きょうは二十四節気の夏至。太陽が最も高く…
きょうは二十四節気の夏至。太陽が最も高く昇り、1年のうちで昼が最も長い日である。ただ日本列島はまだ梅雨のさ中にある上に、列島を通過する低気圧の影響で大気が不安定なため、九州は大雨。
各地でも局地的に雨、雷、竜巻、ひょうなどで天候は大荒れの注意予報が出ている。太陽は拝めそうになく、日の長さは実感できそうにないが、暦の上では仲夏、夏の折り返し点。これから夏まっ盛りに入っていく。
蒸し暑いこの時期、ものが腐りやすくなり、少しうっとうしくなる。ところが、アジサイや水田の稲の苗などは雨にぬれて生き生きとしてくる。
稲だけではない、虫の仲間も。カマキリは、見かけとは大違いで、稲や野菜にとりつく害虫の駆除にせっせと働いてくれる。家庭菜園をやって分かったことだが、小さなテントウムシも、キュウリの葉を白く枯らすうどんこ病の菌やアブラムシを食べてくれる益虫である。
テントウムシの中には知る人も少ないが、さらにありがたい恩人(虫)もいる。19世紀末に静岡県で柑橘類が壊滅的打撃を被った時に、農薬も効果ない外来の害虫(イセリアカイガラムシ)駆除に大活躍したのがべダリアテントウである。
世界中から歓迎された体長5ミリ弱の愛らしい人気者(虫)は、人間のお役に立って好物の害虫を食い尽くしたことでエサがなくなってしまった。それで減ってしまったというのは、自然界の厳しさとはいえ気の毒である。