上昇気流
中国人の水墨画家・傅益瑤さんは1980年に…
中国人の水墨画家・傅益瑤(ふえきよう)さんは1980年に来日し、東京藝術大学大学院で平山郁夫に師事した。作品は延暦寺国宝殿に収められた「仏教東漸図」をはじめ多数あるが、一貫して描いてきたのは日本各地の祭り。 画集『日…
サンゴと共生し、栄養を与える植物プランクトン…
サンゴと共生し、栄養を与える植物プランクトンが失われる「白化現象」。地球温暖化に伴う海水温の上昇で、昨夏は奄美群島から八重山諸島の広い海域で発生した。中でも、沖縄県の石垣島と西表島の間に広がる「石西礁湖」では9割超のサ…
医療をめぐるトラブルの中で、気流子の身辺でも…
医療をめぐるトラブルの中で、気流子の身辺でもよく薬の副作用の問題を見聞きするようになった。少しせきや熱が出たり体調を崩したりすると、前は十分な栄養と睡眠を取って自力回復を図ったもの。それが今は家庭薬や医者の処方薬に頼る…
寄生虫の一つで、一般の人には毛嫌いされて…
寄生虫の一つで、一般の人には毛嫌いされている線虫が、人間のがん検査で威力を発揮することが明らかになった。 線虫は体長1㍉ほどだが、犬以上の嗅覚があり、がん患者の尿に特有な物質のにおいが餌に似ているため、誘引されるとい…
「装束をつけて端居や風光る」(高浜虚子)…
「装束をつけて端居や風光る」(高浜虚子)。風が光るというのは物理的な現象ではない。そう見えるほど春の光が明るく感じられるということだろう。冬から解放された気持ちが込められた季語と言っていい。 稲畑汀子編『ホトトギス新…
巌流島の決闘で終わる『宮本武蔵』(吉川英治)…
巌流島の決闘で終わる『宮本武蔵』(吉川英治)は著者独白の、こんな一節で長編の幕を引く。<波騒は世の常である。波にまかせて、泳ぎ上手に、雑魚は歌い雑魚は踊る。けれど、誰か知ろう、百尺下の水の心を、水の深さを。>。 亡く…
古書には新刊本にはない風情がある。本に…
古書には新刊本にはない風情がある。本にまつわる話を集めた河野通和氏(編集者)の著書『言葉はこうして生き残った』(ミシマ社)を読むと、「痕跡本」について書かれた本まであるという。古書の前所有者が残した痕跡を調べた本だ。古…
「茶は薬用として始まり後飲料となる。シナに…
「茶は薬用として始まり後飲料となる。シナにおいては八世紀に高雅な遊びの一つとして詩歌の域に達した。十五世紀に至り日本はこれを高めて一種の審美的宗教、すなわち茶道にまで進めた」。 岡倉天心が英文で書いた『茶の本』の書き…
山本幸三地方創生担当相が大津市の講演の中で…
山本幸三地方創生担当相が大津市の講演の中で「一番のがんは文化学芸員」と発言した。失礼ながら、文化の何たるかもわきまえていないのではないか。 山本氏の発言は、観光と地方創生に関する質疑の中で出たもので、学芸員について「…
桜の開花日ほどに注目度は高くないが、桜より…
桜の開花日ほどに注目度は高くないが、桜より少し遅れて日本列島を東上、北上したのが今年のモンシロチョウの初見(しょけん)日である。ウェザーテックの「生物、季節観測」では、松江、横浜、奈良で14日、水戸で15日、仙台で16…
東芝は原発事業で大打撃を受け、そのあおりで…
東芝は原発事業で大打撃を受け、そのあおりで半導体メモリー事業の売却を余儀なくされている。不正会計などで上場廃止の恐れもあり、巨大企業は深刻な経営危機に直面している。 半導体の重要技術は軍事転用も可能であり、それが中国…
「木蓮に漆のごとき夜空かな」(三宅清三郎)…
「木蓮に漆のごとき夜空かな」(三宅清三郎)。公園でモクレンの花が咲いているのを見掛けた。そのムラサキが光り輝くようだった。白い花を付けるモクレンもある。 「翳る白輝く白の辛夷見ゆ」(千原叡子)。近くにモクレンに似た白…
少し古い話になるが、気流子が特派員として…
少し古い話になるが、気流子が特派員として英国滞在中、現地の小学校に通う子供の送迎が家族にとって結構負担だった。10歳以下の児童の登下校には保護者の付き添いが義務付けられていたためだ。 それが日本に帰国して、子供が1人…
最近文庫として刊行された岡田睦(ぼく)著…
最近文庫として刊行された岡田睦(ぼく)著『明日なき身』(講談社文芸文庫)という小説作品集に「ないものはない」という言葉が出てくる。昔から不思議な言葉と言われているのは、これがまるで正反対の二つの意味を持つからだ。 ①…
韓国も日本と同様に陶磁器の制作が盛んだ…
韓国も日本と同様に陶磁器の制作が盛んだ。京畿道利川(イチョン)には陶芸村があって田園風景の中に窯が300カ所も点在している。ここを舞台に今月22日から1カ月以上にわたって「世界陶磁ビエンナーレ」が開かれる。 日本統治…
宇宙を構成する物質をめぐっては、これまで…
宇宙を構成する物質をめぐっては、これまで人類が発見したのは宇宙全体の4%にすぎず、残る96%は謎のままだと言われる。 そのため新たな粒子が発見されれば、宇宙の成り立ちの解明が一気に進むと期待されている。このほど茨城県…
シリアのアサド政権が反体制派の支配地域に…
シリアのアサド政権が反体制派の支配地域における4日の空爆で、非人道的な化学兵器を使用したことへの対抗措置として、トランプ米政権が6日に敢行した同国空軍基地への電撃的な攻撃について。8日に一斉に論じた新聞社説から。 ト…
「長閑(のどか)さに無沙汰の神社廻りけり」…
「長閑(のどか)さに無沙汰の神社廻りけり」(太祇)。春は長閑で眠気にとらわれることが多い。中国・唐時代の詩人である孟浩然(もうこうねん)の「春眠暁を覚えず」という詩句の通りだ。 多くの文人が、桜の花が咲き誇るこの時期…
福島第1原発事故による自主避難者への避難先…
福島第1原発事故による自主避難者への避難先での住宅無償提供が打ち切られたことをめぐって、今村雅弘復興相が、自主避難者の帰還を「自己責任」としたことが批判を浴びている。今村復興相は「私の意図とは誤った伝わり方をしたことを…
桜の季節。あちこちで咲いたり散ったりして…
桜の季節。あちこちで咲いたり散ったりしている。これが毎年繰り返される。「桜は美しい」という人は多いが、「桜にはもう飽きた」という人はあまりいない。美しいのはその通りだが、「美しい=素晴らしい」でいいのか、その美しさはど…
福島県郡山市の北東の外れに西田町がある。…
福島県郡山市の北東の外れに西田町がある。田村郡三春町と境を接した草深い田舎で、江戸時代には三春藩に属していた。郡山方面から国道288号を東に進み、さらに田舎道に入った奥に雪村庵がある。 アズキ色をしたトタン屋根の小さ…
政府は「教育勅語」について「憲法や教育基本法…
政府は「教育勅語」について「憲法や教育基本法に反しない形」で教材として用いることを認めたが、朝日新聞は早速、4月2日付社説で「この決定に強い疑念を抱く」と、持論を展開している。 「過去の遺物が教材か」と題した同社説で…
気流子だけがそう思い込んでいたのだろうか…
気流子だけがそう思い込んでいたのだろうか、意外なデータであった。自動車乗車中の交通事故の致死率が、どの座席で最も高いのかを警察庁の調査を基に読売新聞(3月29日付夕刊)が報じている。 致死率は昨年、後部座席が0・36…