床井 明男
短観で景況上向くも力強さのない景気に丁寧な対応求めた読売社説
◆業種・規模でばらつき 日銀が発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業で2018年12月以来の高水準になったほか、大企業非製造業でも5四半期ぶりにプラス圏に…
菅義偉政権初の「骨太の方針」を前向きな提言で後押しした日経社説
◆コロナ後の施策重視 政府が経済財政運営の基本方針「骨太の方針」と成長戦略を決定した。菅義偉政権としては初のもので、今年の骨太方針は「経済安全保障の確保」を初めて明記。新型コロナウイルス感染収束後を見据えた新たな経済成…
国の半導体戦略に朝日は経済合理性、読売は経済安全保障を強調
◆台湾集中にはリスク 国が国内半導体産業の競争力強化に向け動きだしている。経済産業省が「半導体・デジタル産業戦略」を策定、また首相官邸(内閣官房)も成長戦略実行計画案をまとめ、その中で先端半導体技術の開発・製造立地推進…
コロナ禍の厳しい経済運営の中で独善的な政府批判に終始した毎日
◆ワクチン接種がかぎ 年間を通じてコロナ禍に見舞われた2020年度の日本経済は、実質国内総生産(GDP)が前年度に比べ4・6%減のマイナス成長で、戦後最悪の落ち込みとなった。 21年1~3月期は年率換算で前期比5・1…
ロケット残骸落下で中国に「国際協調に責務果たせ」と朝日の意外
◆やんわりと中国批判 中国が4月下旬に打ち上げた大型ロケット「長征5号B」の残骸が9日、制御不能のまま大気圏に再突入してインド洋に落下した。人的被害などは報告されていないが、何とも危険極まりない話である。 この事態に…
温暖化社説で説得力ある論調の日経、原発訴えぬ政府を叱咤する産経
◆早急な計画策定要望 米国主催の気候変動サミット(首脳会議)で、菅義偉首相は2030年度の温室効果ガス削減目標を、現行の「13年度比26%減」から「同46%減」と大幅に引き上げる方針を表明した。 各紙は東京を除き6紙…
東芝買収提案に経済安保で懸念する産経、公正・透明性求めた日経
◆政府に慎重審査求む 東芝が英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズから買収提案を受け、14日には臨時取締役会を開いて対応を協議。CVCは改めて詳細な提案を行い、TOB(株式公開買い付け)を実施するという。 6…
柏崎刈羽原発テロ対策での東電失態に朝日以上の厳しさ見せた日経
◆再建計画見直し必至 福島第1原子力発電所の事故を起こした東京電力ホールディングスに再び原発を運転する資格はあるのか――。 保守系紙、日経3月29日付社説の冒頭である。 この社説は、東電の柏崎刈羽原発(新潟県)で外…
「脱炭素に原発の役割大」と正論はく読売、安定供給の視点ない東京
◆危うい再生エネ頼み 「脱炭素」は時代を表す言葉の一つである。菅義偉政権は、2050年までの脱炭素社会の実現を政策目標の一つに掲げ、世界的にもバイデン政権の米国の「パリ協定」復帰もあり、欧州諸国を中心に二酸化炭素(CO…
「Go Toトラベル」は“悪者”だったのか?
《 記 者 の 視 点 》 前年末で停止、感染拡大との因果関係は依然として不明 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い発令されている緊急事態宣言で、政府は26日に大阪や京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡の6府県の解除を決定。残る…
株価3万円で「景気映さぬカネ余り相場」と皮相的分析に終始の毎日
◆GDPはマイナスに 15日、東京株式市場の日経平均株価の終値が、バブル期以来、30年半ぶりに3万円の大台を超えた。 同じ日に発表された2020年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比3・0%増、…
今月施行の巨大IT企業規制法に「実効性」で注文を付けた産経と日経
◆「強化の検討」求める 米グーグルをはじめとする巨大IT企業に対する規制法が今月1日から施行された。「特定デジタルプラットフォームの透明性・公正性向上法」で、巨大IT企業に対して、契約条件の開示や政府に対する運営状況の…
電力需給逼迫で「課題浮き彫り」の再生エネにこだわり説得力欠く朝日
◆不可欠な原発再稼働 厳しい寒さが続く中、暖房需要の増加により電力需給が逼迫(ひっぱく)している。火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)の不足が直接の要因だが、背景には現状のエネルギー供給体制の問題がある。 この…
コロナ禍の日本経済が抱える課題に正面から取り組んだ読売新年社説
◆景気の二番底懸念も 仕事始め早々に、「緊急事態宣言」が検討される状況となり、政府はきょう(7日)決定する。 首都圏1都3県を中心にコロナ感染が著しく増加しているからで、医療の現場では危機的状況が伝えられる一方、「緊…
来年度予算案に各紙社説は「膨張」「たが外れ」「野放図」など批判の連呼
◆コロナ禍で予算膨張 22日付読売「借金頼みの財政膨張は危うい」、朝日「財政規律のたが外れた」、毎日「コロナに乗じた野放図さ」、産経「財政悪化の現実忘れるな」、日経「財政規律の緩みを隠せぬ来年度予算案」、東京「膨張し過…
「世界に誇れる偉業」とたたえた「はやぶさ2」の意義と今後を問う各紙
◆優れた技術力の証し 探査機「はやぶさ2」が、小惑星「りゅうぐう」の石や砂が入っているとみられるサンプルを無事に届けてくれた。6年の長きにわたるミッションを、大きなトラブルもなく見事に果たした。 各紙もこれを称(たた…
GDP大幅増にもかかわらず今後に深い懸念・憂慮示した各紙社説
◆長期戦の覚悟必要に 2020年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は戦後最大のマイナス成長だった前期から一転、実質年率で21・4%と高い成長率となった。比較可能な1980年以降で最大の伸び率である。 大方の予想通…
三菱重の国産旅客機開発凍結に悲愴感漂う東京、叱咤激励する産経
◆地元愛を隠さぬ東京 三菱重工業が国産初の小型ジェット旅客機「スペースジェット」(旧MRJ)開発の事業凍結を発表した。残念なことだが、コロナ禍で苦境にあえぐ業界から当分は新たな発注が見込めないからという。 新聞各紙は…
米司法省のグーグル提訴で独占の弊害の実態解明や規制求めた各紙
東京、GAFAを批判 米司法省がグーグルを、反トラスト法(独占禁止法)違反で連邦地裁に提訴した。米IT企業に対する独禁法違反での本格的な提訴は、1998年のマイクロソフト以来、約20年ぶりである。 これに対し新聞各紙…
短観で雇用悪化の拍車を懸念し失業率悪化で対策訴えた読売の真摯さ
◆特例措置の延長提案 雇用環境が厳しさを増している。新型コロナウイルスの感染収束が未(いま)だ見通せず、厳しい経営環境から解雇や雇い止め、すなわち雇用契約を更新してもらえない労働者が後を絶たない。 最新の8月失業率は…
世界農業遺産生かし地域発展を 宮城県大崎市長
宮城県大崎市長 伊藤康志氏 東北・北海道で初めて世界農業遺産に認定された宮城県大崎地域。水田稲作地帯としては世界で初めてだ。涌谷町、加美町を含めた地域の中心地となる大崎市の伊藤康志市長に世界遺産認定を生かした地域活性化…
携帯料金下げへの菅首相の本気度に霞む朝日の「丁寧な検証と議論」
◆読売・産経は首相支持 菅義偉首相が「デジタル庁」の設置とともに力を入れているのが、携帯料金の引き下げである。 携帯料金の引き下げは、首相就任の会見でもそうだが、就任前の自民党総裁選の最中でも強調し、官房長官の時にも…
新政権に前向きな成長戦略の強化を説く読売、財政再建で朝日は安倍批判
◆財政持続で日経注文 菅義偉新政権が誕生した。「働く」(菅氏)内閣として、新政権の今後の取り組みに期待したい。 総裁選の期間中に経済政策に関する社説を掲載したのは、10日付読売「自民党総裁選/成長戦略をどう強化するか…