茅原 郁生
中国の国防白書の取り扱い方
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 「必ず台湾を統一」と強調 強権政治のプロパガンダ手段 中国は本年7月に4年ぶりに「国防白書」を発行した。その事実は既にメディアで伝えられているが、国営通信社・新華社による解説記事(月刊「中…
外患・内憂の中国・習政権
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 米中角逐長期化の裏側 党高級幹部の不祥事も相次ぐ 先に大阪で開催された20カ国・地域(G20)サミットで来日した米中両首脳は、会談で米中貿易摩擦解消に向けて閣僚級会談の継続を決めるなど関係…
友好進展の陰で進む中国の戦略
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 尖閣での軍事威圧強化 軍の指揮下に入った海警局 このところ日中関係は穏やかに進展している。20カ国・地域(G20)サミットで来日した習近平主席との日中首脳会談も友好的に開催され、来春には国…
安保問題に進んだ米中角逐
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 内政課題に縛られる中国 求心力強化狙い台湾侵攻も 米中間の角逐激化は止どまるところを知らず、収束の目途は立っていない。米中角逐は貿易摩擦から端を発したが、米国の貿易赤字解消を越えて安全保障…
濃霧の中の中国「一帯一路」
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 戦略目的はなお不明確 抑制的な姿勢見せた習演説 米中角逐が貿易問題から安全保障や次世代技術の国際規格争いに拡大する中で、去る4月26日に「一帯一路」戦略第2回国際フォーラムが北京で閉幕した…
米中角逐の収拾と拡大
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 貿易では姿勢軟化の中国 欧州を懐柔し米との離間謀る 昨年から緊張を高めてきた米中貿易摩擦は、経済面のマイナス効果が米中両国のみならず世界経済にまで悪影響が及び、懸念が増している。習近平中国…
国防費の増額続ける中国
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 覇権志向の習軍事改革 南シナ海・台湾情勢も背景に 第13期全国人民代表大会第2回会議(全人代、国会に相当)は、経済成長率の低迷や米中貿易戦争という内憂外患の中で開催され、15日に対米融和姿…
中国が選ぶ18年十大ニュース
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 習主席の権威付け前面に 成長鈍化や格差拡大に触れず 2018年は習近平2期政権の初年であったが厳しい年であった。前年秋の19回共産党大会(19大)で中国は21世紀中葉に向けて「世界最大の国…
米中争覇、宇宙にまで発展
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 中国がGPS拡大戦略 性能向上させ全世界普及急ぐ 年初に中国が月の裏側に衛星を軟着陸に成功させたニュースが報道され、今後、宇宙開発をめぐる米中角逐の激化を予測させた。周知のように米中間では…
軍事外交を積極展開する中国
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 合同演習と国際会議参加 軍要人や艦艇の相互訪問も 先のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では、ペンス米副大統領と習近平中国国家主席の激しい応酬で、ついに共同宣言が発出できないまま…
台湾の戦略的価値の再考を
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 強化すべき南西諸島防衛 日米同盟強め極東の平和守れ 双十節(辛亥革命で清朝を倒した記念日)の行事で蔡英文台湾総統は、中国の圧力に対して決して譲歩はしないと強調するとともに「責任ある大国」の…
海洋覇権に意欲燃やす中国
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 遠洋海軍力保持と過信 周辺国海軍は海警が対応か 8月16日、米国防総省は議会宛ての年次リポート「中国の軍事力」(米国防報告)を公表した。そこでは中国軍事力の強化に警戒感が示され、特に海洋面…
戦没者慰霊に携わる若者たち
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 バシー海峡望む寺で鎮魂 台湾人救った警部の墓参も 本年も8月15日には恒例の全国戦没者追悼式が開催される。周知のように全国戦没者追悼式は、過ぐる第2次世界大戦で戦死した旧日本軍軍人・軍属約…
「平和憲法」信仰の呪縛解け
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 改憲繰り返す世界各国 内外情勢に応じる柔軟性必要 今国会では、憲法改定に資する国民投票法の改正見送りが伝えられている。野党の反対で審議が遅れ、憲法改正がさらに遠のくことを憂慮している。 …
米朝会談にほくそ笑む中国
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 米軍との直接対峙回避 問われる核管理の重い責任 世界注視の中で、去る12日にシンガポールで米朝首脳会談は実現した。そこでは最終的な北朝鮮の核廃絶と米国による体制保証がトランプ大統領と金正恩…
日中佐官級交流の再開を祝す
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 相互理解と信頼醸成へ 将来担う軍事プロ同士が対話 中国人民解放軍佐官級訪日交流事業の一環として4月17日の歓迎レセプションに招待され、久々に懐かしい旧知の方々との交流ができた。同時にこのと…
厳しさ増す日本の安保環境
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 政権基盤を固めた中露 核問題で米朝妥協の悪夢も 先の平昌冬季オリンピック後、北朝鮮をめぐるアジア情勢は急速に動いている。オリンピックを契機に南北首脳会談の実現に向けて動き出した。また文在寅…
増額続ける中国の国防予算
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 危機感と対抗心強める米 米中核軍拡競争を招く恐れ 中国では、第13期全国人民代表大会(全人代)の第1回会議が5日に北京で開幕し、李克強首相による政府活動報告では国家運営に当たり改革と成長の…
一強体制を強化する習近平氏
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 武警を中央軍委管轄下に 軍隊化で国内外に新たな問題 中国では、昨秋の共産党第19回大会(19大)で習近平総書記に権力を集中する一強体制が確立した。それから5カ月が経(た)とうとしているが、…
「習一強体制」確立へ成果誇示
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 盤石でない政権基盤反映 中国新華社17年10大ニュース 2017年はトランプ米大統領の予測困難な言動や北朝鮮の核ミサイル実験に振り回された年であった。中国自身も第19回共産党大会(19大)…
北朝鮮対処で重要性増す韓国
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 米中間で股裂き状態に 腰据え毅然とした対応を期待 文在寅韓国大統領が13日に初訪中し、習近平中国国家主席との首脳会談が行われると報じられている。中国はこのところ韓国への団体旅行を9カ月ぶり…
習近平一強体制の光と影
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 強国追求で他国犠牲に 過度の礼賛、個人崇拝の懸念 中国では、5年に1度の最大政治イベント・共産党第19回大会(19大)が10月18~25日の間に開催され、習近平2期指導部が発足した。19大…
解放軍掌握急いだ習主席
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 将軍の汚職摘発、若手抜擢 習人脈優遇で士気に影響も 習近平主席への権力集中と礼賛が進む中で、18日からの中国共産党第19回党大会で2期目習近平政権が発足する。しかしこれまでの習政権のメディ…