小松 正之
海洋生態系を損なう放射能汚染水の海洋放出
《 持 論 創 論 》 一般社団法人生態系総合研究所代表理事 小松 正之 政府は8月24日、東京電力福島第1原発の放射能汚染水の海洋放出の風評被害対策をまとめた。風評被害というが、原発の温廃水や海洋放出は海洋生態系への…
漁業・養殖業復活へ政策大転換を
一般社団法人生態系総合研究所代表理事 小松 正之 水産資源は国民共有財産 漁業権制度改め新規参入促進を 2018年改正漁業法が20年12月に施行された。そこで改正漁業法の効果としての漁業・養殖業と水産業の将来の展望につ…
地球温暖化を促進する原発温排水
一般社団法人生態系総合研究所代表理事 小松 正之 海水温上昇し漁獲量激減 ほぼ消滅した福島の沿岸漁業 1970年代前半から90年代前半まで世界一の漁業・養殖業生産量を誇った我が国だが、その後、急激に減少し、現在は第10…
50年前作成の国連海洋法条約の限界
一般社団法人生態系総合研究所代表代理 小松 正之 各国の思惑を優先し成立 内容バラバラの資源管理項目 地球温暖化は海洋にも影響を及ぼす。米西海岸のロブスターが北上し、メイン州とカナダ東海岸では豊富になったが、南ではほぼ…
絶滅危機の駿河湾サクラエビ
一般社団法人生態系総合研究所代表理事 小松 正之 海洋生態系の悪化深刻 重視すべき陸・河川との関係 サクラエビ漁を抱える静岡県の漁業の衰退は壊滅的である。最盛期の38万㌧(1988年)が現在では29%の11万㌧(201…
英国のEU離脱と漁業への影響
一般社団法人生態系総合研究所代表理事 小松 正之 水産物の輸出入で混乱も 英水域から他国漁船締め出しへ ブレグジット(Brexit)は英国の欧州連合(EU)からの離脱で、2016年6月の国民投票の結果、52%の国民が離…
国民総参加で海の生態系管理を
一般社団法人生態系総合研究所代表理事 小松 正之 水産資源は「共有の財産」 民間シンクタンク設立を提言 一般財団法人鹿島平和研究所(会長・平泉信之鹿島建設取締役)の海洋生態系研究会(主査・小松正之=筆者)は7月、「水産…
コロナウイルスと科学の重要性
新型コロナウイルスの世界の感染者数は1036万人に達した(7月1日:世界保健機関〈WHO〉)。死亡者数も50・8万人で、南北アメリカ大陸の感染者数が522万人と最も多く、中国や韓国は再度波を迎え、経済活動を早期に再開し…
今こそ水産・卸売業の将来像描け
一般社団法人生態系総合研究所代表理事 小松 正之 外国頼みから国内重視へ 安価な安定供給体制の強化を 新型コロナウイルスによる肺炎は2019年12月に中国・武漢で発生、世界保健機関(WHO)は20年1月30日に「緊急事…
捕鯨政策と水産外交の在り方
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 日本はIWCに復帰を 重要な調査捕鯨での情報収集 筆者は2月12日、参議院の国際経済と外交に関する調査会に参考人として呼ばれた。他に「さかなクン」と漁業ジャーナリストの片野歩氏…
巨大コンクリートで国土脆弱化
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 自然の力活用し防災を 環境保護と社会経済性向上も 日本は、自然に対して脆弱(ぜいじゃく)性をさらけ出した国土になった。また単一目的の防災で、環境、社会経済への考慮を忘れた。沿岸…
国連IPCC報告と海洋の危機
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 温暖化進み生態系悪化 漁獲量の大幅な減少を予測 台風15号と19号が続けて日本を襲い、多数の地域で水害をもたらした。その後、10月25日には低気圧が千葉県を中心に水害をもたらし…
卸売市場の概念変える新SFM
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 シドニー観光の目玉へ 地域住民との触れ合いも重視 オーストラリアのシドニー・フィッシュ・マーケット(SFM)はニューサウスウェールズ(NSW)州政府が1960年に開設し、魚介類…
国際捕鯨取締条約脱退の意味
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 日本捕鯨の終焉を加速 縮小の一途をたどる捕獲枠 2018年12月26日、日本政府は国際捕鯨取締条約からの脱退を正式に表明し、条約の加盟国としての立場は19年6月30日で終わった…
敗訴した日韓WTO水産物係争
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 実効ある安全対策を示せ すべきだった日米共同の調査 2011年3月に発生した東日本大震災による福島第1原子力発電所の炉心のメルトダウン以来、韓国が福島県など8県の水産物の輸入停…
漁業の近代化を進める韓国
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 法制度とシステム改革 日本と距離置き独自路線に 2018年11月1日からの韓国訪問は約9年ぶりで、国立研究所・機関、養殖業者、漁業団体ならびに消費地・卸売市場および済州島自治政…
IWC脱退と日本捕鯨の将来
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 さらに進む後退と凋落 科学的根拠と持続利用示さず 菅義偉官房長官は昨年12月26日、日本の国際捕鯨取締条約(ICRW)からの脱退を表明した。本年7月以降の商業捕鯨は日本の「領…
豊洲新市場の困難な将来
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 漁業衰退で取扱量減少 科学に基づく資源管理急務 2001年の豊洲移転の正式決定から17年の歳月を経て、ようやく築地市場は10月11日、豊洲に移転した。 歴史を遡(さかのぼ)れ…
急減する日本沿岸のサケマス
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 大堤防建設などが拍車 生態系の維持と回復が急務 地球環境の異変が日本中と世界中に多く発生しているが、これが海の中でも起こっている。人類の世紀(Anthropocene)が地球の…
旧態の漁業権の廃止を急げ
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 国が管理すべき水産資源 水産庁改革案では衰退加速 6月1日、農林水産省は「農林水産業・地域の活力創造プラン」において「水産政策の改革について」を発表した。しかし、このプランの中…
豪GBRと震災復興の類似性
東京財団上席研究員 小松 正之 海と陸の生態系は一体 サンゴ死滅、サケ漁獲量急減 日本人にも新婚旅行先としてなじみの深い豪州グレートバリアリーフ(GBR)は全長2300キロ、総面積が34万8000平方キロに及び、ほぼ日…
水産の本質論じぬ改革会議
東京財団上席研究員 小松 正之 漁業法改正に全く触れず 漁業権は非現実的な「縄張り」 昨年9月29日から内閣府の規制改革推進会議の水産ワーキング・グループの検討が始まった。主な審議事項は①漁業の成長産業化に向けた水産資…