社説
拉致問題週間、検討すべき対北制裁の復活
きょうから北朝鮮人権侵害問題啓発週間に入った。北朝鮮が工作員を秘密裏に日本に送り込んで日本人を拉致したことは、あからさまな主権侵害であり、国民を生け捕りにして連れ去った非道な人権侵害だ。 政府が認定した拉致被害者17…
調査捕鯨、商業再開視野に目的達成を
南極海での調査捕鯨の再開へ向けた船団が下関港から出航した。オーストラリアなど反捕鯨国の提訴を受けた昨年3月の国際司法裁判所(ICJ)の中止命令を踏まえ、昨年度の調査は目視のみにとどめていたため、約2年ぶりの再開となる。…
露年次教書、ISとの戦いで足並み乱すな
ロシアのプーチン大統領は、恒例の議会向け連邦年次教書演説を行った。 演説の約4分の1が過激派組織「イスラム国(IS)」に対する掃討作戦および領空侵犯を理由とするロシア軍機撃墜で一気に悪化した対トルコ関係に費やされた。…
陸自情報漏洩 スパイ防止法が不可欠だ
陸上自衛隊の元陸将が在日ロシア大使館付元武官に内部資料の戦術教本を漏洩(ろうえい)した。元武官はロシア軍の情報機関GRU所属とみられ、スパイ活動と断じてよい。 折しも、特定秘密保護法が施行されて丸1年を迎えるが、同法…
人民元の国際化、世界が納得する改革進めよ
国際通貨基金(IMF)が、通貨危機などに備えた準備資産「特別引き出し権(SDR)」の構成通貨に中国の人民元を加えることを決めた。故毛沢東主席の肖像が印刷された人民元は、ドルやユーロ、円、英ポンドと並ぶ「国際通貨」のお墨…
化血研不正、ごまかし防止を徹底せよ
血液製剤やワクチンの国内有力メーカー「化学及血清療法研究所」(化血研、熊本市)が長年、国の承認を得たのとは異なる方法で血液製剤を製造し、組織ぐるみの隠蔽(いんぺい)工作を繰り返していたことが第三者委員会の調査で明らかに…
辺野古訴訟、「公益」判断示し早期決着を
米軍普天間飛行場の辺野古移設に関して、国が沖縄県による埋め立て承認取り消し処分の撤回を求めた「代執行訴訟」の第1回口頭弁論が福岡高裁那覇支部で行われた。翁長雄志知事の承認取り消しが違法か適法かが最大の焦点だが、知事から…
米中首脳会談、中国を増長させる発言避けよ
同時多発テロ後の厳戒下にあるパリで、2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組みを決める国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が始まった。 初日の首脳級会合には、安倍晋三首相やオバマ米大統領、中国の習…
五輪基本方針、テロ防止へ万全の備えを
政府が2020年東京五輪・パラリンピックの基本方針を決定した。過去最多の16個を上回る金メダル獲得を目標に掲げ、テロやサイバー攻撃への対応など安全確保対策の強化も打ち出した。特に、パリ同時テロに見られるようにテロの脅威…
北朝鮮の軍拡いつまで許すのか
北朝鮮が潜水艦発射型の弾道ミサイル(SLBM)を日本海で発射した。確認されているものでは今年5月に続き2回目で、発射は失敗に終わったもようだが、国連安保理決議に対する重大な違反行為であり、こうした危険な武力増強は決して…
COP21、実効性ある新枠組み作れ
2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組みを決める国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)がきょうから、同時テロ以降厳戒態勢が続くパリで開催される。温室ガスの2大排出国、中国と米国はもちろん、先進国途上…
露軍機撃墜、IS掃討作戦に齟齬を来すな
トルコ軍機が領空を侵犯したとしてロシア軍機を撃墜したことで、双方が非難の応酬を繰り広げている。 パリ同時多発テロ後、過激派組織「イスラム国(IS)」掃討を目指す国際包囲網構築の兆しが見えてきたが、この件でほころびつつ…
衆院選違憲状態、選挙制度改革は改憲を念頭に
「1票の格差」が最大2・13倍だった昨年12月の衆院選について、最高裁は「違憲状態」と判断し、国会に選挙制度の速やかな抜本改革を求めた。これで衆院選の違憲状態判決は3回連続となる。 最高裁判決は3回連続 裁判では、…
H2Aロケット、打ち上げビジネスの扉開く
カナダの商業衛星を搭載したH2Aロケット29号機で打ち上げの4時間後、衛星を無事目標の軌道に投入した。国産ロケットによる商業衛星の打ち上げは初めてである。 29号機は衛星の静止軌道への移動負担を軽減する第2段ロケット…
野党結集論議、最悪の国難に対処する政策を
来年参院選を前に野党間で自民・公明の与党に対抗するための構想が民主、共産、維新の各党内でさまざまに浮上している。野党がばらばらでは勝てないとの認識によるものだが、政権奪取を展望する以上、最悪の国難に対処し得る政策を練り…
杭打ち不正、「安全第一」貫ける建設業界に
旭化成建材が行った杭打ち工事の不正問題で、過去約10年間に手掛けた3052件を調査した結果、360件で工事データの流用など不正が判明した。不正に関与した現場担当者は61人に上った。 住民の安心と信頼を大きく揺るがす事…
積極的平和主義で国際貢献を
安倍晋三首相は一連の国際会議に臨み、多くの首脳会談でも意見交換を行った。今後も積極的平和主義に基づく国際貢献への決意を示すとともに、日本の立場に理解を求めていかねばならない。 人工島に「深刻な懸念」 トルコで開かれた…
大阪維新勝利、対立超え「新たな設計図」を
任期満了に伴う大阪府知事と大阪市長のダブル選は「大阪維新の会」の候補がいずれも制した。これで5月の住民投票で頓挫した「大阪都構想」が息を吹き返す。 しかし、これをもって全面的に信任を得たと考えるのは早計だ。低投票率は…
辺野古移設、日本全体の安全保障に必要
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐる安倍政権と沖縄県の翁長県政の対立は法廷に持ち込まれた。 政府は辺野古沿岸部埋め立て承認を翁長雄志知事が取り消し処分としたのは違法だとして、県に代わって…
露ドーピング問題、ウミを徹底的に洗い出せ
世界のスポーツ界を大きく揺るがせたロシア陸上界の組織的ドーピング問題は、国際陸上競技連盟(IAAF)がロシア陸上競技連盟(ARAF)に暫定的資格停止処分を下すという事態を招いた。 国家機関ぐるみと言われる旧ソ連時代か…
国連総長訪朝、核・人権解決の覚悟問われる
潘基文国連事務総長が北朝鮮を訪問する可能性が取り沙汰されている。実現すれば最高指導者の金正恩第1書記との会談が予想されるが、国際社会は核開発や人権侵害などの諸懸案でどこまで突っ込んだ話し合いをするのか注目している。 …
日米首脳会談、対中抑止で一層の連携強化を
安倍晋三首相とオバマ米大統領はきょう、フィリピンのマニラで日米首脳会談を行う。4月に安倍首相が訪米し、ワシントンで行われて以来7カ月ぶり。日本としては、9月に成立した安全保障関連法が果たす役割についても改めて強調し、日…
連続マイナス成長、「好循環」再生に大型補正を
2015年7~9月期の国内総生産(GDP)は、本紙でも度々(たびたび)懸念していた通り、実質で前期比0・2%減、年率換算では0・8%減で、2期連続のマイナス成長になった。 勢いのない内需に加え、海外経済の不振も重なり…