中国、北にミサイル移動車両を売却
中国軍は、ミサイル移動用トラックを提供するなど、北朝鮮のミサイル開発を支援している。4月に平壌で行われた軍事パレードで公開された潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)北極星1号(KN11)を搭載していたトラックは中国製だった。国連安保理の専門家委員会の報告から明らかになった。
それによると「トラックの燃料タンクにはシノトラックのロゴが入り、2015年10月10日の軍事パレードに参加したシノトラック製12輪トラックに特徴が似ている」という。
中国によるミサイル技術の北朝鮮への移転を同専門委が確認したのはこれが2例目。
同委は13年6月に、中国が11年に6両から8両の移動式発射台(TEL)を売却したことを明らかにしている。中国の主要ミサイルメーカー、中国航天科工集団(CASIC)に属する三江特殊車両製のこの発射台は現在、北朝鮮初の移動式大陸間弾道ミサイル(ICBM)KN08に使用されている。
中国は、KN08の発射台は、木材輸送用に売却されたものだと主張している。しかし、専門家らによると、この16輪の発射台は、木材を運び出す林道には幅が広過ぎるという。
国連は4月、16年に日本海に着水した北朝鮮のミサイルの残骸から中国製の電子部品が見つかったことを明らかにしている。
共和党のロバート・ピッティンガー下院議員はこの報告を受けて、北朝鮮に関して中国は信頼できるパートナーではないと指摘、「中国に、あらゆる必要な手段を通じて圧力をかけ続け、北朝鮮、人権、違法な海洋活動など安全保障上の懸念に関わる活動を正させなければならない」と訴えた。
国際評価戦略センターのリチャード・フィッシャー上級研究員は、中国の支援によって北朝鮮の米国への脅威は高まっていると指摘、「これは、フルシチョフがフィデル・カストロのキューバに核ミサイルを運び込んだ時と変わらないほどの暴挙だ。ところが、これについてオバマ大統領は一度も公式に言及することはなかった。今のところトランプ大統領も同様だ」と米政府の対応を非難した。
さらに4月のパレードでは、未確認の新型中距離ミサイルを載せたシノトラックA7トレーラーとみられる車両が参加、移動式の300㍉精密誘導ロケット砲もKN11と同じシノトラック製のトラックに乗せられていたことが確認されたという。







