「梅雨の傘杖につきもし旅重ね」(河野静雲)…
「梅雨の傘杖につきもし旅重ね」(河野静雲)。関東甲信地方も梅雨入りをしたが、それほど雨が降っていない。地方では、ダムの水位が下がっている所もある。群馬県の渡良瀬川上流にある草木ダムもそうで、川では10%の取水制限の処置が取られている。
今のところ、それほど影響は見られないが、今後本格的になれば農作物の被害が大きくなるはず。梅雨に取水制限するというのは不思議な感じだ。
「空梅雨や松にかけたる雀の巣」(相島虚吼)。いずれにしても梅雨に雨があまり降らないというのは、マイナス面も大きい。適度に降り適度に晴れてくれればいいのだが、それは人間側の都合にすぎない。
天候は不順でも、アジサイの花は今が盛りというほど、よく見かけるようになった。太宰治の「富士には、月見草がよく似合う」ではないが、梅雨にはやはりアジサイが似合う。青色の花の姿も、普通ならば晴天をイメージさせるはず。しかし、アジサイばかりは雨を連想させる。
個人的な印象と言われればそれまでだが、季節ごとに似合う花の色は違っている気がする。例えば、春はサクラに代表されるように淡い白がいいし、夏はそれより濃い原色にあふれたもの、秋はそれなりに落ち着いた色合いの花がしっくりくる。
特に、冬には赤や黄色の花はどこか似合わない感じがする。だが燃える太陽のようなバラなどは、元気を与えてくれて返っていいかもしれないとも思う。