一歩前進したとは言える。ただ、8年ぶりとなる総選挙が実施される可能性こそ高まっているものの、…
普通の子供を素晴らしく
開拓力と誇り持つ人材育成 平成の松下村塾塾長 中塩 秀樹氏に聞く 長く教育の現場で働いてきた中塩秀樹氏は今年4月、山口県岩国市で「日本の未来を切り拓く、誇りある日本人」を育成するため、「松下村塾」を平成の世に復活させた…
ウズベキスタンの政治・経済改革
ウズベキスタンが、経済の自由化や政治の民主化など改革に向け大鉈(なた)を振るい始めている。同国では前カリモフ大統領の急逝を受け、シャフカト・ミルジヨエフ元首相が2016年12月の選挙を経て大統領に就任して、間もなく2年…
売電で外貨獲得、「バッテリー国家」ラオスのリスク
ラオス南部のアッタプー県で死者39人など多大な犠牲者を出した水力発電用ダム決壊事故から40日が経過した。この事故で浮き彫りになっているのは、建設技術不備による人災という安全リスクとともに、「債務の罠(わな)」回避のため…
クロアチアとブルガリア、中国IT御三家が触手
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (8) 「クロアチアはBのつく首都の国にいつも支配されてきた」 首都ザグレブのドイツ系IT(情報技術)企業に勤めるデーヤン・シルコフスキー(42)氏は、クロアチアの歴史を語る…
ウイグル人の避難所・トルコ、中国の圧迫逃れ6万7千人
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (7) トルコ最大の都市イスタンブールの中心街から西へ約40㌔、アタチュルク国際空港に近い郊外に、ウイグル人が集まって暮らしているセパーキュイ地区がある。その一角にある、ウイグ…
米ステルス機の残骸、先端技術狙い中国が買取り
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (6) セルビアの首都ベオグラードの国際空港の側に、円盤状をした総ガラス張りの航空博物館がある。庭に並べている20機以上のソ連製ミグ21も壮観だが、目当ては二階に置かれている米…
セルビアで増す中国人の存在感、町を歩けば「ニーハオ」
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (5) セルビアの首都ベオグラードの官庁街の一角にある旧ユーゴスラビア軍司令部(国防省)ビルは、今なお崩れかかった無残な姿を晒(さら)している。セルビア政府は、破壊された同ビル…
セルビア・ハンガリー高速鉄道建設、欧州委が調査に乗り出す
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (4) 人口約700万人のセルビアは、1990年代の紛争で崩壊した旧ユーゴスラビア連邦の七つの国の一つ。まだ欧州連合(EU)には正式加盟を果たしていないが、EUから「加盟候補国…
ピレウス港の海軍基地化
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (3) 借金漬けから長期租借狙う 中国はスエズ運河からギリシャのピレウス港に至る航路を「アジアと欧州を結ぶ最短航路」(李克強首相)として重視している。 EU(欧州連合)は中国…
中国「一帯一路」最前線 ギリシャ・ピレウス港の売却
中国「一帯一路」最前線 バルカンに吹く風 (1) 「シルクロード経済帯」(一帯)と、「21世紀海上シルクロード」(一路)によってユーラシア大陸を包み込む巨大な経済圏をつくろうという中国の「一帯一路」構想。あちこちでつま…
ASEAN51周年シンポ、米中貿易戦争で火の粉
東南アジア諸国連合(ASEAN)創立51周年を記念して今月8日、日本アセアンセンターとASEAN各国大使で組織される東京ASEAN委員会の共催で記念シンポジウム「ASEANの挑戦と課題」が開催された。安全保障を契機とし…
大陸国家・中国の海洋進出に矛盾 澁谷司氏
中国の野心と米国 拓殖大学海外事情研究所教授 澁谷 司氏に聞く 中国を軸としたユーラシア経済圏構築を目指した「一帯一路」構想などダイナミックな戦略の下、中国は2049年の建国100周年をゴールとした「100年マラソン」…
カンボジア、強権与党独走の総選挙
今月29日のカンボジア総選挙まで1週間余りとなった。長期政権を維持してきたフン・セン首相は、前回躍進した最大野党を解散に追い込み、場外へと追い出した。与党に対抗できる有力野党はなく、政府に批判的なメディアも強権を使って…
トルコ大統領選、エルドアン氏続投
52%得票、議会も過半数 トルコで24日、大統領選が行われ、エルドアン大統領の続投が決まった。同時に行われた総選挙(一院制、定数600)でも、与党が過半数を制した。エルドアン大統領は同日深夜(日本時間25日早朝)、「国…
東南アジア、選挙の季節
東南アジアは、選挙の季節を迎え、先月のマレーシアや東ティモールの総選挙では政権交代が起こった。カンボジアは来月29日、総選挙が行われる。これらの国で注目されるのは、進む中国傾斜に歯止めがかかるかどうかだ。 (池永達夫)…
東海道五十三次を世界遺産に
街道町おこし 街道文庫店主 田中義巳氏に聞く 北品川辺りは、東海道をそのまま残した形での商店街が続く。その一角に街道に関する書籍3万冊を集めた街道文庫がある。「東海道五十三次を世界遺産にする」ことで町おこしを図ろうとし…
タイ軍部のクーデターら4年、懸念される中国傾斜
タイ軍部のクーデターが発生して4年が経過した。タイの社会情勢は一見、平穏だ。だが、5人以上の政治集会が禁じられたまま、強権下の平穏といった状況が4年続いている。懸念されるのは民政復帰を求める欧米諸国との溝が深まり、内政…
台日の友好関係は相互理解と信頼の上に 謝長廷氏
台湾特集 台北駐日経済文化代表処 代表 謝長廷 中華民国(台湾)の蔡英文総統は、5月20日に就任2周年を迎えました。この間、台日関係は各分野においてさらなる進展を遂げており、双方の人々の絆もより一層深まっています。今年…
台湾が中国の経済攻勢に対抗
台湾特集 人材引留めと映像産業育成 米連邦議会上下院でこのほど、米国と台湾の政府高官の相互訪問を解禁する「台湾旅行法」を全会一致で可決。トランプ大統領が署名し、正式に発効した。これで蔡英文総統のホワイトハウス訪問も可能…
創造的価値の付加こそ仕事
作業と仕事の違い ホスピタリティバンク研究所代表 浦郷義郎氏に聞く 銀行マンや会計士、弁護士、行政書士といった侍ビジネスは、これから10年の間に8割以上なくなるというホスピタリティバンク研究所の浦郷義郎代表に「作業と仕…
中国の覇権抑える議論なし、一帯一路日本研究センター設立シンポ
一帯一路日本研究センター設立シンポが18日、都内の日本プレスセンターで開催された。5年前に習近平国家主席が打ち出した一帯一路は、一見すると弾みがついてきているように見えるものの、舞台裏は補助金漬けだったりする。とりわけ…
不安定な習・共産党体制
昨年10月に開催された中国共産党大会で、習近平総書記率いる中国共産党中央は、「新時代」をキーワードとして掲げた。従来の世界秩序に満足しないニュアンスが込められた「新時代」に中国は何を求め、どう行動するのか。笹川平和財団…