オピニオン
成功しているか、中国のワクチン外交
山田寛の国際レーダー 昨年11月に中国のワクチン外交が始まってから半年、それは一応の戦略的効果を発揮している様だ。だが成功と呼ぶのはまだ早い。 3月下旬、王・中国外相は「中国はワクチンを80カ国に援助し、47カ国に輸…
中国ロケット 安全軽視の宇宙開発を許すな
中国が4月下旬に打ち上げた大型ロケット「長征5号B」の残骸が、制御不能状態のまま大気圏に再突入してインド洋に落下した。人的被害などは報告されていないが、陸地に落下すれば甚大な被害が生じる恐れがあった。安全を軽視した中国…
菅首相の「防衛力強化の決意」
元統幕議長 杉山 蕃 対艦攻撃能力の刷新必須 SSN対処、原潜装備の検討を 4月14日バイデン米大統領にとっては、最初の首脳会談となる菅首相との会談が行われた。実に結構なことと考えている。会食・ゴルフなしで、僅(わず)…
中国海上安全法 日本は尖閣の実効支配強化を
中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会が、海上交通の安全管理を担当する海事局の権限を強化する改正海上交通安全法を可決した。 中国が一方的に領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島周辺で海事局が活動するためのも…
プーチン露大統領の年次報告演説
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 欧米の制裁に皮肉で抵抗 対話の継続には意欲のぞかす やや旧聞に属するが、ロシアのプーチン大統領は4月21日、モスクワのクレムリン近くのマネージ中央展示ホールで、毎年恒例の連邦議会向け年…
国民投票法案可決 実質的な改憲論議に入れ
憲法改正の手続きに関する国民投票法改正案が衆院憲法審査会で可決された。11日に衆院を通過し、参院に送られる予定だ。改憲に向けようやく一歩前に動いた点は評価したい。一方で、改正案に誤解を生みかねない付則を明記するなど「成…
アジア系ヘイト急増する米国
アメリカン・エンタープライズ研究所客員研究員 加瀬 みき 見え隠れする妬み、怒り 日本は差別と闘う姿勢を示せ アジア人やアジア系アメリカ人と太平洋諸島民(AAPI)に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が急増している。新型…
習主席に毛沢東の呼称「舵手」、権力基盤強化の一環か
国内で権力固めを進める中国の習近平国家主席は、かつて毛沢東に使われ、最高権力者を意味する「舵手」という呼称を自らに付けさせていたことが、米情報当局者の証言で明らかになった。 国防情報局(DIA)のスコット・ベリエ長官…
緊急事態延長 総力挙げワクチン接種加速を
政府は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令中の緊急事態宣言を5月末まで延長し、愛知、福岡両県を12日から対象に加えることを決めた。変異株による新型コロナウイルスの拡大を極力抑え込み、切り札となるワクチン接種を総力を挙…
日米韓連携 韓国が反日改めなければ困難
茂木敏充外相は訪問先のロンドンでブリンケン米国務長官、鄭義溶・韓国外相と会談し、北朝鮮の完全な非核化に向け3カ国で緊密に連携していくことで一致した。ただ緊密な連携は、元徴用工や慰安婦をめぐる問題で韓国が反日姿勢を改め、…
オーウェルの小説「一九八四年」が現実化
《 記 者 の 視 点 》 リベラル派の「ポリコレ」が思考を統制 東京ディズニーランドと東京ディズニーシーが「レディース・アンド・ジェントルメン、ボーイズ・アンド・ガールズ」という園内の英語アナウンスをやめ、「ハロー・…
椿と万葉歌と奈良の春
1270年受け継がれた祈り 万葉の花研究家 片岡 寧豊さんに聞く 3月1日から14日にかけて、奈良東大寺の二月堂で1270回目の「修二会」が行われた。二月堂の本尊・十一面観世音菩薩(ぼさつ)に、僧侶たちが五体投地をしな…
日米関係 日本は同盟での役割拡大を
旧日米安全保障条約が締結されてから今年で70年。新安保条約締結からすでに60年以上が経過している。 覇権主義的な海洋進出を強める中国や核・ミサイル開発を進める北朝鮮の脅威が高まる中、日米安保体制の重要性は増している。…
「安心・子育てふるさと」目指して 長野県中野市長 湯本隆英氏
地方創生・少子化対策 首長は挑む 長野県中野市は、日本を代表する唱歌「故郷」を作詞した高野辰之の生誕の地。これにちなんで、「安心・子育て」「経済活性」「農業王国」「交流・人材」のふるさと実現を公約に掲げ、市長に当選した…
こどもの日 社会的弱者より親の愛の対象
きょうは「こどもの日」。少子化や児童虐待、貧困など子供をめぐるさまざまな課題に取り組むため、政府・自民党は「こども庁」の創設に向け準備を進めている。子供をめぐる課題を解決するには、家庭の価値の確認が不可欠だ。 止まらな…
国民国家の役割を考える
哲学者 小林 道憲 国境で不法移民・送金阻止 社会の混乱防ぐ免疫システム われわれが営んでいる国民国家は、19・20世紀の近代世界が生み出し、つくり上げてきたものである。国民国家は、国境によって区分された領土を持ち、そ…
米の対北政策、謀略知略に翻弄されるな
米国のサキ大統領報道官は、バイデン政権が進めていた対北朝鮮政策の見直し作業が完了したと明らかにした。目標を北朝鮮の完全非核化に置くことに変わりはなく、現実的アプローチで外交を通じた核問題解決を模索する方針だという。 …
『言志四録』に学ぶ老いの人生
メンタルヘルスカウンセラー 根本 和雄 佐藤一斎の養生の秘訣 ゆっくり、じっくり、しっかりと “春風を以(もっ)て人に接し、秋霜(しゅうそう)を以て自ら粛(つつし)む”(「言志後録」33)。これは、よく知られた江戸時代…
憲法記念日 自衛・緊急事態明記し改正を
74回目の憲法記念日を迎えた。新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)は収まらず、東京、大阪の大都市圏では昨年と同様に緊急事態宣言の中にある。一方、わが国周辺では中国の覇権主義的行動が一層強まるなど緊張が高まって…
人間の本性と情報化社会の限界性
名寄市立大学前教授 加藤 隆 「自分への価値」確信望む 無知の知を自覚し視点転換を トルストイに『人は何で生きるか』という作品がある。傲慢な金持ちが靴職人である主人公の店にやってきて、持参した皮を渡しながら上等の長靴を…
バイデン氏演説、具体的行動で中国抑えよ
バイデン米大統領は、就任から100日を迎えるのに合わせて、米連邦議会の上下両院合同本会議で就任後初の施政方針演説を行った。 100日の成果アピール 100年に一度のパンデミックに襲われ、大恐慌以来の経済危機にあるなど…
外交青書 強い危機感で対中政策進めよ
2021年版外交青書が茂木敏充外相によって閣議で報告された。東・南シナ海での中国による膨張政策に対して「安全保障上の強い懸念」と明記。強い危機感を背景に踏み込んだ表現となった。 海警法に「深刻な懸念」 沖縄県・尖閣諸…
石器に見る縄文の暮らし
縄文時代の「石器」研究 秋田県埋蔵文化財センター副主幹 吉川 耕太郎氏に聞く 縄文時代と言えば「土器」を連想しますが、秋田県埋蔵文化財センター副主幹の吉川耕太郎氏は「石器」の研究を続けています。「ほとんどの石器は何に使…