高校生ボランティアの活躍ーイスラエルから
地球だより
イスラエルの高校生は、社会貢献のためにボランティアをする。カリキュラムの中の一つなので、1年間にボランティアをする時間が決められている。ボランティア先は、幼稚園、図書館、スーパーマーケット、救急サービスなどさまざまである。
うちの娘たちは2人とも読書が好きなので、図書館でボランティアをしていた。真面目に取り組んだので、司書の方からお礼のギフトを頂いたりした。
先週、南部の都市ベエルシェバで救急サービスのボランティアをしている高校生のニュースを聞いた。週末にピザ屋で配達のアルバイトをしていた17歳の彼は、配達先の家の前で、赤ん坊が激しく泣き叫ぶ声を聞き、尋常ではないことを悟った。
ドアをノックすると、困った顔をした若い父親が迎え入れてくれた。事情を聞いて部屋に入ると、発作に苦しむ赤ん坊が母親に抱かれていた。彼は、自分に救急医療の心得があることを伝えて赤ん坊を観察した。ひどい高熱であると気付いた彼は、火照っている赤ん坊の体をクールダウンさせるために、全身を濡(ぬ)れたタオルでくるみ、救急車を呼んだ。
救急隊が到着した時には、赤ん坊は意識が戻り、状態が落ち着いていたという。救急隊員は、彼のとっさの処置がなければ、赤ん坊は脳に障害が残ったり、命を落としたりしていたかもしれないと語った。
若夫婦は、「ピザの配達を頼んだら、トッピングは子供の命だった」と、心から感謝していたそうだ。
(M)