社説
仏教師殺害 社会の分断の深まりを懸念
パリ近郊の中学校付近で同校勤務の男性教師が殺害された事件は、教師が授業でイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を使ったことが犯行の動機だったとされている。 授業でムハンマド風刺画 教師は、ロシアのチェチェン人とみられ…
大学生の大麻乱用 正しい知識で「興味本位」防げ
大学の運動部員による大麻乱用が相次いで発覚した。「興味本位」から軽はずみに手を染める若者が多くなっている昨今の風潮を象徴する不祥事だ。 学生に対する乱用防止教育が不十分な一方、ネットに溢(あふ)れる誤った情報の影響で…
iPS視細胞移植 光取り戻す治療の第一歩
神戸市立アイセンター病院は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)で網膜シートを作製し、目の難病「網膜色素変性」の患者に移植する世界初の手術を実施した。患者が光を取り戻すための治療法確立への第一歩だ。 60代女性の難病患者に …
日本学術会議 非政府組織化含め徹底検証を
自民党は、内閣府の特別の機関である日本学術会議の在り方を検証する「政策決定におけるアカデミアの役割に関する検討プロジェクトチーム(PT)」の役員会を初めて開いた。学術会議の改革は以前からの宿題であり、今回、会員候補6人…
尖閣領海侵入最長、日本は対中包囲網構築主導を
沖縄県・尖閣諸島沖の領海で中国海警船2隻が、2012年9月の国有化以降最長の57時間39分にわたってとどまった。政府は尖閣を守り抜くために実効支配の強化を急ぐとともに、国際社会において対中包囲網の構築を主導すべきだ。 …
深圳特区式典 民主主義国欺いた中国の40年
中国広東省深圳市で行われた深圳経済特区40年式典で演説した習近平国家主席が、中国と香港の「融合発展」を強調した。 香港国家安全維持法(国安法)の制定に加え、経済支配を強めることで香港の中国本土化を進めるとみられる。南…
極超音速弾 日米は地域の安定へ開発急げ
ロシアは極超音速(ハイパーソニック)ミサイル「ツィルコン」の発射実験を初めて行って成功した。 極超音速とはマッハ5、つまり音速の5倍以上の速度のことで、既存の迎撃ミサイルでは撃ち落とすことが困難だ。日本や同盟国の米国…
北の新型ICBM、最大級の警戒が必要だ
北朝鮮は朝鮮労働党創建75年に合わせ、首都・平壌で大規模な軍事パレードを行い、これまでに把握されていなかった超大型の移動式大陸間弾道ミサイル(ICBM)など新型兵器を登場させた。核・ミサイル開発の手を緩めない金正恩体制…
ベルリン慰安婦像 日本との合意を蔑ろにするな
ドイツの韓国系市民団体「韓国協会」が首都ベルリン市内の公有地に、いわゆる従軍慰安婦問題を象徴する像を設置したことに対し、地元当局が設置許可を取り消して撤去を求めたと発表した。海外の公共の場での像設置は2015年の日韓慰…
北方領土 あくまでも4島返還を目指せ
菅義偉首相は、就任後初のプーチン露大統領との電話会談で「北方領土問題を次の世代に先送りせず、終止符を打ちたい」と決意を表明した。 ロシアは北方領土に関する歴史認識や主権をめぐって強硬姿勢を示している。菅首相は4島返還…
核廃棄物処分場 理解広げる情報発信強化を
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分地選定をめぐって、北海道寿都町の片岡春雄町長が第1段階の「文献調査」に応募する考えを正式表明した。 ただ風評被害に対する地元住民の懸念は根強く、賛否は割れている。地元はもちろん…
わいせつ教員 免許の再取得を禁止せよ
児童生徒へのわいせつ行為で処分される教員が増えている。卑劣な犯罪は決して容認できない。処分を受けて免許を失効した教員は、免許を再取得できないようにすべきだ。 保護者団体が陳情書提出 わいせつ行為やセクハラを理由に2…
日米豪印外相会談 地域の安定と発展につなげよ
各外相は「自由で開かれたインド太平洋」構想の実現に向け、自由貿易や法の支配などの価値観を共有する諸国との幅広い連携を目指す方針で一致。この会合を年1回のペースで継続することでも合意した。日米豪印の関係強化を地域の安定と…
日本学術会議 任命拒否に問題はない
菅義偉首相が、日本学術会議が新会員として推薦した105人のうち6人を任命しなかったことへの批判が高まっている。 だが任命権者は首相であり、批判は当たらない。むしろ、政治問題化することに強い違和感を覚える。 安保関連…
経済安保 中国念頭に体制強化を急げ
中国が軍事・経済両面で影響力を強める中、伝統的安全保障の枠を超え、経済的影響を考慮した「経済安全保障」 の体制強化が急務となっている。 自民が法制定求める 中国の人民解放軍は世界中の通信ネットワークを通じて、攻撃的な…
自殺対策 安全網の強化、拡充に注力を
新型コロナウイルス禍で社会生活が変化する中、国内の自殺者が増加傾向に転じたことや、中でも女性の自殺増加が顕著なことが懸念されている。 7月から増加に転じる 日本の年間自殺者数は約3万4000人を数えた平成15(200…
9月日銀短観 悪化歯止めも回復に鈍さ
新型コロナウイルス禍による景況感の悪化に歯止めはかかったが、回復のペースは鈍く、ばらつきが目立つ――9月の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)が示す企業の現状である。 経済活動再開で最悪の状況は脱したが、感染拡大の収…
東証売買停止 取引所への信頼損なうな
東京証券取引所がシステム障害の発生で全銘柄の売買を終日停止した。大きな混乱を招いた責任は重い。原因究明と再発防止を徹底すべきだ。 システム障害が発生 東証によると、富士通が開発した株式売買システム「アローヘッド」を運…
尖閣諸島 日米共同訓練の定期的実施を
沖縄県・尖閣諸島周辺では中国公船の領海侵入が常態化している。 尖閣は日本固有の領土であり、菅義偉政権は尖閣を守り抜くための政策を強化すべきだ。 自民国防議連が提言 尖閣周辺の領海では、中国公船が日本漁船を追尾した…
菅外交始動 日米同盟軸に国際協調模索を
菅義偉首相の外交が始動した。トランプ米大統領やオーストラリアのモリソン首相、中国の習近平国家主席ら10人近い海外首脳と電話会談を行い、国連総会でビデオ演説を行った。 安倍外交を継承する立場で手堅く外交デビューを果たし…
原発処理水 早急に処分方法の決定を
菅義偉首相は就任後初めて東日本大震災の被災地である福島県を訪問し、東京電力福島第1原発の構内で保管中の処理水の処分方法について「政府の責任で方針を決めたい」と述べた。 政府の小委員会は2月、処分方法に関して、薄めて海…
反体制派暗殺未遂 ロシアは真相を明らかにせよ
ロシアのプーチン大統領の最大の政敵とも呼ばれる反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が旧ソ連の軍用神経剤「ノビチョク」系の毒物を盛られたとみられる暗殺未遂事件について、ロシアは「自作自演だ」として捜査を進める姿勢を見せ…
電子決済不正 顧客第一で安全性向上を
銀行口座と連携した電子決済サービスで、不正出金の拡大が続いている。 被害があった銀行や決済業者には、対応の遅れが目立つ。顧客第一で対処すべきだ。 第三者が預金引き出し NTTドコモでは「ドコモ口座」を使って預金が不…