山田 寛
北朝鮮とポル・ポト政権、政治的参加の類似と相違
北朝鮮の平昌五輪参加決定で、1978年のバンコク・アジア競技大会へのカンボジア・ポル・ポト政権の参加を思い出した。 大量虐殺で「アジアのヒトラー」とも言われた政権と似ていると言えば、金正恩・朝鮮労働党委員長は怒るかも…
歴史戦も将来を見すえ、客観的歴史教育で応戦しよう
昨年、韓国は日韓慰安婦合意NGを明言し、慰安婦記念日を制定、慰安婦像は世界で増殖した。カナダの州議会は、中国系議員の「南京大虐殺記念日制定」動議を採択した。対日歴史戦は今年も一層広がりそうだ。日本は個別対応の“もぐらた…
原爆の子の像、世界に広げたい
核の年の暮に思う 「核」に明け暮れた年だった。 北朝鮮の核・ミサイル開発が急加速し、領導者様の強がり笑いとやせた民衆の心中の嘆きを積んだミサイルが、勝手放題に日本の上空や周辺を飛んだ。 一方、国連で核兵器禁止条約が…
ロヒンギャ迫害非難
棄権してはリードできない 先週、国連人権理事会は、ミャンマーのロヒンギャ族迫害を非難する決議を採択した。 先月、国連総会の委員会も同様の決議を採択している。 日本はどちらも棄権した。委員会では、欧米など135カ国が…
温かい平昌五輪を願う
パルパルを懐かしみ 平昌冬季五輪開催まで2カ月余り。1988年のソウル(パルパル)五輪を懐かしく思い出す。 私は新聞社の外報部五輪取材班のチーフだった。競技取材は運動部が中心だが、これを機にどう韓国と共産圏の交流の扉…
パリ協定の“常任理事国” 、中国より日本が務めるべきだ
今年夏から秋にかけ、世界中に激しい自然災害や異常気象のニュースがあふれた。「史上最悪」「数十年ぶり」といった形容句があふれた。米国はハリケーンと山火事のラッシュで、自治領プエルトリコは、9月に続き、10月にも過去100…
解放された女性たちのため、戦後70年談話を実践する時
過激派「イスラム国」(IS)は、イラクのモスル、シリアのラッカなど「首都」や拠点を失い、領土的には壊滅的状態になった。もちろん単純には喜べない。テロネットは世界に拡散し、アフリカ、東南アジア、欧米で拠点作りが企てられて…
住民投票の宴のあと
民族独立の大困難時代 スペイン人と結婚し、バルセロナに住む日本人女性から嘆きメールが届いた。先のカタルーニャ自治州の独立の是非を問う住民投票が、社会と民主主義をいかに破壊したかを訴え、市民戦争にならないか心配していた。…
フン・セン氏とスーチーさん、民主主義の死と正念場
民主主義拡大を期待しながら40年、東南アジアを見詰めてきた私は、最近落胆の連続である。 最大の落胆はカンボジアだ。民主主義が死につつある。 フン・セン首相の野党やメディア、NGOへの弾圧は今夏、頂点に達した。最大野…
「人道上戦後最悪の危機」
飢餓地帯支援も忘れまい 北の独裁者の空(むな)しい高笑いを乗せたミサイルが、日本上空を乱れ飛ぶ。防衛体制を最大限強化しながら、だが地球の向こうで死にかけている生命も防衛したい。 「2000万人以上が飢餓に直面している…
拉致問題にも重大な時、河野外相はバッジ着用を
河野新外相の評判は悪くない。8月上旬、マニラの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議の折、居丈高な王毅・中国外相に毅然(きぜん)と対応したことなどは、◎だろう。だが、一つ注文させていただきたい。 北朝鮮の「水爆…
中韓の若者に見てほしい、靖国「遊就館」の花嫁人形
8月のこの季節には、自分が訪れた戦没者や戦争犠牲者の墓地、追悼施設などの情景が目に浮かぶ。米ワシントンのベトナム戦争戦没者慰霊碑、同郊外のアーリントンや仏ノルマンディーの米軍墓地、ベトナム戦争時の南ベトナム政府軍墓地、…
シェルターのない被爆国
国民防護体制の整備を 広島原爆忌の6日、私も核廃絶を祈った。「慰安婦少女」像より原爆の子の像が、世界各地に遺されることを願った。 だが、ここで奇妙な数字を並べたい。 スイス100%、ノルウェー98%、米国82%、ロ…
女性議員パワー増大へ
取り組み加速させよう 「日本の女性議員は絶滅危惧種になってしまう」。小池百合子・東京都知事は国会議員時代、こんな警鐘を鳴らした。その東京の都議選では、過去最多の36人(28%)の女性議員が誕生した。だが一方、通常国会で…
日本の人種差別は減少、反ヘイト口実の言論圧迫が心配
ヘイトスピーチ対策法施行から1年。先月、記念集会が東京などで開かれ、より包括的で強力な「人種差別撤廃法」を求めるアピールが採択された。右翼団体の在日たたきデモは減ってきた。でも左派陣営は、「彼らは『××国死ね』などと、…
国連からの対日人権批判 、もっと事実を説明しよう
先月来、日本はジュネーブの国連人権理事会や関連委員会から、批判の波状攻撃を受けた。 事実誤認や偏った批判も目立ち、政府は反発している。拷問禁止委が、日韓慰安婦合意の見直しを勧告し、プライバシー権に関する特別報告者、ジ…
戦乱続く中東 ナイチンゲールが泣いている
2004年5月末、米軍などの「イラク戦争」後も続く戦闘を取材中、武装勢力に惨殺されたビデオジャーナリスト、橋田信介さん(享年61歳)をしのぶ会が、今年も開かれた。彼と縁のテレビ、新聞、出版、写真などの関係者が、幸子夫人…
左派だからできること、文在寅大統領へのご提言
文在寅・韓国大統領殿。私たち日本人の多くは、新政権の韓国が親北宥和より日韓米協力を進め、国際的信頼を高めて行くよう願っています。 それに関連し、一つ提言させていただきたいのです。1964~73年に、ベトナム戦争に参戦…
米欧・韓国の選挙 外国の介入に懸念
昨年11月の米国から今月のフランス、韓国まで、注目の大統領選挙が終わった。欧州では12月のオーストリア大統領選、3月のオランダ総選挙もあった。 米欧選挙の勝敗因は、失業、移民・難民、テロ、白人貧困層の不満、反グローバ…
拉致被害者救出が第一、でも残留日本人も忘れまい
朝鮮半島の緊張が急加速する中、北朝鮮は多数の外国報道陣を招き、大ミサイル軍事行進などを取材させたが、日本取材陣には、特に日本人遺骨の埋葬地を見せ、そして残留日本人老女と会見させた。 2014年の日朝合意で、日本側は、…
ナイジェリアの少女たちの悲劇
テロとの闘いに本腰を 米国のシリア攻撃、北朝鮮抑止、米露対立など国際安全保障情勢が激しく動く一方、西欧、ロシア、エジプトなど各地からテロのニュースも相次ぐ。 ウィキペディアによれば、今年1月~4月上旬の100日間に、…
米国務省の人権報告、日本の報道は圧迫されているか
メディアには森友学園問題追及があふれ、安倍政権支持率も多少下げた。それを見ると、先ごろ公表された「世界各国の人権問題に関する米国務省報告」2016年版の「日本の人権問題」指摘の一部に、強い異論を唱えたくなる。 報告は…
米国VSカンボジア、この債務どうする
米国とカンボジアが争っている。問題はカンボジアの債務未払いだ。 米国は1970年代前半、カンボジアに2億7800万㌦の借款を供与した。支払い期限はとうに過ぎ、利子を含め5億㌦余りに膨らんでいる。米国が世界各国に利用さ…