シリアのアサド政権が反体制派の支配地域に…


 シリアのアサド政権が反体制派の支配地域における4日の空爆で、非人道的な化学兵器を使用したことへの対抗措置として、トランプ米政権が6日に敢行した同国空軍基地への電撃的な攻撃について。8日に一斉に論じた新聞社説から。

 トマホークを発射した米国を批判する朝日は「あまりに乱暴で無責任な武力の行使」で「事態のいっそうの悪化を招きかねない」と主張。化学兵器の問題には、国連の早急な調査を求めた。

 日経は「国連安全保障理事会などに明確な証拠を提示することもなしに武力行使をしたのは、はやり過ぎ」だといさめる。

 「だが、国連安全保障理事会はロシアの抵抗で、非難決議さえ採択できない状況」(産経)であることを両紙はどう考えているのか。「国際社会が他に選択肢を持ち得ない状況で、これを止めるには、米軍の武力行使はむしろ必要なものだった」のではないのか。

 「国際規範に背き、多くの市民を殺傷する非人道的行為は容認できない。再発阻止に向けたトランプ米政権の決意の表れ」を読売は評価。小紙も「(オバマ前米政権が)軍事力行使を極力避けてきたことに付け入り、力による現状変更を行い、国際秩序やルールを破ってきた国や勢力に対し、力の行使も辞さないことを示した」と。

 政治解決に向けて毎日の「人類史的な悲劇と言われるシリア内戦に終止符を打つべく、ロシアが大局的な見地から米国と協議することを望みたい」に同感だ。