医療をめぐるトラブルの中で、気流子の身辺でも…
医療をめぐるトラブルの中で、気流子の身辺でもよく薬の副作用の問題を見聞きするようになった。少しせきや熱が出たり体調を崩したりすると、前は十分な栄養と睡眠を取って自力回復を図ったもの。それが今は家庭薬や医者の処方薬に頼る傾向が強くなった。
それだけ、生活と健康に役立ついい薬が出てきたということだが、薬には副作用の毒があることも忘れてはならない。適切な分量や組み合わせを超えた服用をしたりすると、それが出やすくなる。
特に高齢者の場合は、種類や分量が多過ぎる薬の処方による副作用で、体調を悪化させるケースが少なくない。高齢者は薬を分解する機能が低下していたり、同じ薬でも長い服用年月の間に体重減少で分量が過多になったりするなどして副作用が出る。
また複数の持病のため、複数の医師の処方で薬の種類が増えても、その飲み合わせ相性の判断がなされないままの服用で、副作用が出やすくなっているケースなども伝えられる。
厚生労働省はこのほど、薬の処方適正化のためのガイドライン(指針)策定のため有識者検討会の初会合を開き、その実態解明をスタートさせた。この問題では一昨年、日本老年医学会が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」を改訂するなど、関係学会も注意を促してきた。
科学的な根拠に基づく危ない薬の飲み合わせ防止や薬の処方を減らす体制づくり強化に乗り出す厚労省の取り組みに期待したい。