茅原 郁生
中国「海のシルクロード戦略」、海洋権益拡大へ本腰
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 拠点形成と通信網構築急ぐ 中国の「一帯一路戦略」については本欄(6・19付)で既に紹介したが、具体的な事業についてはなお不透明な点が多い。陸上でのシルクロード経済ベルト構想については中国周…
建軍90周年迎えた中国解放軍
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 習主席が軍権ほぼ掌握 事色を排した「戦場閲兵」 中国人民解放軍(解放軍)の創建は、1927年に朱徳将軍などが南昌(江西省)で蜂起した8月1日を起点としている。 本年、解放軍は創建90周年…
「BRあづま2017」を研修して
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 「公助」に備え真摯な準備 災害時の「最後の砦」自衛隊 梅雨明け前の北九州での豪雨など日本はその地勢から自然災害の多発地帯である。実際、地震から火山爆発、風水害などに毎年のように見舞われてい…
動き出した「一帯一路」戦略
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 中国国益優先に疑念も 大経済圏、対応迫られる日本 去る5月14日に北京で「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが開催された。同フォーラムは29カ国の首脳と130カ国からの代表団1500人が…
北の核抑止に動き出した中国
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 国内外安定へ米と取引 自国の安保上の危機意識も 金正恩時代を迎えて北朝鮮は核・ミサイル開発を急ぎ、特に4月以降は重要な記念日ごとにミサイル発射など情勢を緊迫化させている。このような事態に中…
中国の思惑外れた米中会談
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 米シリア攻撃で影薄く 「対北」「貿易」で課題背負う 習近平中国国家主席が公式訪米した米中首脳会談は、4月6、7日にわたって米フロリダ州のトランプ米大統領の別荘で行われたが、実り少ない結果に…
始まった米中両国の角逐
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 中国が硬軟交えて反撃 空母艦隊誇示、保護貿易を牽制 第45代米大統領にD・トランプ氏が就任後、矢継ぎ早に多くの大統領令が発出されるなどトランプ旋風が吹き荒れているが、本年の国際情勢も激動が…
激動の16年、中国はどう見た?
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 米新政権誕生を最重要視 新華社10大ニュースから分析 2016年は激動の年であり、実際、米大統領にD・トランプ氏当選を筆頭に、年初から台湾での蔡英文(民進党)総統選出、北朝鮮の2回におよぶ…
内憂外患の中国指導部
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 トランプ氏、強硬姿勢へ 経済低迷・格差拡大で党不信 12月2日に、米次期大統領トランプ氏が台湾総統の蔡英文氏と電話会談をしたとのニュースが駆け巡った。米国が中国と国交樹立し、台湾と断交後6…
看過できぬ中国の宇宙開発
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 狙いは宇宙の戦力化に 戦略的領域を多面的に拡大 急台頭する中国は海洋進出を拡大し、南シナ海や東シナ海で関係国との間に緊張や摩擦を巻き起こしている。特に南シナ海ではハーグの仲裁裁判所の裁定に…
楽観できない習近平軍事改革
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 見えてきた党軍間の軋轢 習氏「依然、非常に困難」と吐露 習近平政権になって34回目になる党中央政治局の集団学習が去る7月28日に開催された事実とその様子を伝える新華社電が『月刊・中国情勢』…
北核実験で習主席正念場に
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 G20会議の成功台無し 問われる制裁手抜きの責任 9日に北朝鮮は本年初に次ぐ第5回目の核実験を強行して世界に衝撃を与えた。核実験は、10キロトンと過去最大規模で「核弾頭」爆発実験の成功が初…
海洋秩序乱す中国への対応
近年の中国による海洋での「力による現状変更」を図る行動は南シナ海に緊張をもたらし、ハーグの仲裁裁判所の裁定をめぐっては中国と国際社会との確執が続いている。中国は、仲裁裁定は「紙くず」とし、直後に「南シナ海白書」を出して…
自衛隊と地方の防災演習
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 進むプッシュ型支援 信頼で結ばれた協力と連携 6月から「平成28年度自衛隊統合防災演習(28JXR)」が実施されている。防衛省オピニオンリーダーに委嘱されている筆者は、28JXRの一環とし…
再浮上する南シナ海問題
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 中国の埋め立て阻止を 「9段線」の根拠を追及せよ 先の伊勢志摩サミットは世界経済への対応が中心テーマだったが、もう一つの主要テーマは海洋をめぐる対中懸念への対応だった。中国の海洋進出で緊張…
習氏批判のネット事件続発
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 権力集中でも内憂外患 個人崇拝的敬称などを禁制 中国では来年秋の党大会を控えて政治的安定を揺るがしかねない事態が発生した。去る3月に中国のネットメディアに習近平主席に辞任を求める公開書簡が…
台湾・蔡次期政権の課題
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 中国が緊張高める恐れ 「現状維持」でリスク回避を 台湾では5月20日から8年ぶりに民進党・蔡英文政権が発足する。周知のように本年1月の総統選挙・立法院選挙結果の意義は、台湾住民の主体性意識…
中国国防予算“抑制”の行方
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 軍事と経済にジレンマ 習近平氏の軍権掌握度が鍵 中国では、第13期全国人民代表大会(全人代)が北京で5日に開幕され、李克強首相による政府活動報告や2016年度の国家予算などの採決の外に第1…
山を越えた中国軍事改革
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 陸軍の牙城に習氏メス 司令部機構再編で5戦区に 中国の大規模な軍事改革は、昨年11月の中央軍事委員会(軍委)改革工作会議で決められたが、軍部の既得権に切り込む改革の実効性が注目されてきた。…
習中国主席の軍事改革動向
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 党優位で戦える軍隊に 「党の柱石」陸軍を格下げ 北朝鮮の核実験が注目を集めているが、着々と進められる中国の軍事改革からも目を離してはなるまい。そこで、昨年末の三つの新編組織と垣間見えてきた…
習近平中国主席の軍事改革
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 抜本的に踏み込めるか 脅威に即応して戦う態勢に 中国共産党の中央軍事委員会改革工作会議で、習近平主席主導の大規模な軍事改革が11月27日に公表された。軍事改革については、「軍の最高指揮権を…
米海軍の南シナ海自由航行
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 紛争化は抑制する米中 仲裁の役割果たし得る日本 去る10月27日に第7艦隊所属のイージス艦・ラッセンが南シナ海のスービ(渚碧)礁・人工島から12カイリ以内をデモ航行した。中国は強く反発し、…
南シナ海で強硬になる中国
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 経済批判増加に危機感 冒険主義誘う米中首脳会談 中国の習近平主席は、9月3日の軍事パレードでの武威を背景に同月下旬に国賓として訪米し、オバマ大統領と会談をした。かねて米中対等を求める「新型…