上昇気流
「葉の紺に染りて薄し茄子の花」(高浜虚子)…
「葉の紺に染りて薄し茄子の花」(高浜虚子)。梅雨の時期はアジサイのほかにも花が咲く。とはいっても、食用にする野菜の花である。 俳句の歳時記をひもとくと「人参の花」「茄子の花」「馬鈴薯(じゃがいも)の花」などの項目があ…
66年前のきょうの早暁、38度線を越えて10万の…
66年前のきょうの早暁、38度線を越えて10万の北朝鮮軍が韓国側になだれ込んだ。韓国動乱の勃発である。農繁期ということもあり部隊の大部分が警戒態勢を解いていた韓国軍は、北朝鮮軍の奇襲攻撃で大混乱に陥って敗走を続けた。2…
映画やテレビドラマでは、一度の素晴らしい…
映画やテレビドラマでは、一度の素晴らしい演技を採用すればいいが、芝居では何度でもよい演技ができなければならない、と長谷川康夫著『つかこうへい正伝』(新潮社)という本の中に書かれている。 その通りなのだが、これは舞台俳…
韓国旅行からの帰路、金浦空港で同じ旅客機に…
韓国旅行からの帰路、金浦空港で同じ旅客機に乗ったグループがあった。韓国の禅宗、曹渓宗の尼僧たちで、スニーカーを履き、淡いグレーの僧衣に身を包んでいた。行き先は上野の東京国立博物館。 「ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像…
健康や養生に関するいわゆるハウツー本の多さ…
健康や養生に関するいわゆるハウツー本の多さを見ても、現代人の健康願望の強さは相変わらず。国民の3人に1人が亡くなるがん対策は特に関心が高い。 がん告知や、がん患者自ら治療を選択することは当たり前になってきた。がんのよ…
きょうは二十四節気の夏至。太陽が最も高く…
きょうは二十四節気の夏至。太陽が最も高く昇り、1年のうちで昼が最も長い日である。ただ日本列島はまだ梅雨のさ中にある上に、列島を通過する低気圧の影響で大気が不安定なため、九州は大雨。 各地でも局地的に雨、雷、竜巻、ひょ…
太陽光など再生可能エネルギー(再生エネ)…
太陽光など再生可能エネルギー(再生エネ)普及促進のため、政府が導入した制度の一つに「固定価格買い取り制度(FIT)」がある。発電した電気を電力会社が買い取る仕組みだ。 2012年度から始まった制度だが、すでに不都合が…
「すき透るゼリーの中のさくらんぼ」…
「すき透るゼリーの中のさくらんぼ」(小竹由岐子)。この季節、出回るサクランボで有名なのは佐藤錦。その甘さは格別だ。昔はそれほどサクランボが甘くなかった記憶がある。品種改良によって、商品価値が高められてきたのだろう。 …
欧州連合(EU)残留か離脱かを問う国民投票が…
欧州連合(EU)残留か離脱かを問う国民投票が迫る英国で、残留支持派の労働党女性下院議員が銃撃を受けて死亡した。容疑者の男が犯行時、「ブリテン・ファースト(英国が第一)」と極右団体の名前を叫んでいたとの情報もある。 ま…
「謝罪会見」という言葉は今後重みを増して…
「謝罪会見」という言葉は今後重みを増してきそうだ。事件やスキャンダルなどを起こした有名人にとって、謝罪会見は死活的に重要で、通過儀礼のようなものになっている。 事件以上に、会見の印象がその後を左右するとも言われる。裏…
佐賀県有田町は日本の磁器誕生の地。泉山で…
佐賀県有田町は日本の磁器誕生の地。泉山で朝鮮人陶工の李参平が原料を発見し、焼成に成功したのは元和2(1616)年。今、その場所は国指定史跡になっていて、白磁ヶ丘公園と呼ばれている。 そのころ酒井田円西とその子、喜三右…
熊本地震の発生から2カ月。被災者の仮設住宅…
熊本地震の発生から2カ月。被災者の仮設住宅への入居が始まったが、今も145カ所で6000人以上が避難生活を余儀なくされている。 県内で全半壊した3万棟以上の家屋は、建設業者不足などもあって、その多くは手付かずの状態の…
現地のメディアでは、英国(Britain)と…
現地のメディアでは、英国(Britain)と出口(Exit)を掛け合わせて、英国のEU離脱を意味する「ブレグジット(Brexit)」という造語まで生まれて、EUに残留するか離脱かの熱い議論の渦中にある。 その決着が歴…
「梅雨の傘杖につきもし旅重ね」(河野静雲)…
「梅雨の傘杖につきもし旅重ね」(河野静雲)。関東甲信地方も梅雨入りをしたが、それほど雨が降っていない。地方では、ダムの水位が下がっている所もある。群馬県の渡良瀬川上流にある草木ダムもそうで、川では10%の取水制限の処置…
いまも戦乱の絶えないアフガニスタンは、…
いまも戦乱の絶えないアフガニスタンは、かつてシルクロードの要衝で「文明の十字路」と呼ばれた。東京・上野の東京国立博物館で開かれている「黄金のアフガニスタン~守りぬかれたシルクロードの秘宝~」展で、それを実感した。 ア…
世に「聞き上手」はいるが、作家古井由吉氏…
世に「聞き上手」はいるが、作家古井由吉(よしきち)氏(78歳)のケースは「達人」の域に達しているのではないかと思えてくる。 ドイツ文学者手塚富雄(故人)によると、34歳年少の古井氏は「優秀な捕手」のようだった。親子ほ…
作家の幸田文さんが北海道の富良野に東大演習林…
作家の幸田文さんが北海道の富良野に東大演習林を見学に行った時のこと。目当てのエゾマツが分からなくて専門家に質問すると「あなたは梢の葉っぱばかり見るから、わからなくなっちゃう、幹の色、木の肌の様子も見てごらんといわれた」…
富士フイルムホールディングス(HD)の…
富士フイルムホールディングス(HD)の助野健児新社長がインタビューで、最も力を入れる事業領域として医療機器や再生医療など医療関連分野を挙げ、「ヘルスケアを中心にM&A(合併・買収)で収益の刈り取りを早くできるなら、仕掛…
中国の南シナ海の実効支配に道開く重大な懸念
シンガポールでアジア安全保障会議が開催された。この会議は、アジア太平洋地域を中心とした国防関係者が地域の安全保障問題について意見を交換する会合だ。「シャングリラ対話」とも呼ばれている。 米が“孤立の長城”と警告 今…
大きな記事も小さな記事もあるが、今年は…
大きな記事も小さな記事もあるが、今年は新聞の社会面で死者の出た交通事故記事がやや目立つ印象を受ける。大学生13人が犠牲となった今年1月15日の長野・軽井沢のスキーバス転落事故の記憶は新しい。 バス運行会社やツアー企画…
日本のトンネル技術は世界に冠たるものだが…
日本のトンネル技術は世界に冠たるものだが、ヨーロッパのそれも同様の実績がある。スイスで、アルプス山脈を南北に貫く鉄道トンネル「ゴッタルドトンネル」が完成した。 スイス中部エルストフェルトからイタリア国境近くの南部ボデ…
「黒揚羽一閃し庭一閃す」(後藤比奈夫)…
「黒揚羽一閃し庭一閃す」(後藤比奈夫)。都会でも、公園や家の庭に花木が植えられていて、花が咲くのを見るのは当たり前の光景。だが、その花を飛び回るチョウはあまり見かけない。 以前は春になれば、白い羽を持ったモンシロチョ…
街や電車の中で、黒のリクルートスーツに身を…
街や電車の中で、黒のリクルートスーツに身を包んだ若い人をよく見掛けるようになった。大学生に対する企業の選考活動が昨年より2カ月早まり、いまや就活真っ盛りである。 中央アジアのウズベキスタンを取材した際、通訳を務めてく…