山本幸三地方創生担当相が大津市の講演の中で…
山本幸三地方創生担当相が大津市の講演の中で「一番のがんは文化学芸員」と発言した。失礼ながら、文化の何たるかもわきまえていないのではないか。
山本氏の発言は、観光と地方創生に関する質疑の中で出たもので、学芸員について「観光マインドが全くない。一掃しなければ駄目だ」などと語った。発言への反響の大きさに、講演翌日に「言い過ぎだったので撤回し謝罪したい」と申し出たという。
(文化)学芸員は博物館に置かれる専門職員で、博物館資料の収集、保管、展示および調査研究、その他の関連事業についての専門的事項などを職務とする。特に調査研究は重要な仕事だ。
最近の観光客は目が肥えており、知識欲が旺盛で、学芸員はこれに応えるための人材である。旅の話の種に博物館に立ち寄るといった客は以前に比べ少なくなっており、学芸員には、観光振興の要諦であるリピーター増加のための役割も期待されている。
ところで、政府と経済界の提唱で個人消費喚起キャンペーンとして始まった「プレミアムフライデー」について、星野リゾート(長野県軽井沢町)の星野佳路代表は「かえって混雑を招きかねない」と疑問視する。
「観光需要を特定の金曜日に集中させ、他の金曜日から奪う可能性がある」と話す。そうなれば、じっくり見て歩いて英気を養い、さらに教養を高めるという形の観光は難しくなろう。観光客のさまざまなニーズに応じた工夫が必要だ。