オピニオン
中国の海洋進出、衆院選の重要なテーマだ
衆院を解散した安倍晋三首相は、北朝鮮の核・ミサイル開発を挙げて「国難突破解散」と命名した。しかし、もう一つの安全保障上の重要課題である中国の海洋進出への対処も忘れてはならない。 ジブチに初の海外基地 日中両国は国交…
海の守護神・海上保安巡視船 「正義仁愛」精神で治安守る
海上保安大学校名誉教授 日當博喜氏に聞く 日本政府が尖閣諸島を国有化して今月で5年が経過した。反発した中国は尖閣周辺海域での公船航行を常態化させ、緊張した日中関係が続いている。とりわけ海洋大国へ大きく舵を切った中国が、…
衆院解散、真正面から政策論争を
28日召集の臨時国会冒頭で衆議院が解散され、投開票まで3週間余りの選挙戦に事実上、突入した。衆院選は2014年12月以来で、安倍政権継続の是非を問うことになる。 野党側は野党第1党の民進党が選挙戦から撤退し、新党「希…
家庭内の子供の人権を守れ
弁護士 秋山 昭八 児相の虐待受理件数急増 危機に瀕する児童福祉施設 2000年5月、児童虐待防止法が与野党一致の議員立法として成立した。児童虐待の定義を明確に定め、虐待の禁止を法定して、国および地方公共団体に児童虐待…
中国、北にミサイル移動車両を売却
中国軍は、ミサイル移動用トラックを提供するなど、北朝鮮のミサイル開発を支援している。4月に平壌で行われた軍事パレードで公開された潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)北極星1号(KN11)を搭載していたトラックは中国製だっ…
「希望の党」結党、選挙の駆け込み寺とするな
新党「希望の党」が結党され、東京都の小池百合子知事が代表に就いた。安倍政権批判の受け皿となる新たな保守政党をつくり、本格的な二大政党制の実現を目指す方向性は評価する。 ただ、政権選択となる衆院選の直前に国会議員でない…
児童虐待、心の傷へのケアは十分か
児童虐待が深刻化の一途を辿っている。被害の広がりと、その深さの両面でだ。本来、愛情を持って育ててくれるはずの親から、暴力を振るわれた子供の将来を思うと、暗澹(あんたん)となる。 将来に対する関心の低さ 虐待が世代間で…
米国統治時代の再評価を
偏狭な「地方主義」に陥る知事 ジャーナリスト 惠 隆之介氏に聞く 北朝鮮の核・ミサイルの脅威が地域の安全保障を脅かしている。こうした中、在沖米軍の撤退や沖縄の独立を支持する翁長雄志知事の言動が保守派の間で問題視されてい…
新たなIS生む混迷長期化
東京国際大学名誉教授 渥美 堅持 なお硝煙消えぬシリア 若者がイスラーム再認識も 今から約6年半前の2010年12月、チュニジアで起きた若いイスラーム教徒の焼死事件がきっかけとなって、後に“アラブの春”と言われる騒乱が…
衆院解散表明、「国難突破」への政策競え
安倍晋三首相は臨時国会冒頭で衆院解散に踏み切る意向を表明した。その理由として首相は消費税の使途の変更と北朝鮮情勢への対応を挙げ、「国難突破解散」だと命名した。各党は、この問題について政策を競うとともに、独自の国策を提示…
9条加憲より2項削除を
哲学者 小林 道憲 空文化した「平和憲法」 信頼できる「公正と信義」なし 「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの…
民進党公約、安保法制の「白紙化」は愚論だ
わが国は戦後70余年、外国からの武力攻撃の危険にさらされたことがない。それが今、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に直面しており、国民の生命と財産をどう守るのか、安全保障の在り方が厳しく問われている。 ところが、野党第1党の…
進まぬ英のEU離脱交渉
日本大学名誉教授 小林 宏晨 現実感覚喪失した英国 「協定無し」の危険性高まる 欧州連合(EU)離脱交渉に際して、英国がいまだに現実感覚を喪失しているのではないかと考えられ、EU側にフラストレーションが高まっている。離…
露軍事演習、欧州側の強い懸念は当然だ
ロシアとベラルーシの両国軍は、ロシア北西部、ベラルーシ領およびバルト海に面したロシアの飛び地カリーニングラードで大規模な合同軍事演習「ザーパド(西方)2017」を実施した。 この演習は4年に1回行われるもので、14年…
「一帯一路」構想、経済的世界支配目指す中国
中国の習近平国家主席が提唱したアジア太平洋経済開発構想「一帯一路」に米国の国防総省、情報機関が強い関心を示している。 国防当局者が記者(ビル・ガーツ)に語ったところによると、計画を詳細に調査した結果、中国は経済的手段…
北朝鮮「完全破壊」の衝撃
9月19日、トランプ大統領は就任後初の国連総会の演説で北朝鮮を厳しく批判した。特に、金正恩がマレーシアのクアラルンプール空港で兄をVXガスで殺害したことと共に、横田めぐみさんの拉致事件にも言及。13歳の日本人少女を拉致…
日米韓首脳会談、緊密な連携で対北包囲網築け
安倍晋三首相とトランプ米大統領、韓国の文在寅大統領が会談した。核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮に対して格段に強い圧力を掛け、国連安全保障理事会で採択された制裁決議の完全履行を中国などに促していくことを申し合わせた。北…
「一帯一路」の帯と路 無限の航路に“中国一路”
広大無辺に「帯」は無い たしか2013年になってからだったように思うが、中国の内陸アジア研究会の人たちから、新疆で会議をやるのでぜひ出てきてほしいという誘いをたびたび受けた。内陸アジアといえば、中国新疆を中心とした俗に…
無宗教化社会でいいのか
簡略化する葬式、お坊さんは発信を 浄土真宗本願寺派称讃寺住職 瑞田信弘氏に聞く 家族葬など葬式の小規模化、簡略化が進み、社会全体の無宗教が進んでいるのが最近の風潮。ネット社会で宗教儀式である葬式もビジネス化し、江戸時代…
首相国連演説、北朝鮮非核化に結束の執念を
安倍晋三首相が国連総会一般討論演説を行い、持ち時間の5分の4を北朝鮮問題に費やして核兵器・ミサイル開発計画を放棄させるため圧力を強め、結束を固めるように訴えた。 北朝鮮は核兵器開発に自信を示し、日本列島を核兵器で沈め…
自主憲法の制定を急げ
軍事評論家 竹田 五郎 自衛隊の「基礎体力」減衰 祖国防衛の任務も明示を 米誌「ニューズウィーク」日本版8月15、22日夏季合併号は、「日本の未来予想図」と題し、「今から約100年前、1920年(大正9年)の日本の人口…
年金支給漏れ、徹底調査でうみを出し切れ
日本の年金制度は本当に信頼に足るものなのか。こうした懸念を抱かざるを得ない事態が生じた。 元公務員らが対象の共済年金を受給中の配偶者ら約10万6000人に「振替加算」と呼ばれる加算額の支給漏れがあった。未払い総額は約…
「人道上戦後最悪の危機」
飢餓地帯支援も忘れまい 北の独裁者の空(むな)しい高笑いを乗せたミサイルが、日本上空を乱れ飛ぶ。防衛体制を最大限強化しながら、だが地球の向こうで死にかけている生命も防衛したい。 「2000万人以上が飢餓に直面している…