池永 達夫
オーストラリア総選挙、予想覆した対中警戒心
モリソン首相が続投 オーストラリアで18日に行われた総選挙の結果は、政権与党苦戦との事前予想を覆し保守連合(自由党、国民党)が勝利し、モリソン首相の続投が決まった。保守連合を支えたのは、近年、顕著となっている豪政界や世…
蔡英文・台湾総統、就任3周年 米国の台湾シフト鮮明に
台湾の蔡英文総統は20日、就任3周年を迎えた。来年1月には、総統選が行われる。とりわけ中国が現在、台湾統一に向けた攻勢を強化し、台湾への圧力を強めつつ南シナ海の聖域化を図るなど、その覇権的動きがアジア太平洋の平和と安定…
巨人・中国の金融リスク 不良債権膨張で危機寸前
《 記 者 の 視 点 》 国際通貨基金(IMF)は先月10日、金融安定性報告の中で「金融リスクの脆弱(ぜいじゃく)性が高まっている」とした。新興国からの資金流出や中国の不良債権急増が主因だ。とりわけ懸念されるのが、昨…
スリランカ連続爆破テロ ISが犯行声明
従来型テロから一変… 日本人を含む359人もの命を奪い、500人以上が負傷したスリランカの連続爆破テロ事件で、100人以上が死亡したのが西部ニゴンボの聖セバスチャン教会だった。ポルトガルの植民地時代を象徴するニゴンボが…
24日にタイ総選挙
2011年7月以来となるタイ総選挙(下院、定数500)が24日、行われる。軍政を引き継ごうとする親軍政党と反軍政のタクシン派、その双方に距離を置く民主党が三つ巴(どもえ)戦を展開。しかし3勢力とも単独過半数を取るのは難…
人が最終的に求めるもの
理想郷は良心が息づく社会 ホスピタリティバンク研究所代表 浦郷 義郎氏に聞く 存在とは、個物であると同時に関係性の二重性にある。分けることを基本とする近代科学で、人類はかつてないほど便利な社会構築に成功しつつあるが、便…
「脱原発」でいいのか?
トリウム原子炉 もう一つの選択肢 テクノロジスト 金子 和夫氏に聞く 電力を安定供給して産業を下支えするエネルギー政策こそは、国家の将来をも決定しかねない重要事項だ。東日本大震災後、原発は受難の時を迎えているが「脱原発…
「一帯一路と中央アジア」でシンポ
「『一帯一路』構想の現状と中央アジア」をテーマにしたシンポジウムがこのほど、都内で行われ中国の「一帯一路」構想を軸に、ユーラシア大陸の政治・経済情勢を論じた。主催したのは、2000年にスタートしたIIST(一般財団法人…
中国に「宣戦布告」した米
米中新冷戦 第3部 識者インタビュー (25) 拓殖大学海外事情研究所教授 澁谷司氏 米中新冷戦は、どの程度続くことになるのか。 短期で終わると思う。昨年10月4日のペンス米副大統領の演説は「現在版ハル・ノート」だった…
科学強国・中国は人類の悪夢
米中新冷戦 第3部 識者インタビュー (24) 評論家 黄文雄氏 米中関係は、これから新冷戦時代を迎えることになるのか。 冷戦という言葉は、的確ではない。米中は互角のパワーを所持しているわけではないからだ。米国の力は圧…
習氏自ら潰した「中国幻想」
米中新冷戦 第3部 識者インタビュー (21) 評論家 石平氏(下) 米国から「城下の盟」を強いられた習近平中国国家主席の政治的求心力が揺らぐ懸念はないのか。 米国はどちらでもいい。習氏が潰(つぶ)れたら、別の話の分か…
貿易戦争で追い込まれる習氏
米中新冷戦 第3部 識者インタビュー (20) 評論家 石平氏(上) 米国にこれまでの対中関与政策を放棄させた背景は何か。 習近平国家主席の独裁化だ。胡錦濤政権時代は、ある程度、国内の批判も容認した。しかし、習近平政権…
ポル・ポト政権崩壊40年 カンボジア、民主主義の危機
カンボジアは昨年、国連カンボジア暫定機構(UNTAC)による総選挙が行われてから25周年を迎えた。その四半世紀を経て、カンボジアの民主主義は危機を迎えている。(池永達夫) フン・セン首相、開発独裁へ総仕上げ シハモニ…
日本の課題、天安門後の失策の轍踏むな
米中新冷戦 第2部 中国・覇権への野望 (13) 共産主義国家の本質的悪は「嘘(うそ)と暴力」だ。 今の中国に共産主義はないという人は多いが、「嘘と暴力」による強弁・強権統治の手法はしっかり残っている。 新疆ウイグ…
経済減速リスク、求心力維持へ台湾侵攻も
米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国 (12) 新外交フォーラム理事長の野口東秀氏は、中国経済を「2019年は厳冬期で、雪の上に霜が降る状態だ」と語る。 米国との貿易摩擦で減速を余儀なくされている中国経済は現在、…
一帯一路の狙い、港湾とサイバー基地を確保
米中新冷戦 第1部「幻想」から覚めた米国 (11) 中国は海南島を「中国のハワイ」として宣伝し、内外から資本を呼び込んだ。これらの資本などを使って、高速鉄道や高速道路、港湾などインフラ整備を果たした。 確かに南部・三…
イノベーション力、独裁下で欠落する創造性
米中新冷戦 第2部 中国・覇権への野望 (10) 中国の「赤いシリコンバレー」と呼ばれる深圳市の技術開発力が大きな評価を得ている。確かに世界シェア7割を占めるドローン企業DJIや顔認証や音声認証ソフト、人工知能(AI)…
先端技術競争、世界の命運握る「量子」
米中新冷戦 第2部 中国・覇権への野望 (9) 昨年10月4日、ペンス米副大統領のハドソン研究所演説は鮮烈だった。 「中国は先端軍事計画など米国の技術を盗み、陸海空、宇宙における米国の軍事的優位を脅かす」と糾弾し、「…
対決の行方、本当の勝負は安全保障
米中新冷戦 第2部 中国・覇権への野望 (8) 「米中新冷戦」の背景や展望を米国側から探った第1部に続き、第2部では中国を軸足に論じていく。(編集委員・池永達夫) 米中新冷戦が長期戦となるか、短期戦となるか、識者によ…
マレーシア政府系ファンド流用問題
財務相「ゴールドマンは賠償を」 債権額超える8300億円要求 マレーシアのリム・グアンエン財務相は先月、米フィナンシャル・タイムズ紙に「われわれが(米投資銀行ゴールドマン・サックスに)求めている金額は75億ドル(約83…
明治維新150周年 利己的資本主義克服する契機に
岩国市議会議員 前野弘明氏に聞く 2018年は、明治元年(1868年)から満150年の年に当たる。各メディアはそれぞれ特集を組んだり、地方自治体ではゆかりの人物像を軸に式典やイベントをこなした。維新発祥の一つの地である…
なぜ東トルキスタン独立を目指すのか
在米ウイグル人牧場主 ヌリ・ティプ氏に聞く 新疆大学長の兄に死刑判決 中国新疆ウイグル自治区での強制収容所が人権問題として世界的な注目を集めている。中国政府は職業訓練所であり、語学学校と弁明するこの問題を、東トルキスタ…
中国の新植民地主義を警戒
マレーシア首相、都内で講演 ナジブ前政権の借金27兆円 5月の首相復帰後、3度目の来日を果たしたマレーシアのマハティール首相(93)は11月6日に、都内のホテルで開催されたビジネスフォーラムで自国の財政事情について言及…