66年前のきょうの早暁、38度線を越えて10万の…
66年前のきょうの早暁、38度線を越えて10万の北朝鮮軍が韓国側になだれ込んだ。韓国動乱の勃発である。農繁期ということもあり部隊の大部分が警戒態勢を解いていた韓国軍は、北朝鮮軍の奇襲攻撃で大混乱に陥って敗走を続けた。28日にはソウルが陥落した。
日本では一時期、韓国動乱は先に砲撃した韓国軍に北が反撃して起きた、などという説が流布されたことがある。しかし、金日成が毛沢東の黙認とスターリンの支持を得て南侵を開始したことは、明らかだった。
特に冷戦後、旧ソ連の資料などが公開されてからは、動かし難い定説となっている。ところが、中国では今も韓国動乱を「抗米援朝」戦争と呼び、習近平国家主席も「偉大な抗米援朝戦争は平和を守って侵略に対抗した正しい戦争だった」と演説している。
韓国紙セゲイルボのシン・ドンジュ北京特派員によると、北京市党宣伝部主導で作られ放映されたドラマ『三八線』でも、北朝鮮による開戦の史実はごまかされ、“侵略者米国”が強調されていた。
政治的な理由から歴史を平気で歪曲するのが中国共産党である。何かあれば「歴史認識」を言う中国だが、日本人ほど歴史を真っ直ぐには捉えていない。
中韓両国の蜜月が続いた。しかしシン特派員はその記事をこう締め括っている。「中国が韓国動乱の真実を歪曲している現実は韓中関係の未来が決して楽観的でないとの事実を新たに悟らせるものだ」。